ねとらぼ
2025/05/11 21:30(公開)

自宅の庭に“巨大なビオトープ”を作って1年後、網を入れると…… 興味深い結果に「初めて見た」「ほんと面白い」

これからの変化も楽しみ。

 自宅の庭に作った2つの大きなビオトープをガサガサ&観察し、どんな生き物がいるか調査する様子が「気になっていた」「最高ですね」とYouTubeで話題です。動画は、記事執筆時点で24万回再生されています。

春になったビオトープにどんな生き物がいるのかガサガサしてみた

 動画を投稿したのは、YouTubeチャンネル「ちゃんねる鰐」の鰐(わに)さん。深谷爬虫(はちゅう)類館(埼玉県深谷市)の館長を務めており、飼育している生き物たちの様子や野外での生物採集の様子を公開しています。

 以前には、米ハワイの街中で外来種を探す様子を紹介しました(関連記事)。今回は、春を迎えた自宅のビオトープにどんな生き物がいるのか調査していくようです。

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巨大ビオトープをガサガサする

 鰐さんの自宅には、ビニールシートで作った全長7メートルの巨大ビオトープと、全長3メートルのひょうたん池を地面に埋めて作ったビオトープがあります。春を迎えたこの2つのビオトープには、どんな生き物がいるのでしょうか。

 まずは2024年夏に作り、約1年が経過した巨大ビオトープでガサガサをして、どんな生き物がいるのか調査してみることに。冬はほとんど生き物がいなかったそうですが、春を迎えて気温が上がったことで生き物の種類や数が増えたのか気になります。

巨大ビオトープ
まず7メートルの巨大ビオトープでガサガサをします

 こちらの巨大ビオトープは当初「水が蒸発して減ってしまうのでは」と懸念されていましたが、作ってから一度も水を足していないそうです。水が蒸発しても雨が降って元通りになり、水漏れもしていないため、それほど大きな変化はないのだとか。

 ビオトープについて説明しながらガサガサを始めようとすると、目で見える範囲にミズカマキリの姿がありました。試しに網ですくってみると……驚くことに、1回で5匹ものミズカマキリが網に入りました。

ミズカマキリ
ガサガサする前にミズカマキリを発見!

 続いて近場をガサガサすると、さまざまな種類のヤゴが登場。さらに、網に入った落ち葉の裏には貝類の卵だと思われるプニプニしたゲル状の物体やモノアラガイがくっついていました。水中に生息し、陸上は移動しないはずのモノアラガイがどのようにしてこのビオトープにやってきたのか気になりますね。

ヤゴ
さまざまな種類のヤゴが

 試しに、落ち葉にくっついている白いブツブツを顕微鏡で観察してみると、小さな貝の姿が確認できました。ゲル状の物質に入っているときから貝殻があったり、まだ貝の形をしていなくてもうごめいていたり……小さくともすでに生き物として活動しているその姿に、驚きや感動を覚えた人もいるのではないでしょうか。

 深場をガサガサしてみると、大量の藻に交じって暮らすヤゴやアカムシの姿も確認できました。

貝の卵を観察
貝の卵を顕微鏡で観察すると……
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ひょうたん池ビオトープをガサガサする

 次に、ひょうたん池ビオトープを観察します。以前取ってきた水草を少し入れておいたというひょうたん池ビオトープは、いつの間にか水草だらけになっていました。

ひょうたん池ビオトープ
ひょうたん池ビオトープでガサガサします

 こちらもガサガサしてみると、水草に交じってヤゴとモノアラガイの姿が確認できます。少なくとも3種類以上のヤゴがいそうだという話をしていたところ、驚くほど巨大なヤゴを発見。さらに、貝類やヒメガムシの姿も見つけることができました。

大きなヤゴ
大きなヤゴを発見
ヒメガムシ
ヒメガムシもいました
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夜のビオトープを観察

 その後、夜のビオトープの様子も観察していくことにします。ひょうたん池ビオトープを見てみると、外気温が低く水温が高いため、水面から湯気が出ていました。そんなビオトープを観察すると、水面を泳ぐカタビロアメンボやアメンボ、昼間は観察できなかった大きな巻貝の姿があります。

 大きいビオトープを見てみたところ、水際でミズカマキリがアメンボを食べていました。作ってから約1年経過したビオトープの中では、すでに食べる・食べられるという生態系が出来上がっているようです。

カタビロアメンボ
水面にはカタビロアメンボの姿が

 藻を採取して顕微鏡で観察してみると、ケンミジンコやマルミジンコなどの大量の微生物が確認できました。さらに2024年に引き続き、夜に活動するハイイロゲンゴロウの姿も見られました。

 鰐さんによると、撮影時点ではまだ近くの田んぼに水が入っていないそうですが、この後で水が入るとカエルが集まり、卵を産んでオタマジャクシがふ化して……という流れができ、ビオトープにいる生き物の様子が変わっていくだろうとのこと。

ケンミジンコ
水中にはさまざまな微生物の姿が
マルミジンコ
ビオトープの変化が楽しみですね

 ただ、ビオトープの中には大量のヤゴがいるため、カエルが集まってオタマジャクシが生まれても、すぐに食べられてしまうかもしれません。しかし、ヤゴが大量にいてくれるおかげで、現状ビオトープにはボウフラが1匹もいないそうです。日々変化していくビオトープの様子については、都度動画で報告していく予定だそうですよ。

「ものすごく楽しい」「季節を感じられる」の声

 さまざまな生き物の姿を発見したビオトープに、コメント欄では「珍しい生き物もいて、素晴らしいですね」「ものすごく楽しい」「ほんと生体が増えてくるの面白いですね」「とてもいい環境ですね!」「ヤゴいるのうれしい」「一度にこの数のミズカマキリ見たの初めてです」「季節を感じられて一番好きなシリーズ」「癒やされるし勉強になるな〜」といった声が寄せられています。

 鰐さんは、YouTubeチャンネル「ちゃんねる鰐」のほかにX(@wanivspbao)でも生き物に関する情報を発信中です。

「ちゃんねる鰐」動画まとめ

自宅のビオトープにとんでもない外来生物が来てしまいました
作成から4ヶ月、冬のビオトープであの生き物が大量発生していました
10mのビニールシートを使って巨大ビオトープを作る!

動画提供:YouTubeチャンネル「ちゃんねる鰐

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