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その長さや性質から、普通のプランターで栽培することが難しい野菜・長ネギ。そんな長ネギを雨の日によく見かける傘袋を使い、上手に育てる方法を教えてくれる動画がYouTubeに投稿されました。動画は記事執筆時点で16万回以上再生され、3900件を超える高評価が寄せられています。
動画を投稿したのは、YouTubeチャンネル「ぽたろうの家庭菜園HACK」さん。SNSを通じて家庭菜園の魅力を発信しており、以前は1プランターで1年分のショウガを栽培する方法を紹介しました。
今回は日本の食卓に欠かせない野菜の1つ、長ネギを家庭菜園で栽培する方法を教えてくれるようです。
普通のプランターでは栽培が難しい長ネギ
家庭菜園で長ネギを育ててみたいけれど、プランターでは高さが足りないから諦めるしかない……ぽたろうさんはそんな多くの人が抱える悩みを解決するべく、何か代用できるものはないかとあれこれ考え続けてきたそうです。
そして考え抜いた結果、たどり着いたのは……雨の日のスーパーなどの入り口で見かける「傘袋」! 今回は傘袋をプランター替わりに使い、長ネギを自宅で手軽に育てる方法を教えてくれます。
長ネギの種まき時期は春まきの2~5月、秋まきの9~10月ですが、発芽さえすればどんな時期や環境でも立派に育ってくれるとのこと。また暑さ寒さにも強く、日当たり不良でも育ち、病害虫もほとんどないという、手間がかからない優等生なのだとか。
さらに収穫した後に根から3センチくらいの部分を土に刺しておくと、再生までしてくれるそうです。こうやって教えてもらうと、長ネギが家庭菜園初心者の人にぴったりの存在だということがわかりますね。
ただし太くて長いネギを栽培するためには、少しだけコツがあるとのこと。というのも長ネギの白い部分の正体は根ではなく葉の一部であり、栽培中に日が当たってしまうと、白色にならないのだとか。この白い部分を作ることこそが、長ネギ栽培の最重要課題なのだそうですよ。
長ネギを種から育てる場合
ここで実際に長ネギを育てる前に、長ネギを種から育てる方法を教えてくれるようです。実はぽたろうさんには「種からのスタートが流儀」というこだわりがあるものの、今回の傘袋栽培は思い付きではじめたことと時期的な問題から、購入してきた長ネギの苗を植えつけたのだとか。
長ネギを種から育てるときは、カップヌードルの容器を使うといいとのこと。容器の下に排水穴を開け、野菜用培養土を押し込みつつ8割程度まで入れたら、長ネギの種を容器の中央付近に6~7粒まきます。ネギは種に光が当たると発芽しづらい性質があるため、種の上には1~2センチ程度の土をかぶせておきましょう。
種が浮かないように注意しながら水をあげ、発芽までの期間は室内の薄暗いところで管理。発芽したら成長の遅い株を間引き、15~20センチほどまで育ったら傘袋に移植していきます。
長ネギの傘袋栽培スタート!
長ネギを種から育てる方法を説明したところで、動画は傘袋栽培の植え付け初日である10月22日に戻ってきました。今回使う傘袋はホームセンターで購入したそうですが、百均や大きめの文房具屋などでも販売しているとのこと。傘袋栽培をしてみたいからといって、スーパーなどの店頭から傘袋を大量に持ち帰るようなことは絶対にしないでくださいね。
それでは早速、長ネギを植え付ける準備をしていきましょう。まず植える本数分の傘袋を用意し、もう1セット植える分の傘袋を用意。片方は端の部分をハサミで切り落とし、パイプ状にしておきます。準備が完了したらパイプ状にした傘袋の中に、加工していない傘袋を通し2重構造にします。
そこに新品の培養土を25センチほど入れ、内側の傘袋の下には8~10カ所の排水穴を開けておきましょう。これをしないと根が腐ってしまうそうなので、忘れないようにしたいですね。
次はパイプ状になっている外側の袋を下までずり下げて、ルーズソックス状に束ねておきます。そして内側の袋の上部を7~8センチ残してカット、内側の袋の上部を2~3回折りこみ、ウォータースペースを作っておきましょう。
傘袋の準備が完了したら苗を1本1本取り分け、土に指を突っ込んで4~5センチほどの植え穴を作り、そこに苗を差し込みます。ここで周りの土を根元に寄せてあげると、苗が安定するそうです。
傘袋が倒れないように足元をレンガなどで支えたら、排水穴から水が出るまで水やりをして、植え付け完了。ネギはそれほど水分を必要としないため、真夏は1日に1回、それ以外は2~4日に1回の水やりで十分育ってくれるそうです。
長ネギ栽培のキモ
その後植え付け78日目(1月8日)を迎え、植えた苗はかなりネギらしくなっていました。この日から長ネギ栽培唯一のキモである、「軟白処理」を行っていくとのこと。成長した分数回に分けて土を増し、本体を隠していく作業をしないと光合成をしてしまい、長ネギの白い部分が緑色を帯びてしまうのだといいます。
最初の軟白処理ではウォータースペース用に折りこんでいた内側の袋を元に戻し、その部分に土を増していきます。ネギの成長点を隠さない程度に土を増したら、たっぷりの水をあげてこの日の軟白処理は終了です。
植え付け111日目(2月10日)には、2回目の増し土を行うことに。ルーズソックス状に束ねていた外側の袋を上まで引き上げ、そこに土を追加していきます。傘袋を2重構造にしていたのは、軟白処理をするためだったのですね。
その後もネギの成長に合わせて引き上げと増し土を行い、植え付けから156日目の3月27日。長ネギは売り物と遜色ない長さにまで成長しました。
そして植え付けから202日目(5月12日)、長ネギはついに収穫の日を迎えました。カッターで傘袋を切り、土を払ってみると……白くて美しく、太さも申し分ない長ネギが姿を現したのでした。
思い付きではじめた栽培だったけれど、長ネギが傘袋のような少ない土でも十分育つことを証明したぽたろうさん。なお傘袋での野菜栽培は他にも代用できそうだと考え、その後ゴボウと森口大根の栽培を成功させたそうですよ。
「身近な物を利用するアイデアが素晴らしい」「塩ビ管とかでも行けそう」の声
動画には、「白ネギは難しいなと諦めてましたが、身近な物を利用するアイデアが素晴らしいです」「すごいな、これ。パン屋さんでバゲット買うと保存用に長細いビニール袋くれるのでそれで試してみようかな」「すごい!農業革命では?」「ふと思ったのですが、塩ビ管とかでも行けそうですね。日当たらないし」といったコメントやアイデアが寄せられています。
ぽたろうさんはYouTubeチャンネル「ぽたろうの家庭菜園HACK」の他、X(Twitter/@HACK1136)とInstagram(@potaro_yasai.beer)アカウントも運営中。家庭菜園に関する、さまざまな情報を公開しています。
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