自宅で手軽に調理できる袋麺。家に必ずストックしている人も多いのではないでしょうか。私たちに馴染み深い袋麺ですが、どの製品が人気なのか、何を重視して選ばれているのか、袋麺の魅力やトレンド、おいしい食べ方など……。最近の“袋麺事情”についてもっと知りたい!

 ねとらぼでは、そんなさまざまな疑問を調査するべくアンケートを実施。袋麺を知り尽くしたプロ・一般社団法人日本即席食品工業協会の鈴木竜秀さんに、袋麺の気になることあれこれを聞いてみました。

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教えてくれるのは、日本即席食品工業協会の鈴木竜秀さん

一般社団法人 日本即席食品工業協会 事務局 次長 鈴木竜秀さん一般社団法人日本即席食品工業協会 
事務局 次長 
鈴木竜秀さん

協会職員として、即席めんの規格や普及に関する業務に従事している。実家には常に段ボール3箱のインスタントラーメンがストックされていたというラーメン通。
日本即席食品工業協会とは
インスタントラーメンの品質向上と、JAS規格の策定を目的として1964年に設立。現在は「即席めんのJASに関する業務」「品質表示基準に基づく表示に関する業務」「食育促進のための広報活動」を主に行う。令和6年6月時点の加盟社は即席麺の製造メーカーなど56社。即席めんの安全性などを消費者に啓発し、普及を促す活動に加えて、小学校向けの冊子作成や小学生を対象にしたレシピコンクールを実施するなど、食育にも力を入れている。
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月に何回袋麺を食べる? 新製品は試す? 袋麺アンケートを実施!

 袋麺の現状を知るため、ねとらぼでは袋麺についてのアンケートを実施。食べる頻度や、よく食べる製品・メーカー、選ぶ決め手、新製品への興味の有無などを調査し、その結果について鈴木さんに話を聞きました。

 アンケートはまず1000人を対象に袋麺を食べる頻度を質問。Q2以降は、Q1で「月3回以上袋麺を食べる」と答えた295人が回答しています。

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月に1回以上袋麺を食べている人は約7割

月に何回袋麺を食べますか?

 まずは、1000人に「袋麺を月に何回食べるか」という調査を実施。その結果、「月に1回以上袋麺を食べる」という人は約70%にのぼりました。また、約30%の人は月に3回以上袋麺を食べていると回答。一方で、「まったく食べない」と答えた人も約30%いました。

「袋麺をどれくらい食べるかは、それまでの“食経験”によるところが大きいです」

 「袋麺を食べる頻度は、その人が“袋麺を食べる環境にいたか”の影響が大きいと思います」と鈴木さん。多くの人にとって、最初に袋麺を食べるのは、子どものころに親が作ってくれたものとのこと。そういった経験のある人は、大人になっても袋麺をよく食べるのだそうです。しかし、家庭によっては、袋麺のストックが常にある家もあれば、まったく袋麺を食べない家もあるのだとか。家に袋麺がない環境で育っている人は、大人になってもあまり袋麺を食べない傾向があるそうです。

 また同じインスタントラーメンでも、よく食べるのはカップ麺で、袋麺はあまり食べないという人も。カップ麺と袋麺の生産量はおよそ2対1で、カップ麺の方が多くなっているそうです。

 カップ麺の登場以来、袋麺の生産量は少しずつ減少していましたが、2020年は久しぶりに袋麺の生産量が増加しました。これは新型コロナウイルス感染症流行による緊急事態宣言や外出自粛要請の影響が大きいと考えられています。学校が休みになり、買い物にもなかなか出られない状況のなか、家にストックできてすぐに作って食べられる袋麺の買い置きをする人が増加したとみられています。

「日清ラ王」を手に取る鈴木さん

 鈴木さんは「最近は、マルちゃん正麺や日清ラ王、マルちゃんZUBAAAN!のようなちょっと凝った袋麺が人気です。こういったタイプの製品は、昔はありませんでした」と語ります。昔ながらの製品が根強い人気を保つ一方で、ブラッシュアップされた袋麺も新しい定番となっているようです。

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Q. よく食べる袋麺のメーカーは?(複数回答可)

メーカー票数
日清食品218票
東洋水産133票
明星食品95票
エースコック93票
サンヨー食品85票
マルタイ50票
寿がきや40票

 よく食べる袋麺のブランドで、1番回答が多かったのが「日清食品」、次いで「東洋水産」「明星食品」「エースコック」でした。Q.2のよく買う製品の質問で票を多く獲得した製品のメーカーとは、また違う結果となっています。

よく食べるメーカーのアンケート結果は、実際の人気や市場規模と少し違うそうです

 この結果について鈴木さんは「消費者の多くは、製品やブランドとメーカー名が一致していないのでは」と推測。よく食べる製品の名前やブランドは分かっても、メーカーの名前は覚えていない人もいたために、よく食べる製品のアンケートと異なる結果が出たと思われます。

 また、「その他」の自由回答には「ハウス食品」「農心」「山本製粉」などが挙げられました。ハウス食品からは「うまかっちゃん」や「好きやねん」といった袋麺が発売されていますが、「実はこれらの製品の販売地域は近畿や四国などに限られています」と鈴木さん。全国展開されている製品ではないために、票数が絞られたと考えられます。