ねとらぼ
2025/08/17 22:05(公開)

“赤いカブトムシ”を8年かけて厳選交配したら…… 想像以上の姿に「見とれました」「もうほぼ別種」

 体の色が赤いカブトムシを厳選し、8年にわたって交配させた結果が「本当にかっこええ~」「ロマンが広がる」とYouTubeで話題です。動画は記事執筆時点で18万回以上再生されています。

8年間赤いカブトムシを厳選交配し続けた結果・・・驚くほど赤いヤツらが!!
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「カブトムシは交配によりどこまで赤くなれるのか」を追求

 動画を投稿したのは、元ペットショップ店員で元エキゾチックアニマルブリーダーのシュネーさんによるYouTubeチャンネル「Schnee Channel」。シュネーさんは商業目的ではなく、純粋に「カブトムシは交配によりどこまで赤くなれるのか」を追求するため、生まれたカブトムシの中から最も赤色が強いオスとメスを厳選し、交配させてきました。

 この取り組みを開始して8年目となる2025年夏のカブトムシは、どのくらい赤くなったのでしょうか。驚くほど赤いやつらが出てきたという成果を早速見せてもらいましょう。

厳選交配8年目の夏、カブトムシはどれほど赤くなっているのでしょうか
厳選交配8年目の夏、カブトムシはどれほど赤くなっているのでしょうか

 なお、この取り組みの中で生まれたカブトムシはシュネーさんが適切に終生飼養しています。また、厳選交配を繰り返すことで血が濃くなり累代障害が起きるリスクを減らすため、血統をきょうだい内で細かくライン分けしてトラブルが起こらないように徹底管理しているとのことです。

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8年目の赤いカブトムシ

 シュネーさんがカブトムシの様子を確認するべく、土を掘ろうとしますが……まずは土の上に出てきている2匹のオスから観察することにします。

 シュネーさんは慣れて少々感動が薄れてしまっていると話しつつも、その姿を見て「やはり赤くてかっこいい」とうれしそうです。慣れたとはいえ1年を通してカブトムシの成虫と触れ合えるのはこの季節しかないため、ワクワクして楽しいそうですよ。

 2匹のカブトムシを見比べると、柄の入り方や色の出方、ツノの形状などが異なり、それぞれに個性があるとのこと。観察するときはその個体の良いところを探し、「この子のここがカッコイイから次世代に引き継がせたい」といったことを考えながら親にする個体を決めていくそうです。

まずは土の上にいた2匹を観察することに
まずは土の上にいた2匹を観察することに
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カブトムシを掘り出していく

 続いて、土からツノだけ出ているカブトムシを掘り出していきます。掘り出したオスはツノの先端部分に抜け殻がついていましたが、全体の赤色が強めな個体のようです。

ツノに抜け殻がついたオスが出てきました
ツノに抜け殻がついたオスが出てきました

 続いて土を掘っていくと、1匹のメスが姿を現しました。メスはオスと比べると赤色が出づらいそうですが、2023年か2024年あたりから赤色が強いメスが出てくるようになったとのこと。以前はおなかの色を見て判断していましたが、現在は羽の色から厳選できるようになってきたそうです。

メスの赤色も年々強くなっているようです
メスの赤色も年々強くなっているようです

 その後は黙々と作業を続け、カブトムシの掘り出し作業が完了しました。ここから次世代の親となる、2025年の赤の発色ナンバー1のカブトムシを厳選していくことにします。

掘り出しながら今年のナンバー1を決めていきます
掘り出しながら2025年のナンバー1を決めていきます

赤色のクオリティーが年々高くなる

 しかし、赤色のクオリティーが年々高くなり、1番を決めることが難しい状況になってきているそうです。厳選する際は赤色の強さはもちろんフォルムも大切であり、動画を撮影していた時点では正直、オスのナンバー1を決めかねていたのだとか。

オスのナンバー1を決めかねていたとのこと
オスのナンバー1を決めかねていたとのこと
オスはこのくらいの赤さがデフォルトになってきているのだとか
オスはこのくらいの赤さがデフォルトになってきているのだとか

 メスについても赤色が年々強くなってきていて、オスだけでは成果が分かりづらくなっている中、メスの赤色を見ることでより成果を実感できるようになっているそうですよ。

謎の儀式が行われていた様子
謎の儀式が行われていた様子
メスの赤さにも驚きます
メスの赤さにも驚きます

今後の展望

 8年目を迎えた赤いカブトムシの厳選交配について「10年を目指したいと思っている」と話すシュネーさん。「インブリード(近親交配)を繰り返して大丈夫なんですか?」という質問がよく届くそうですが、昆虫はインブリードに強く、10年くらいであれば問題ないとされているのだとか。実際に卵の数が減る、羽化不全が起きるといった障害は出ていないそうです。

 シュネーさんによると、カブトムシやクワガタはとにかく大きさを求めるブリードがされることが多いとのこと。ブリードを繰り返して野生下ではありえないサイズに育った場合は負荷がかかり、羽化不全が起こりやすくなるのかも、と説明しました。

 今のところ一度もトラブルは起きていませんが、しっかりとリスク管理をして万が一の場合に備えているシュネーさん。赤いカブトムシたちの9年目の様子はもちろんのこと、その先どこまで赤くなっていくのか、じっくりと見守っていきたいですね。

万一の事態に備えて、しっかりとリスク管理をしているそうです
万が一の事態に備え、しっかりとリスク管理をしているそうです

「思った以上に赤くてすげぇ」「美しいですね」と反響

 なお、特定の色や形を追求するために交配を繰り返すと遺伝的多様性が低下するなどさまざまなリスクがあり、生態系に影響を及ぼす可能性があります。育てる際は野外に放たず終生飼養しましょう。

 シュネーさんによる8年目のカブトムシ紹介に、コメント欄では「思った以上に赤くてすげぇ」「見事なまでの赤に見とれました」「もうほぼ別種のような赤さだ」「美しいですね」「わくわくするかっこよさ」「これもう立派な一つの研究資料でしょ」「人生で初めてこんなまともにカブトムシを見たかもしれん」「憧れはあれどここまでコツコツやる自信はないのでただ尊敬です」といった声が寄せられています。

 シュネーさんは、大好きな生き物を飼育したり繁殖したりする様子をYouTubeチャンネル「Schnee Channel」やX(@schneechannel)で公開中です。

「Schnee Channel」動画まとめ

7年間赤いカブトムシを厳選交配し続けた結果・・・ヤバイぐらい赤いヤツらが!!
6年間赤いカブトムシを厳選交配し続けた結果・・・めちゃくちゃ赤いヤツらが!!
5年間赤いカブトムシを厳選交配し続けた結果・・・とんでもなく赤いヤツらが!!

動画提供:YouTubeチャンネル「Schnee Channel

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