ねとらぼ

松田元太の第一声「みんな〜!」の素晴らしさ。

企業理念と知育的な要素を守った

ーー本作の物語は、なかなかにダークでハードなところにも踏み込んでいると思いました。例えば、らいおんくんはリーダーですが「てんぐ」になっていて、リーダーとしての資質を問われるというのは、身につまされる話だと思います。

池田 ああいうキャラクターの「欠点」を描くことを、ギンビスさんにOKをいただいてホッとしていました。

須藤  「こういうキャラクターでこういう話」だとギンビスさんに確認を取りつつ進めていたのですが、「それはやめてください」ということはなかったですね。

ーーギンビス社の皆さんにも、どういうキャラクターか分からないということもあったのかもしれませんね。

池田 公式にも、簡潔なキャラクター設定はあったんです。それなのに、よく許していただいたなと思います。

「たべっ子どうぶつ THE MOVIE」監督&脚本家&プロデューサーインタビュー 「まさかの映画化」「感動大作」の理由

(C)ギンビス (C)劇場版「たべっ子どうぶつ」製作委員会


須藤  でも、ギンビスさんにも大きなテーマがありましたね。企業理念である「お菓子に夢を!」「お菓子を通して世界平和に貢献する」こと、またお菓子ひとつひとつに英語も書いてある「知育的な要素」は、しっかりと守ってほしいとおっしゃっていました。

ーー映画本編も、お菓子というモチーフを持ってして、ストレートに世界平和のメッセージを掲げている作品だと思いました。

竹 本当にそうですよね。

須藤  真面目に訴えていましたね。

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「お菓子の映画」になっていた

ーーメインキャラクターたちが動物たちそのままではない、「お菓子」なんだと思わせるギミックも面白かったです。

池田 そこが物語でいちばん苦労したことかもしれないですね。たべっ子どうぶつたちを冒険させるだけだとお菓子の映画にはならないし、かと言ってビスケットたちをそのまま映画の主人公にできるわけではないですから。だからこそ、けっこう早い段階から「お菓子を食べたらたべっ子どうぶつが現れる」という発想になっていましたし、それが後半のとある「作戦」にもうまくつなげることが出来ました。

ーーお菓子に対しての「人間」の思い入れも描かれた、「お菓子の映画」になっていますよね。

須藤  広い意味で「お菓子の映画」ということにはこだわってはいましたね。

「たべっ子どうぶつ THE MOVIE」監督&脚本家&プロデューサーインタビュー 「まさかの映画化」「感動大作」の理由

(C)ギンビス (C)劇場版「たべっ子どうぶつ」製作委員会


池田 動物の映画は世の中にたくさんあって、参考のためにもたくさん見たのですが、本作は「そうじゃないよなあ」と思いましたね。それをみんなで話し合って、いまの形になったのはすごく大きかったと思います。

ーーお菓子の映画自体がほとんどないので、斬新な作品にもなっていると思います。

竹 実写映画であれば「チャーリーとチョコレート工場」もありますけど、あれはお菓子そのものではなく、作る人が主人公だったりしますからね。お菓子の「気持ち」がキャラクターになっている映画は、もしかしたら史上初なのかもしれませんね。

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「君は君のままで活躍できる」

ーー最後に、これから映画を見る方へのメッセージをお願いします。

須藤  作品の出来にはかなり自信があります。このタイミングで言うのもなんですが「たべっ子どうぶつ THE MOVIE」でできなかったことを、「2」でどうやろうかってことばかり考えているんですよ。まだそのオファーも受けていないのに(笑)。

池田 本作のたべっ子たちは本当にダメダメっ子たちなのですが、「ダメでも活躍できるぜ!」っていう、やっぱり「ポリスアカデミー」のような物語を描きたかったんですよね。「君は君のままで活躍できる」と言うメッセージが、子どもたちに届けばいいなと思っています。かつて子どもだった親御さんにも届くはず。是非お子さんと一緒に楽しんでください!

竹 誰かの人生を90分一緒に生きて、他の人の気持ちがちょっと分かるようになる」のが映画の素晴らしいところでもあると思うんです。どうぶつたちと一緒に大冒険を楽しんで、身近な友達はもしかしたらこんなことを考えてるかもしれないな、と子どもたちが少しだけ想像してみるきっかけになるとうれしいですね。

「たべっ子どうぶつ THE MOVIE」監督&脚本家&プロデューサーインタビュー 「まさかの映画化」「感動大作」の理由

(C)ギンビス (C)劇場版「たべっ子どうぶつ」製作委員会




 「たべっ子どうぶつ THE MOVIE」は5月1日(木)より上映中。ぜひ、小ネタやモフモフ感も含めて、たっぷりと楽しんでほしい。

(取材・構成:ヒナタカ

【声の出演】

らいおんくん:松田元太 ぞうくん:水上恒司 ぺがさすちゃん:高石あかり(※“高”は、はしごだかが正式表記) さるくん:藤森慎吾 かばちゃん:蒼井翔太 うさぎちゃん:小澤亜李 ねこちゃん:水瀬いのり きりんちゃん:東山奈央 わにくん:立木文彦 ひよこちゃん:間宮くるみ ペロ:大野りりあな ゴッチャン:関智一 マッカロン教授:大塚明夫 キングゴットン:大塚芳忠

【主題歌】

「Would You Like One?」Travis Japan (Capitol Records / ユニバーサルミュージック) 4月28日配信リリース https://travisjapan.lnk.to/WYLO

【スタッフ】

原作:ギンビス 監督:竹清仁 脚本:池田テツヒロ 企画・プロデュース:須藤孝太郎 クリエイティブプロデューサー:小荒井梨湖 音楽:羽柴吟 音楽制作:TBSテレビ 音響制作:グロービジョン 音響監督:横田知加子 アニメーションプロデューサー:宇井正人 CGスーパーバイザー:堺井洋介 アートディレクター:亀井清明 ラインプロデューサー:高橋弘樹 宣伝プロデュース:KICCORIT アニメーション制作:MARZA ANIMATION PLANET INC. 製作幹事:TBSテレビ 配給:クロックワークス TBSテレビ

(C)ギンビス (C)劇場版「たべっ子どうぶつ」製作委員会

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