ねとらぼ
2025/08/25 22:05(公開)

玄関→即リビングの丸見え問題、父娘が“目隠し引き戸”をDIY…… 仕上がりに「すごい!」「マッチしてますね」

 リビングが丸見えの玄関にDIYで引き戸を作る様子がYouTubeに投稿されました。分かりやすい解説付きの父娘のDIYが反響を呼び、動画は記事執筆時点で2万3000回以上再生されています。

【DIY】1万円でおしゃれな目隠し引き戸!天井吊りスライドレールパーテーションの作り方。縦縦格子/slatted wood door
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引き戸の寸法を決める際の注意点は……?

 動画を投稿したのは、父「すけ」さんとその娘「ゆうな」さんによるYouTubeチャンネル「寿チャンネルDIY in沖縄」。築35年の家をリフォームしながらDIYの楽しさや工具の使い方などを発信しています。以前には、収納棚の目隠しとなるオシャレな“縦格子風の扉”をDIYで作って話題になりました。

 今回は依頼を受け、玄関を入るとすぐリビングという家の作りをカバーする目隠し引き戸を作ります。材料費は1万円。引き戸は依頼主から60センチ幅で指定されており、天井に設置したレールからつり下げる構造にするそうです。縦の長さは天井高、レールなど各パーツの高さ、床との隙間から決めていきます。

直結するリビングから撮った玄関
直結するリビングから撮った玄関

 その縦の長さですが床の微妙なゆがみを考慮し、引き戸の移動範囲の数カ所で測った天井高のうち一番短いもので計算しなければなりません。もし長いほうで計算すると、引き戸が床に接触して動かせない可能性があるからです。計算の結果、引き戸の高さは213.5センチとなりました。

引き戸の高さを計算する
引き戸の高さを計算する
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“縦格子デザイン”の引き戸

 次に引き戸のデザインです。使う木材はすべて断面が50ミリ×25ミリサイズのもので、外枠の内部に間隔を空けて7本の木材を縦に配置する“縦格子デザイン”となります。

縦格子デザインの図面
縦格子デザインの図面

 木材は、持ったときに軽い感じのする木を選びます。軽いのは乾燥しているからで、こうした木は後から変形してくることが少ないそうです。また、天井からつり下げる形となるので、その点でも軽い木が適しているとのこと。

 最初からゆがんでいるものも良くないので購入時に確認します。長さのある木材はどうしても多少のゆがみがありますが、なるべくそれが少ないものを選び、特にねじれたようにゆがんでいるものは避けるのだそうです。

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木材加工のコツも解説

 木材の加工では最初に電動丸ノコで端を少し切り落とし、他の面に対して直交するきれいな切断面にしました。これを「捨て切り」といいます。

 その後、デザインした寸法の位置に鉛筆で印を付けていきますが、「V」字を書いてその頂点を巻尺の目盛りに一致させました。これは、ただの線で印をしてしまうと、線のどちらの端が正しい位置なのか分からなくなるからです。また、使用する側の木に鉛筆で印を入れておくと、カットした後の取り違えを避けられます。

木材をカットする
木材をカットする

 電動丸ノコによる木材のカットを一通り終えたら、引き戸の下枠に使う木材に、扉下に設置するガイドピンが通る溝を彫ります。ここでは、溝が適切な位置と幅になるようにセッティングしたトリマー(切削工具)を用いますが、このとき、作業者はトリマーから伸びるホースや電源コードを自分の肩にかけます。これは、ホースやコードをうっかり切ってしまわないためです。

トリマーでガイドピンが通る溝を彫る
トリマーでガイドピンが通る溝を彫る

 木材加工の仕上げは研磨とカンナがけによる面取り(角を落とすこと)です。併せて、紙ヤスリの番手(目の粗さ)の選び方も解説しました。

ムラにならないよう塗装する

 木材の塗装では、マスカー(マスキングテープ付きの養生シート)で覆った作業台の上でエボニー色の水性ウレタンニス(つや有り)をハケで塗布します。木目に沿って、長いストロークで薄く繰り返し塗るのがコツとのこと。1回で塗ろうとして厚塗りするとムラになりやすいそうです。

 なお、使用した塗料は食品衛生法適合の製品なので、例えば飼い犬がなめたりかんだりしても大丈夫だといいます。

ムラにならないよう塗装
ムラにならないよう塗装

 いったん乾燥させたらもう1度塗りますが、その前に400番くらいの紙ヤスリで軽く研磨し、気泡やブツブツしているところをならしておきました。

組み付け作業で重大なミスが発覚

 塗料の2度塗りを終えて乾燥させたら、ボンドとスリムねじによる組み付け作業に移ります。木材の厚さが25ミリなので、ねじの長さはその2倍の50ミリのものを使用。これより短いねじは不適です。

 ねじ止めの下穴を開けるキリの径は、ねじの径の70~80%が目安です。ねじ止め時には木材同士が直角になっているか、直角定規でその都度確認します。

 作業はここまで順調に進んできましたが、枠をねじ止めした後、重大なミスに気付きました。引き戸の幅は60センチでデザインしているので、枠の上下に使う木の幅は、左右の木の厚みの合計の5センチを引いた55センチでなければならないところ、うっかり60センチにしていました。これでは、引き戸の仕上がり幅は65センチになってしまいます。

 その間違えたところを修正したら縦格子部分の組み付けです。木材が25ミリずつの隙間で、かつ枠の厚みの中央にくるようにスペーサー(間隔を保持するための端材など)をかませた状態でねじ止めしていきます。

縦格子部分をねじ止め
縦格子部分をねじ止め

レーザー水平器を使い慎重に取り付け

 組み付けを終えたら、いよいよ玄関での取り付け作業です。レールを正確な位置に取り付けるため、レーザー水平器が照射したラインに沿ってレールをねじ止め。引き戸側の上端には、レールを通る滑車に着脱できるアタッチメントを2カ所ねじ止めします。

レールをねじ止めする
レールをねじ止めする

 引き戸をつり下げて動かしてみると、軽い力で滑らかに動きました。ただ、このままでは引き戸の下側がぐらぐらと不安定なので、枠の下端に彫った溝が床に固定したガイドピンにはまった状態で動かせるようにします。

 ガイドピンはレーザー水平器を使いレールの真下に固定しました。設置したガイドピンに溝を通すと、引き戸がしっかりと安定した状態で動かせるようになっています。

開放感を妨げない目隠し引き戸の完成
開放感を妨げない目隠し引き戸の完成
引き戸を動かしてみる父・すけさん
引き戸を動かしてみる父・すけさん

「ここまでかっこよくなるんですね」「すごくオシャレ」と反響

 完成した目隠し引き戸は、完全に視界を遮るというよりは十分な開放感を確保したまま必要最小限の目隠しとしての機能を持たせたものになっていました。コメント欄では「1万円でここまでかっこよくなるんですね。すごい!」「後から作ったようには見えないくらいマッチしてますね。すごくオシャレです」「親子仲良くいいですね!」といった声が寄せられています。

 DIYの楽しさや役立つアイデアは、YouTubeチャンネル「寿チャンネルDIY in沖縄」やInstagram(@diy_kotobuki_in_okinawa)で発信中です。「これってどうすればいいの?」という疑問を解決できるような、分かりやすく楽しい動画が見られます。

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動画提供:YouTubeチャンネル「寿チャンネルDIY in沖縄

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