2025/08/12 20:00（公開） 
市街地にある公園で、有名な高級食材にそっくりな食用キノコを発見。採取して食べる動画がYouTubeに投稿されると、記事執筆時点で13万再生を突破し、注目を集めています。
投稿したのは、主に野草料理に関する動画を発信しているYouTubeチャンネル「野草研究所」の道端つくしさん。以前には、土手に生えていた野草を使って味噌を作る動画が話題になりました。
高級キノコが生えているという情報を得て公園へ
今回は視聴者から届いた、“とあるキノコ”の目撃情報がある公園にやってきました。山や森に生えているイメージがあるキノコですが、道端さんによるとそのキノコは公園や神社、団地の日陰などにも発生するとのこと。
道端さんは、事前に都市計画課に問い合わせて、採取の確認・許可を得た上で、場所を特定されないよう注意して撮影しています。時間は朝5時台。一般的な公園といった感じで、特別なキノコが生えているようには思えませんが……？
すると、あっという間に堂々と地面に生えているキノコを発見！ 絵本に出てきそうなかわいらしいフォルムで、こちらが今回のターゲット「ヤマドリタケモドキ」です。
ヤマドリタケモドキは、トリュフ・松茸と並ぶ世界三大キノコの1つである「ポルチーニ茸（ヤマドリタケ）」の近縁種で、過去には混同されていたこともあるそうです。そのため“和製ポルチーニ”とも呼ばれ、同じくおいしい食用キノコとして知られています。
見た目の特徴
早速採取して見た目を観察。道端さんによると、ヤマドリタケモドキの特徴は、柄の全体に網目模様があり、また柄は引き締まっていて硬め。ただし虫に食われているとフニャフニャしているとのこと。
傘の裏側は、キノコで一般的にイメージされるヒダ状ではなく、「管孔（かんこう）」と呼ばれるチューブ状の器官があり、モコモコしています。管孔は胞子をつくる部分で、幼菌のときは白色で、だんだん黄色になっていくとのこと。
ちなみに、キノコは「菌根菌」と「腐生菌」の2つに分けられ、ヤマドリタケおよびヤマドリタケモドキは樹と共生関係を築く菌根菌。トリュフと松茸も同じで、シイタケやナメコといった腐生菌のキノコと比べて栽培技術の難度が高く、需要に対して供給が少ないので高級食材になってしまうと説明されています。
またヤマドリタケモドキは、コナラやクヌギのようなブナ科の広葉樹林に生えることが多いそうで、そのため公園や神社などにも発生してくれるのだとか。
道端さんは採取後、キノコバエの食害を抑えるためにも、その場でキノコの石づき（地面に接していた部分）をナイフで削ぎ落としながら虫食いの有無をチェック。続いて、水を張ったボウルに10分ほど漬けておくことで虫出しを行っています。実際にハサミムシらしき虫が数匹キノコから出てきました。
すぐに食べる分は、キッチンペーパーを敷いた食品保存容器に入れて冷蔵保存。成菌は薄くスライスしてから乾燥ネットに入れ、干して乾燥させています。残りは食べやすい大きさにカットし、ジップロックに入れて空気を抜いたうえで冷凍保存しています。カット中には「めっちゃいい匂い」と、採れたての和製ポルチーニの香りを堪能する様子も。
さっそく調理して食べてみる
動画の後半では、和製ポルチーニをふんだんに使ったコース料理として、ポタージュ、バターしょうゆホイル焼き、パスタを作っています。パスタでは、あらかじめ乾燥させておいたものを使用し、お湯で戻してから、その戻し汁も使っています。調理風景が公園で採れたキノコとは思えない豪華さ……！
食べた感想は、採れたてのヤマドリタケモドキを使ったホイル焼きは「まるで木の実のようなナッティーな香りが鼻いっぱいにブワッと広がります」と、特に香りの印象が強く、それでいてうま味もしっかりあり、道端さんの妻からも好評。食感は松茸に近いとのこと。
乾燥させたヤマドリタケモドキを使ったパスタは、より芳醇（ほうじゅん）な香りが。パンチェッタの塩味と最後にかけたチーズ以外は特に調味料を入れていないそうですが、しっかりダシが出ていて、かなり濃厚で味わい深いと絶賛しています。
ちなみにポタージュも香りがよくおいしかったとのことですが、2人のお子さんにも食べてもらったところ、「おいしい」「普通って感じ！」とのコメントが。また妻から「舞茸っぽい」との感想も出ています。
動画には、「すごい、こんなふうに生えてるんですね！」「公園でこんな立派なきのこ見たことない」と驚く声が上がり、料理に「めちゃくちゃ美味そう…！」「料理スキルが凄すぎる」などの声も寄せられています。
注意事項
なお、ヤマドリタケモドキに類似のキノコはいくつかあり、そのなかには有毒のドクヤマドリなどもあるため注意が必要です。道端さんも「私は熟練アドバイザーの方に見てもらってます」とのことで、食べられるキノコかどうか確実な同定ができない場合は絶対に採らないようにしましょう。
道端さんはYouTubeチャンネル「野草研究所」のほか、Xアカウント（Twitter：@wild_grasses）でも情報を発信中です。
動画提供：YouTubeチャンネル「野草研究所」さん
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