放課後の教室をのぞいたら……。美大ならではの驚きの光景がX(Twitter)に投稿されました。記事執筆時点でこの投稿の表示数は97万6000件を突破し、“いいね”は1万8000回を超えています。これは楽しい!

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武蔵野美術大学の絵画組成室にて……

 投稿者は武蔵野美術大学に務める洋画家の小尾修@OsamuObi)さん。SNSでは授業や作品に関する話題を発信しています。今回反響を呼んだポストは、小尾さんが教えている武蔵野美術大学油絵科の絵画組成室で撮影した1枚です。

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美大スタッフたちの“放課後”

 投稿された画像に写っていたのは、かの有名な名画! ……ではなく、よく見ると、教室の机を横に並べ白いクロスをかけて、13人のスタッフが並んだ横長の写真でした。この見覚えのある構図はずばりレオナルド・ダ・ヴィンチの『最後の晩餐』! キリスト役男性の左右に6人ずつの使徒役が並び、それぞれ壁画の通りのポーズを取っています。遠目で見たら本物かと思ってしまうクオリティーです。

ポーズや表情はもちろんライティングも見事

 小尾さんによると、これは毎年の伝統となりつつある行事なのだとか。普段小尾さんは、通学の学生たちに授業を行っていますが、夏休みの2週間のみ通信教育部のスクーリング授業を担当しています。合計120人を超える学生を相手に行う授業はとてもハードですが、「スタッフたちはヘトヘトになりながらも、毎日真摯に授業に当たってくれています」とのこと。そんな激務の中で始まったのがこの「名画なりきり撮影会」です。

 実はこちらのユダ役男性は、「ライバル校に引き抜かれてしまった常連講師の方」。“裏切り者候補”としてオファーしたところノリノリで参加し、前日夜中にひとりで撮影したものをデータで送ってくれたのだとか。小尾さんはそれを合成して仕上げました。ユダ役の男性が右手に握っているのは銀貨ならぬお菓子の箱のようです。配役の背景からディテールまで凝っていますね!

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2024年は『民衆を率いる自由の女神』も

 投稿には「うーんこれはすごい」「銀貨の代わりにマーブルチョコ(筒)を貰ったんか!」「こういう職場で働きたい」「イエスの配役よすぎる」「やりたすぎる!!」「こーゆーの好きwwwwww」「すごく素敵な撮影会…!!」「面白いww」といった声が寄せられています。

 なお、2024年にはウジェーヌ・ドラクロワの『民衆を率いる自由の女神』をテーマにした写真が公開されました。授業が終わったあとのこのスタッフたちのお楽しみは、ハードワークを乗り切るための気分転換とともに「結束を固める役割を果たしてくれているのかもしれません」という小尾さん。このクオリティーの高さは、美術の造詣が深いメンバーならでは。今後の作品も楽しみですね。

 小尾さんはこの他にも武蔵野美術大学でのエピソードや活動をX(Twitter)アカウント(@OsamuObi)で発信しています。また、絵画組成室の日常や授業の様子はInstagramアカウント(@musabisosei)で公開中です。

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