ねとらぼ
2025/07/25 20:30(公開)

ひき逃げで下半身不随になった猫、奇跡の“一瞬”が「涙止まらない」と反響呼ぶ その後……偉大な生涯を振り返る

 ひき逃げで下半身不随になったにもかかわらず、献身的な看護で歩けるようになった猫「愛」ちゃんのInstagram動画が話題になり、その様子をねとらぼでも2023年10月に紹介しました(関連記事)。その後、さまざまな体調不良と闘いながら頑張っていた愛ちゃん。力いっぱいに2年4カ月を生き抜き、2025年6月19日にお空に旅立ちました。今回はその偉大な生涯を振り返ります。

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愛ちゃんとの出会い

 飼い主さんは2023年2月24日の朝、ひき逃げされた愛ちゃんを発見し、動物病院に緊急搬送しました。愛ちゃんは腹壁ヘルニア、内蔵の飛び出し、膀胱の反転、軟部組織の壊死(えし)、足の骨折などに見舞われて命が危ぶまれる状態でしたが、一命をとりとめました

腕にしがみつく愛ちゃん
腕にしがみつく愛ちゃん
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初めて歩いた日

 愛ちゃんが事故で負ったけがは排せつ障害を引き起こすほどの重いもの。少しずつ快方に向かってはいたものの、医師には「立ち上がることも歩くこともできないだろう」と言われる状態で、断脚の予定がありました。そんなとき、愛ちゃんに奇跡が。後ろ足を交互に前へ出して一歩二歩と歩いたのです。力が入らずよろよろとした動きではありますが、“足を前に出そう”という意思が伝わってきます。

 飼い主さんの献身的な看護と愛ちゃんのあきらめない力によっておとずれた奇跡の瞬間は、熱い反響を呼び、多くの人が涙を流しました。

初めて歩いた時の様子
初めて歩いたときの様子
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2023年の愛ちゃん

 その後の愛ちゃんは、ふらふらとしながらも自分の足で歩くことが増えてきていたのだとか。自分でトイレをしてドヤ顔で歩いてきたり雪が降る窓を見上げたり……おだやかなときを過ごすこともできました。

窓の雪が気になります
窓の雪が気になります

2024年の愛ちゃん

 愛ちゃんが暮らすお宅には他にも猫ちゃんが暮らしています。通院を頑張った愛ちゃんのことを「サラン」ちゃんが毛づくろいしてくれることもありました。やわらかなまなざしで気持ちよさそうに毛づくろいを受け入れる愛ちゃんは、とても幸せそう。

サランちゃんに毛づくろいしてもらう愛ちゃん
サランちゃんに毛づくろいしてもらう愛ちゃん

 ある日の愛ちゃんは、飼い主さんが捨てようと思っていた箱の中にイン。猫ちゃんらしい行動と、まん丸なオメメがかわいいです。夏には季節にぴったりなスイカの首輪を付けてもらいました。赤と緑の縞々が白い毛並みにお似合いで、こころなしか誇らしげにも見えます。楽しいことも、いっぱいだったね。

箱に入る様子
箱に入る様子
スイカの首輪を付けてもらいました
スイカの首輪を付けてもらいました
まどろんでいるのかな?
愛ちゃん

2025年の愛ちゃん

 ときには大きなあくびを披露する愛ちゃん。お口の中が丸見えです。また別のときに飼い主さんが捉えたオテテを伸ばしてトントンしようとする“かまってちゃん”な様子も。

大きなあくびをする愛ちゃん
大きなあくびをする愛ちゃん
オテテを伸ばしてトントン
オテテを伸ばしてトントン

 通院が続く愛ちゃんにとって、日常は苦しいことやままならない思いの連続だったのかもしれません。しかし、そんな日々を送りながらもおだやかな表情を見せてくれることがありました。やさしい飼い主さんや猫の家族たちとおうちで過ごす時間が、愛ちゃんを癒やし続けたのでしょう。

 愛ちゃんは飼い主さんが「愛ちゃん、世界一、宇宙一愛してるよ 大好きだよ」と声をかけると、「わたしもお母さんが大好き、愛してるよ」と言わんばかりにニャーっと大きな声で返事をしてくれることもあったのだとか。

スリ~っとする愛ちゃん
穏やかな表情の愛ちゃん
おだやかな表情の愛ちゃん

今年6月には厳しい宣告が

 慢性腎臓病などの不調もありながら懸命に闘病していた愛ちゃん。自宅では皮下点滴を頑張っていましたが、2025年6月には医師から「もう静脈点滴をしても結果がでない」との厳しい宣告が。飼い主さんが「愛ちゃんとは、いつまで一緒にいられますか?」とたずねると、その回答は「今月中には……」という受け入れがたいものでした。

 飼い主さんは「僕が愛ちゃんだったら知らない人のお家にいるより、お母さんと一緒に居たいと思うんだ」という医師の言葉を涙ながらに受け入れ、自宅で静かに愛ちゃんを見守ることにします。

愛ちゃん ありがとう

 いっぱいいっぱい頑張った愛ちゃんは6月19日、眠ったままお空に旅立ちました。その日のInstagram投稿には「愛ちゃん。。最後までほんとにほんとによく頑張りました」「愛ちゃん ありがとう! 少し早過ぎやけど ゆっくり休んでな」「気になってずっと見守っていました…。優しいお母さんの愛情を沢山胸に抱えて、お空へ旅立ったのですね。永遠に忘れないよ」「愛ちゃんはひどい目にあいましたが、お母さんに出会って最高に幸せだったと思います」といった多くの声が寄せられています。

お母さんと

 愛ちゃん、人生を精いっぱい駆け抜ける姿を見せてくれてありがとう。大切なことを教えてくれてありがとう。ねとらぼ編集部は愛ちゃんの旅立ちが安らかなものとなりますよう、心よりお祈りいたします。

 投稿主さんは一緒に暮らす動物たちの様子をInstagram(@shie.eto)やTikTok(@usagitonekohamu)に投稿しています。

愛ちゃんありがとうね

その他の投稿

動画提供:シェール49(@shie.eto)さんのInstagram

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