「100均の糸だと上手に縫えない?」“刺繍のプロ”による検証動画がYouTubeに投稿されました。動画は記事執筆時点で2万5000回再生を記録しています。

advertisement

100均とメーカーの糸を検証!

 投稿者は、東京都(西荻窪)で刺繍教室「Atelier アンナとラパン」を営む刺繍作家の川畑杏奈さん。運営しているYouTubeチャンネル「annas川畑杏奈」では、刺繍製作動画を公開している他、毎週土曜日(14時)には、刺繍をしながらおしゃべりを楽しむライブ配信もおこなっています。

 今までにも100均のキットや巾着をアレンジしてみたりと、100均の材料を使ってさまざまな刺繍にチャレンジしてきた川畑さん。今回は、気になっていたけど知らなかった「ダイソーとメーカー糸の違い」について実際に刺繍をしながら検証してくれました。

advertisement

まずは糸の色の違いを比較

 まず最初に比較するのは、糸の色。違いが分かりやすい白の糸をCOSMO(日本)、DMC(フランス)、ダイソーの順に並べていきました。パッと見るだけでも糸の艶が異なるそうで、コスモは艶が少なく、柔らかい印象。DMCは艶がキラッと綺麗にでているそうです。ダイソーの糸は艶がないマットな糸なのだとか。色だけでもこんなに特徴があることには驚いてしまいますね。

左からコスモ・DMC・ダイソーの糸

 糸に加え、刺繍枠や針も100均で揃えた材料でいつもと同じ要領で刺繍をしてみることに。使用する図は、「annas(アンナス)の草花と動物のかわいい刺繍(増補版)」からシマエナガを選びました。

advertisement

ダイソーの糸でステッチ開始

 ダイソーの黒の糸を65センチくらいの長さでカットし、糸をほぐしながら1本だけ引っ張り出して針に通していきます。メーカー品の糸と比べると糸のヨリが甘く、クセがついてしまっていることや、太さのバラつき、毛羽立ちが気になるようです。

ダイソーの糸
刺繡メーカーの糸

 準備が出来たのでさっそく刺繍を開始していきます。素人目では、スムーズで綺麗に縫い進められているように見えますが、縫い心地としては糸を引っ張るときガサつきを感じるとのこと。刺繍作家歴約20年の川畑さんでも「結構ガタガタです」「初めての人が使うには扱いにくいかもしれない」とコメントしており、少し苦戦している様子です。

縫い心地も検証

 ロングアンドショートステッチの途中では、片方だけ糸が千切れてしまうなんてことも。糸の強度はメーカー品と比べてしまうと、あまり強くはなさそうですね。ハプニングもありましたが、可愛らしいシマエナガが完成しました。

advertisement

完成品を比較

 いつも使っている材料で縫い上げたシマエナガと比較してみます。どちらもとても可愛いですが、川畑さんによると艶やガタつきに違いがあるとのこと。特におなか部分の艶が分かりやすいそうで、メーカー品の糸を使用した方がツルッときれいに仕上がったといいます。

仕上がりを検証
艶や境目などの細かいところに違いがでる

 縫い心地も振り返ってみると、メーカー品の糸は隙間部分を縫うときの細かい作業もスムーズに進み、仕上がりも糸の艶がガタつきを誤魔化してくれるので目立たずに綺麗に仕上がるとのこと。100均のマットな質感で厚みのある糸だと、艶でごまかすことができずにボサボサ感もでてしまうのだとか。また、向きが2~3度変わるだけでも目立ってしまうので難しかったそうです。

斜めから見ると違いがわかりやすい

 川畑さんは「好みの糸を使ってほしい」ということを伝えた上で、扱いやすく、仕上がりも綺麗だと感じたメーカー品の糸をオススメしています。また、動画内では針や枠の違いも検証しているので気になる方はぜひ動画をチェックしてみてください。

advertisement

「参考になった!!」「やっぱり違いますね」と反響

 コメント欄では、「とても参考になりました!!」「面白かったです」「糸のヨリまでは観察していませんでした」「糸のツヤって大切なのだなあ」「出来上がりはどっちも凄く可愛かった」との声が寄せられています。

 川畑さんはYouTubeチャンネル「annas川畑杏奈」の他、Instagram(@annastwutea)でも情報を発信中です。オリジナル刺繍キットや、作家の目線で選んだ刺繍道具は、刺繍作家のセレクトショップ「Net store アンナとラパン 」で購入することができます。

 また、川畑さんの大好評の書籍『annasのおいしい刺繍CAFE&SWEETS』(河出書房新社)や最新刊『annasの雑貨の刺繍』(光文社)も発売中。そのほか、書籍『annas』の過去図案や毎月更新される新しい図案を全てダウンロードできる会員サイト「annasの毎月の刺繍」(月額600円)も運営中です。

 刺繍教室「Atelier アンナとラパン」では、川畑さんの書籍『annas』の図案の中から好きなものを選んで自分のペースで個別に進めることができます。刺繍道具も貸出しているので、初心者の方や親子でも気軽に刺繍を楽しむことができるかもしれません。