ダイソーの“割れにくい花瓶”→キャンプ歴14年の発想で……　まるで“大人の自由研究”な完成品に「すごいアイデア」「完璧な工作力」

羽野源一郎

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　ダイソーの商品を駆使して保冷クーラーを作る動画が、YouTubeに投稿され話題に。この動画は記事執筆時点で10万回以上再生されており、興味深い実験DIYとして多くの注目を集めています。

真空クーラーを自作

　動画を投稿したのは、キャンプ歴は14年にもなるというFUKU（@FUKUcampgear）さん。さまざまなメーカーの道具を紹介したり、キャンプで使う道具を自作したりしています。

　今回は、大小異なるダイソーの「割れにくい花瓶」を2つ使い、二重構造の真空保冷クーラー（ボックス）作りに挑戦。真空のクーラーボックスは、壁の内部を真空状態にすることで熱の伝わりを大幅に防ぎ、高い保冷・保温性能発揮するとされています。

　まずは、小サイズの花瓶に、開口部へ穴を開けたダイソーの「クリア植木鉢皿」を取り付ける工程から。底部には“足”として「歯ブラシスタンド」を接着し、瓶を支える構造にします。一方、大サイズの花瓶には、下部に穴を1つ開けて「チェックバルブ」を挿し込みました。

　この状態で小さい花瓶を大きい花瓶の中に入れると、植木鉢皿が大きい花瓶の開口部にフィットしました。

保冷性能は上がるのか？

　今回は、手動で空気を抜いた低真空状態でも、クーラーボックスの保冷性能が向上するのかを検証するのが目的です。空気が漏れないように、各パーツは樹脂を溶かして接着するタイプの接着剤で固定し、ある程度乾燥させた後にコーキング剤も塗布。これにより、各部の隙間はしっかりと密閉されています。

　また、違いをはっきり比較できるよう、全く同じ構造の装置をもう一つ用意し、こちらはバルブを取り付けず、ただの二重構造容器として使用します。

　クーラー本体に加え、ダイソーのクリア植木鉢皿を2枚使って“どら焼き形のフタ”も作成。上側の皿には穴を開けて、取っ手とチェックバルブを取り付けました。比較用のただの二重構造容器のフタにはバルブを付けていません。

　24時間放置して接着剤が完全に固まったら、ダイソーの「ペチャンコポンプ」をフタのバルブに装着。バルブ内には逆流防止の弁があるため、ポンプの取っ手を引くたびにフタ内部の空気が抜けていきます。

　やや丸みを帯びていたフタは上下がへこんだ状態に。同じ要領でクーラー本体も真空にしていきます。フタのときとは明らかに違う音が鳴り響いて不気味ですが、自身の第六感に従いクーラーが圧力で壊れないギリギリまで空気を抜き取りました。

氷を入れて実験開始

　フタ付きの真空クーラーと中空クーラー、そして花瓶の開口部に植木鉢皿をのせただけのセットが準備できたところでいよいよ実験開始です。あらかじめ冷やしておいた各容器の中に同量の氷を入れて、缶ジュースを1本ずつセット。時間経過とともに氷がどのように変化していくか観察していきます。

　スタートから30分が経過。この時点では氷の量に大きな差は見られませんが、皿をのせただけの花瓶の壁面には大量の結露が発生。中空クーラーと真空クーラーも内側が若干くもっています。

　続けてこの状態で放置すること8時間。皿をのせただけの花瓶内の氷は完全に溶けた一方で、中空クーラーと真空クーラーはともに氷が残っていました。真空状態の効果を調べるため、それぞれの氷の重さを量ることにします。

氷が残っている真空クーラーと中空クーラー、水だけになった花瓶 — 8時間後はこの通り！

　中空クーラー内に残っていた氷は431グラム。対する真空クーラー内の氷は555グラムでした。劇的とまではいきませんが、身近な商品で作り出した真空状態はクーラーの保冷能力を上げてくれるようです。

　動画には「手動で抜けるレベルでも変わるもんなんだなぁ」「まさに大人の夏休み自由研究」「見ていてドキドキでした」「凄いアイデア」「こういう実験大好き」「ほぼ完璧な工作力」「面白いことを考えますねw　検証お疲れさまでした」「素材商品と組み合わせの発掘が凄い」「市販の真空マグなどの真空系ポットの凄さがよくわかりますね」などのコメントが寄せられています。

　FUKUさんはYouTubeのサブチャンネルと、X（Twitter／@FUKU97810073）アカウントも運営中。キャンプ道具に関する情報を発信しています。

動画提供：YouTubeチャンネル「FUKU」