ねとらぼ
2025/09/12 20:00(公開)

ウミガメの赤ちゃんに、巨大ヘビが近づいて…… 衝撃が走る結末に「凄いと感動」「非常に面白い光景」

 海岸にやってきた大きなヘビが、ウミガメの赤ちゃんがいる巣穴に潜って……。沖縄だからこそ見られる、衝撃的な展開を収めた貴重な動画がYouTubeに投稿され、「貴重な映像」「沖縄の自然面白そう!」と反響を呼んでいます。

海岸でウミガメの赤ちゃんを襲うヘビ
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 動画を投稿したのは、沖縄でフィールドガイドとして活動しているいぐるうさん。沖縄の島々で出会った生き物たちの姿を、YouTubeチャンネル「いぐるう島暮らし」で公開しています。今回はやんばるの森や海岸で、あるヘビを探していくようで……?

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やんばるの森で暮らす生き物たち

 動画はやんばるの森で暮らす「ハロウエルアマガエル」や「ヒメハブ」といった、日本固有の生き物たちの姿からスタート。さらに頭が小さくておなかが大きい「ヒメアマガエル」、12センチくらいありそうな巨大な「ヤンバルヤマナメクジ」、沖縄県の天然記念物「ナミエガエル」、やんばる固有の「ハナサキガエル」などが姿を現しました。

リュウキュウオオコノハズクなど、貴重な生き物の姿が
リュウキュウオオコノハズクなど、貴重な生き物の姿が

 続いてメタリックな光沢が美しい「リュウキュウハグロトンボ」、在来のカタツムリの中で一番大きな「ヤンバルマイマイ」、オレンジと黒色の模様が美しいコブラ科のヘビ「ハイ」、天然記念物の「オキナワイシカワガエル」、猛禽類の「リュウキュウオオコノハズク」など、沖縄の周辺でしか見られない、さまざまな生き物の姿を見せてくれたのでした。

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海で出会った意外な生き物

 さまざまな生き物と遭遇したいぐるうさんは、続いて海にやってきました。ヘビを探しているという目的を考えると、「爬虫類を探すのなら海ではなく山ではないか?」と思う人もいることでしょう。しかし、この砂浜には、沖縄だからこそ見られる景色があるのだとか。

 そんな話をしながら進んでいくと、砂浜には沖縄諸島や奄美諸島に生息する大型のヘビ「アカマタ」の姿がありました。170センチくらいありそうな巨大なアカマタは砂に顔を突っ込み、何かを探しているようです。

砂浜には大きなアカマタの姿が
砂浜には大きなアカマタの姿が

 実はこの時点で、こちらの個体だけではなく何匹ものアカマタが砂の上を動き、砂の中を探索していたとのこと。いぐるうさんが今回この海にやってきたのは、このアカマタが砂浜にやってくる理由を撮影するためなのだといいます。

砂の中に顔を突っ込み、何かを探しているようです
砂の中に顔を突っ込み、何かを探しているようです

 よく見ると、アカマタが何かを探っている場所はくぼみ状になっています。実はこのくぼみはウミガメが産卵した跡であり、アカマタはウミガメの卵や幼体を狙って砂浜にやってきたのだとか。

 続いて、砂浜にかなり深く頭を突っ込んでいるアカマタを発見。この光景を見ると、アカマタはウミガメを食べる悪者だと捉えられてしまうかもしれません。

砂浜に深く頭を突っ込んでいるアカマタを発見
砂浜に深く頭を突っ込んでいるアカマタを発見

 しかし、ウミガメの卵は砂の中に産み付けられ、やがてふ化したウミガメの幼体は、重なった状態で出てきます。そして重なった下の方にいる幼体は外に出ることができず、穴の中で死んでしまうそうです。いぐるうさんは、アカマタがやがて死んでしまう運命にあるウミガメの幼体を食べていると考えると、よくできた生態系だと思いませんか? と問いかけます。

アカマタたちの狙いはウミガメの卵と幼体でした
アカマタたちの狙いはウミガメの卵と幼体でした

 そして、「かわいいから」「シンボルだから」といった理由で、特定の動物だけを守るのは良くない、また、悪者に見える動物を乱獲しても良いという話でもないと語ります。

 確かにウミガメはかわいい生き物ですが、ウミガメだけを守るのはよくないとのこと。実際にアオウミガメだけを守った結果、アマモ場(海藻)を食い荒らしてしまったという実例もあるそうです。

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琉球列島でしか見られない光景

 今回撮影している「海岸でヘビがウミガメを食べる」様子は、琉球列島でしか見られない面白い光景とのこと。ここに集まるアカマタはみんな体が大きく、少なくとも150センチはありそうです。砂浜にはそんなアカマタたちが這って移動した痕跡が、たくさん残っていました。

砂浜にはアカマタたちが這った痕跡が
砂浜にはアカマタたちが這った痕跡が

 砂浜を移動していると、ついにウミガメの幼体を食べているアカマタを発見。ウミガメの幼体は潮の満ち引きを感じとることができて、海に出られるときまで穴の中で待機しているそうです。アカマタはそんなウミガメたちが待機している穴に顔を突っ込んで、卵や幼体を食べてしまうのだとか。

ウミガメの幼体を食べているアカマタを発見
ウミガメの幼体を食べているアカマタを発見

 いぐるうさんによると、アカマタは特にオスが1メートル以上に成長しやすいとのこと。そのため、この海岸に来ているアカマタはオス個体が多いと見られ、オス同士が出会うと闘争が起きやすいといいます。

ウミガメの命は、アカマタの命を繋ぐ糧となります
ウミガメの命は、アカマタの命を繋ぐ糧となります

 その後また別の場所でも、ウミガメを襲っているアカマタを発見。こちらの個体はウミガメをくわえたまま、森に帰っていきました。そんなアカマタがいたところをのぞいてみると、そこにはふ化後に穴から出られなかったと思われるウミガメの幼体が残されています。幼体は穴から出るときに他の個体を足場にして脱出するため、出遅れた個体は巣に取り残されてしまうのだそうです。

穴から出られずに生涯を終える幼体も
穴から出られずに生涯を終える幼体も

 その後は穴から出てきたウミガメを狙うアカマタも発見。確かにかわいそうにも思える光景ですが、「かわいい」「かわいそう」といった感情だけで考えるのではなく、お互いに干渉しあって生きている生き物たちの自然な繋がりを、総合的に一歩引いて見守っていきたいですね。

沖縄だからこそ見られる、貴重な光景なのでした
沖縄だからこそ見られる、貴重な光景なのでした

「貴重な映像」「沖縄の自然面白そう!」と反響

 動画には、「貴重な映像、ほんとに多様な生き物がいて地元ながら沖縄の自然はすごいと感動しました。ありがとうございます」「アカマタってウミガメも食べるんですね、知らなかった」「沖縄の自然面白そう!」といったコメントが寄せられています。

 いぐるうさんが撮影した生き物たちの動画や写真は、YouTubeチャンネル「いぐるう島暮らし」やInstagram(@iguruu9)で公開されています。

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