ねとらぼ
2025/05/29 18:00(公開)

プリキュア、過去5年で最高の売り上げに 「子ども向け」と「大人向け」の両輪展開で絶好調

【連載:サラリーマン、プリキュアを語る】プリキュアは「大人向け施策」の成功により売上を伸ばしています。

 プリキュアシリーズの売上が、ここ5年で最高の数字となっています。

 2024年度は「わんだふるぷりきゅあ!」の変身アイテムの躍動、そして「大人向け施策」の成功によりキャラクターグッズ、関連商品の売上が大きく伸びました。

 いま、プリキュアは「子ども向け」と「大人向け」の両輪で、幅広い世代の心をつかむコンテンツへと成長し続けています。

 バンダイナムコホールディングスおよび東映アニメーションの決算資料をもとに、現在のプリキュアの状況を見ていきたいと思います。

現在放送中の「キミとアイドルプリキュア♪」
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トイホビー売り上げは昨年対比122%

 2025年5月9日、バンダイナムコホールディングスの2025年3月期の決算数値が発表となりました(これは2024年4月~2025年3月までの数字で、主に「わんだふるぷりきゅあ!」の放送時期です)。

 プリキュアのトイホビー売り上げは78億円。前年の64億円から14億円増(121.9%)と大幅アップとなりました(※トイホビー売り上げは「玩具」のほか、文具、生活用品、食玩なども含みます)。通期見込み75億円に対し、78億円での着地は「予想よりも売れていた」と言えます。

2024年のバンダイのトイホビー売り上げは78億円と絶好調

 これは過去5年間においては最も高い数字となり、新型コロナ禍による低迷からの完全復活を印象付けるものとなっています。

 トイホビー売り上げ好調の要因の一つとして、玩具業界誌によると「変身アイテム」が好調に推移したことが挙げられています。

 「わんだふるぷりきゅあ!」では「カラフルエボリューション変身ワンダフルパクト」「PrettyHolicシャイニーキャッツパクト」の2アイテムを発売、共に好調に推移しました。

 特に「シャイニーキャッツパクト」はコスメとして実際に使用できる実用性と、そのデザイン性の高さから、子どもたちだけではなく大人のファンにも波及し一時期は入手困難になるほどの人気となりました。

シャイニーキャッツパクトが好調だった(画像出典:Amazon.co.jp

 近年のプリキュアの玩具は特にクリスマス商戦に弱く、それも苦戦の一要因だったのですが、今回の「変身アイテム好調」は放送終盤まで続いたようで、玩具業界誌においても「年末年始商戦でも変身アイテムが前年を大きく伸ばした」との報告があります。

また、プリキュアシリーズは期間内の金額ベースでは前年並みの実績でしたが、変身アイテムの販売数量では前年を大きく伸ばし、通期でも好調に推移したと考えています。
2024-2025年末年始商戦総括
バンダイ トイ事業部 国内営業チームマネージャー・若月泰憲氏
『月刊トイジャーナル2025年2月号』(東京玩具人形協同協会)P24

 また、前作(ひろがるスカイ!プリキュア)の変身アイテム「変身スカイミラージュ」が定価7920円と高価格帯だったのが、ワンダフルパクトは定価4730円、シャイニーキャッツパクトは定価3350円と価格設定を下げ、手にとりやすい価格にしたことも好調の要因の一つだと思われます。

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「液晶玩具」は期待値に届かない

 一方で、高額な「液晶アイテム」や「ぬいぐるみ玩具」が期待値に届かなかったとの報告もあります。

前作に関しては「変身アイテムを中心に好調な実績を残した一方で、ぬいぐるみや液晶玩具などが期待値に届かないなど、課題も残った」と語る。
『月刊トイジャーナル2025年2月号』(東京玩具人形協同協会)P9

 例えば「あつめておせわしよ キラニコトランク」は定価1万円を超える高額なアイテムとなっていて、世間的な節約志向の流れもあり伸び悩んでしまったようです。
 プリキュアの高価格帯玩具の商品展開には課題も残りました。

1万円を超える「高額な玩具」は伸び悩んだもよう(画像出典:Amazon.co.jp

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