ねとらぼ
2025/08/16 20:45(公開)

もとから巨大な肉食カエル→たらふく食わせて育てたら…… 「凄いですね」500日後、目を疑う姿に「吹き出しました」

 ずんぐりとしたフォルムや愛嬌のある動きがかわいらしく、ペットとして人気がある大きなカエルを飼育して500日間の記録をまとめた動画がYouTubeに投稿されました。動画には驚きの声が寄せられ、記事執筆時点で3万2000回以上再生されています。

【生涯水中生活】南米の巨大な肉食ガエルを500日育てた結果こうなりました【総集編+α】

 動画を投稿したのは、多種多様なカエルを飼育しているYouTubeチャンネル「世界カエル指食われ協会」の「むし」さん。以前は全体の半分しか生き残ることができない、激ムズおたまじゃくしを育てる様子が話題となりました。今回は「バジェットガエル」と呼ばれるカエルをお迎えし、飼育を始めてから500日間の記録を総集編として一気に見せてくれます。

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巨大なバジェットガエルをお迎え

 動画はまず、むしさんが久しぶりに新しいカエルをお迎えしたところからスタート。今回お迎えしたのは成人男性の手ほどある大きな「マルメタピオカガエル」。どちらかというと別名の「バジェットガエル」という名前で知られているカエルです。

 むしさんがこの子をお迎えした理由、それは「とにかく大きかった」から。バジェットガエルは近年流通量が増えているものの、500円玉くらいのサイズで販売されることが多く、これほどの大きさで販売されることはまずないのだとか。

マルメタピオカガエル(バジェットガエル)をお迎えしました
マルメタピオカガエル(バジェットガエル)をお迎えしました

 バジェットガエルについて説明を行う前に、まずは飼育環境を作ることに。現状では60センチのガラス水槽に15センチほどの水を張ってありますが、バジェットガエルがスムーズに呼吸できるよう、足を床につけたときに鼻先が水面から出るくらいの水深にするといいそうです。

 むしさんによると、バジェットガエルは南米のグランチャコ地方に生息する半水棲のカエルで、雨季は水たまりの中で狩りや繁殖をするそうです。逆に乾季になると泥の中に潜り、乾眠(休眠)状態で過ごすのだとか。

乾季は乾眠状態になり、雨季を待ちます
乾季は乾眠状態になり、雨季を待ちます

 またオスよりメスのほうが大きくなるため、この子はメスだと思われるとのこと。なお、お迎え直後の体重は426グラム、2025年7月の体重は400グラムでした。常に水の中にいるため体に水を含んでいる量や、排せつをしているかどうかなどの条件で、軽く50グラムほど前後するのだそうですよ。

体重は400グラムほど、ビッグサイズです
体重は400グラムほど、ビッグサイズです
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試行錯誤の日々

 バジェットガエルをお迎えしてから3日目、水槽の水が白く濁ってきてしまいました。この水槽はまだ立ち上げたばかりであり、水をキレイにしてくれるバクテリアが定着していないため、このような事態が起きるそうです。

 通常2週間くらいあれば、新たに立ち上げた水槽でもバクテリアが定着するとのこと。しかし、むしさん宅にはすでにバクテリアが定着しているグッピーの水槽があるため、そちらから水ごとバクテリアを持ってくることに。

 翌日、水がだいぶ透明になってきた水槽には、3センチほどのブラウンソイルが敷かれていました。お迎え初日は床に何も敷かない「ベアタンク」という方法で飼育していましたが、立ち上がって呼吸をするときにツルツル滑って体力を消耗してしまうため、床材を敷いてみたのだそうです。

飼育環境を思考錯誤
飼育環境を思考錯誤

 お迎えから6日目。環境に慣れてもらうことを優先してまだ一度もエサを与えていなかったため、この日はエサをあげてみることに。水槽に生きたドジョウや金魚を入れてみましたが、残念ながら何も食べてくれませんでした。

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バジェットガエルの名前決定!

 その後はまた試行錯誤しながらあれこれと飼育環境を変えていましたが、この日はついにエサを食べてくれた可能性が高いようです。捕食したシーンは見ていないものの、バジェットガエルの水槽に泳がせていたはずのドジョウが、いつの間にかいなくなっていたのだとか……。

 そしてついにエサを食べてくれたバジェットガエルに名前を付け、ここで発表することに。大きなメスのバジェットガエルの名前は「にぎりこぶし」、愛称は「こぶし」ちゃんに決まったのでした。

お名前は「にぎりこぶし」に決定です!!
お名前は「にぎりこぶし」に決定です!!

 お迎えから7カ月。最初はエサを食べなくて心配していたけれど、今ではバクバク食べているというこぶしちゃん。普段は練りエサを与えているけれど、同じエサばかりだと飽きてしまう可能性があるため、この日は鶏の砂肝をあげてみることに。

 実はこぶしちゃんには前の飼い主さんがいたのですが、どうしても手放さなければならなくなってしまったためショップが引き取り、むしさんの元へやってきたのだそうです。以前の飼い主さんによると、そのショップでお迎えした後、お肉を与えていたらこれほど大きくなったのだとか。

 試しに半分に切った砂肝をこぶしちゃんの目の前に持っていくと、目にもとまらぬ速さで食いつき飲み込む姿を見せてくれました。砂肝がよほどお口に合ったのか、その後は「もっとくれ」アピールが止まらないこぶしちゃんなのでした。

トラブル発生

 その後、平和な日々を過ごしていましたが、ある日こぶしちゃんにトラブルが発生します。こぶしちゃんはミナミヌマエビと同居していて、こぶしちゃんはエビを食べ物として認識していなかったものの、なんとエビのほうがこぶしちゃんの足にある傷やイボを食べ始めてしまったのです。

 環境が合うのかエビたちは日に日に数を増やしていましたが、こぶしちゃんの体のことを考えると、エビを減らさなければなりません。そこで一旦こぶしちゃんを水槽から出して隔離し、別の水槽から連れてきたイモリとベタを入れ、エビを食べてもらうことにしたのでした。

 その間こぶしちゃんは一旦、水のない環境で傷を乾燥させ、カエル用の薬を塗ったおかげで状態がよくなったとのこと。むしさんはカエルの治療に関する知識や薬の持ち合わせがありましたが、飼育しているカエルに外傷ができた際は、動物病院で診てもらうことをおすすめするそうですよ。

 また別日、この日は50匹ほどのネオンテトラをこぶしちゃんの水槽に入れることに。最近のこぶしちゃんはもっぱらマウスを食べているため、小さな魚であれば同居できる可能性が高いと判断したのだとか。水合わせをしてから水槽に放流してみましたが、やはりこぶしちゃんはネオンテトラを食べるつもりはなさそうです。

ネオンテトラ50匹と同居してもらうことに
ネオンテトラ50匹と同居してもらうことに

 ネオンテトラとの同居に成功してから数週間後。毎朝の日課であるカエルたちの状態チェックをしていたむしさんは、こぶしちゃんに異変が起きていることに気付きます。こぶしちゃんの背中は皮膚がすれて皮がめくれ、少々痛々しい感じになってしまっていました。

ぶしちゃんの背中に傷が……
こぶしちゃんの背中に傷が……

 以前エビたちに食べられていた足はキレイに治っていましたが、今回もどこかにぶつけたのかガラスにこすったのか、同じような状態になってしまいました。幸いにもカエルは強い再生力を持つ生き物であり、清潔な環境を保てば自然に治るけれど、今回も可能な限り治療を施すことに。

 まずはこぶしちゃんをケースに移動させ、患部周辺の水気を取ります。そして悪い細菌に感染しないよう、めん棒を使い、患部に抗生物質入りの軟膏を塗りつけます。さらに体の表面に悪い細菌が付着している可能性も否定できないため、1時間ほど薬浴をすることにしたのでした。

こぶしちゃんの水槽で植物を育てる

 バジェットガエルはジャンプをしないため、こぶしちゃんの水槽のフタは常に開けてあるそうです。また水槽のフチには植物を引っかけて、水槽内の水に含まれた栄養を利用して植物が育つ仕組みを作っているのだとか。こぶしちゃんの飼育水は肥料として、かなりの効果が出ているそうですよ。

こぶしちゃん由来の栄養で植物がすくすく育っています
こぶしちゃん由来の栄養で植物がすくすく育っています

 そんな話をしつつ、水槽の水替えを始めたむしさん。まずはスクレーパーを使ってコケをこそぎ落とし、ガラス面の掃除を行います。この水槽は植物育成用のライトを使っている上に、体が大きくて食べる量も排せつ物も多いバジェットガエルの水槽では、水中に溶け込む養分が多くなりがちなのだとか。

 その養分を使ってコケが増えてしまうけれど、コケが育つときに使う養分を植物たちも使ってくれているため、コケが育つスピードがかなり遅くなっているそうです。最後に食べ残しを取り除き、水を足したら水換え終了です。

 最後に夏休みの自由研究的な形で、こぶしちゃんの飼育水だけを使って“ある植物”を育ててみることに。6月初旬にイチゴの苗を購入し、土の代わりにヤシガラを使って植え付けた鉢を水槽にセット。2カ月でどのくらい育つのか、観察することにしました。

こぶしちゃんの飼育水だけを使い、イチゴを育ててみることに
こぶしちゃんの飼育水だけを使い、イチゴを育ててみることに

 セットしてから2週間後に咲いた花に人工授粉をしたところ、7月中旬には赤くてかわいいイチゴができていました。あまり数は採れなかったものの、味は甘くておいしかったそうです。

7月中旬には甘くておいしいイチゴができました、すごいぞこぶしちゃん!
7月中旬には甘くておいしいイチゴができました、すごいぞこぶしちゃん!

 イチゴと同様に水耕栽培をしていたミニトマトも2週間ほどで実がついたため食べてみたところ、こちらも甘くておいしかったとのこと。“生産者”であるこぶしちゃんに感謝しつつ、「バジェットガエルの飼育水だけでおいしい野菜や果物を育てることができる」という面白い結果を得ることに成功したむしさんなのでした。

「これからも元気に過ごして欲しい」「かわいさ満載の動画」と反響

 動画には、「こぶしちゃんトマトといちごおいしそう」「こぶしちゃんの水槽が優秀すぎますね、これからも元気に過ごして欲しいです」「こぶしお嬢のかわいさ満載の動画ですね」「葉っぱの出方が、マンガみたいで、吹き出しました」「こぶしちゃん飼い主が触っても全然動じてなくて凄いですね」といったコメントが寄せられています。

 むしさんはYouTubeチャンネル「世界カエル指食われ協会」のほか、X(Twitter/@mushi_frog)やInstagram(@mushi_frog)でも、カエルたちの日常を公開しています。

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