ねとらぼ
2025/08/05 20:00(公開)

父が愛人と住んだゴミ屋敷 遺品整理する娘の“目的”は……「どうして」「随分苦しまれたでしょうね」

 父親の不倫、相手の女性(以下:女性)との確執に振り回された依頼者が、複雑な感情を抱えながらその2人が暮らした家の遺品整理をする動画がYouTubeに投稿されました。依頼を受けて訪れた遺品整理人との会話や片付けの様子にさまざまな反響が寄せられ、動画は記事執筆時点で6万9000回以上再生されています。

父が不倫相手と暮らした部屋はゴミ屋敷寸前…見捨てられた娘が涙の遺品整理
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父親が不倫相手と暮らした家

 動画が公開されたのは、遺品整理専門会社メモリーズの代表である横尾将臣さんのYouTubeチャンネル(@memories-yokoo)。現在50代の依頼主さんから父親の遺品整理を依頼され現場に行くと、5Kの一戸建ての部屋は物であふれた“ゴミ屋敷”寸前でした。

依頼主さんの父親と継母が住んでいた家が今回の現場
依頼主さんの父親と女性が住んでいた家が今回の現場

 1階だけでなく、階段から2階まで物で埋め尽くされており、収納家具もたくさん。作業は朝9時からスタートし、片付けるよりも“見つける”ことを優先して行われました。

 こちらの家は、父親と相手の女性が暮らしていた場所。2人に拒絶された娘さんがこの家で探していたものとは……。

たくさんの物で部屋が埋まっていました
たくさんの物で部屋が埋まっていました
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壮絶なこれまでを回想

 娘である依頼主さんが小学1年生のとき、父親は通っていたスナックのママである7歳年上の女性と不倫関係に。当時、父親は妻に隠れて二重生活をしており、依頼主さんたち家族が暮らす家にはほとんどいなかったそうです。

 それからまもなく依頼主さんの両親は離婚。父親はその6カ月後に女性と籍を入れました。娘たちの養育費を払わず、さらに親戚一同にお金を借りたまま返さないような父親だったため、その子どもである依頼主さんに娘が生まれたときも「大した子じゃないやろうと、すごく周りから馬鹿にされてきた」と話します。

 家からアルバムが出てきて依頼主さんと中を見ると、そこには父親が面倒を見ていた姪っ子たちの写真が。子どもが嫌いなわけではなさそうですが、それでも実の子である依頼主さんたちを拒絶したのは、女性がそれを許さなかったという側面もあったようです。

父親の不倫がきっかけでさまざまな苦悩を抱えることに
父親の不倫がきっかけでさまざまな苦悩を抱えることに
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依頼主である娘がとった行動

 昨年、80代で亡くなった父親。依頼主さんはたびたび安否確認でこの家を見に来ており、当時父親が入院していることはその際に近所の方に教えてもらったといいます。危篤状態の父親の後見人に連絡し、せめて父親の写真や好きなものを準備しようとしたところ、後見人からメールで「本人が了解したら鍵を返す」と言われ、とてもショックを受けたと振り返ります。ここまで気丈に振る舞う依頼者さんでしたが、このときばかりは涙に声を詰まらせました。

 一方、90代になった女性は今も生きており、7年ほど前に認知症になった際には、「(依頼主さんが)財産を取りに来る」と騒いでいたという話も聞いたそうです。

 現在は施設で暮らしており、実際に行ってみるととても汚いところだったとのこと。依頼主さんは女性の後見人とも連絡をとり、「あまりにもかわいそうなので、お金はいらないからやらせてください」と伝えたとのことで、女性の遺骨を父親と同じところに入れてあげようと苦慮している最中のようでした。

 苦労させられてきた原因である2人のために、なぜそこまでするのか……。依頼主さんは、「どんな理由があっても籍に入って縁があって来られた人やから、1人で逝かすわけにはいかないんですよ」と話し、動画では女性の写真や大切にしていた衣装、父親との結婚指輪などを探す作業を一緒に行う姿が映っています。

女性のために残しておく写真や衣装を選ぶ依頼主さん

父に対する怒り それでも……

 作業しながら、「ほんまムカつきますよ……」と、思わず父親への怒りの言葉が漏れる依頼主さん。しかし、同時に「何もしてもらってないけど、すごい好きなんですよ、やっぱり」「すっごく好き。父親のことは」とも。

 作業が終わったのは15時。最後まで依頼主さんにとって大切なものはないか確認しながら、総勢13人のスタッフで部屋を片付けて、約6時間で1階も2階も空っぽに。依頼主さんは「すっごい早いです!」「1日で終わるなんて思いもしませんでした」と驚いた様子で、また丁寧に整理して目的のものを探してくれたことにも感謝を伝えています。

約6時間で驚くほどきれいになりました
約6時間で驚くほどきれいになりました
片付けながらも残すものはしっかり残しています
片付けながらも残すものはしっかり残しています

複雑な思いを抱えながらも前に進む姿に反響

 こちらの動画には、「この娘様が幸せに暮らせますように」「 私自身の心も洗われる思いです」「ここまでくるのに随分苦しまれたでしょうね。 気が済むまで全てやりきって、これで全て気持ちをクリアにできるといいですね」「依頼者さん、父親に何もしてもらわなかったけど凄い好きです。が心突き上げられました」「凄い事だと思います」など、依頼主さんの思いや行動に深く考えさせられた人からの声が寄せられていました。

 YouTubeチャンネル「遺品整理人横尾将臣(メモリーズ代表)」では、他にもさまざまな事情を抱えた依頼主の家を訪れ、遺品整理をする様子を公開中。以前には、医師だった両親が遺した“築60年豪邸”が現場の動画が話題になりました(関連記事)。

 情報は公式サイトYouTubeのサブチャンネル、TikTok(@memories_yokoo)、Instagram(ihin_memories)でも発信しているので、気になった人はのぞいてみるといいでしょう。

画像提供:YouTubeチャンネル「遺品整理人横尾将臣(メモリーズ代表)」さん

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