ねとらぼ
2025/09/04 11:55(公開)

“77歳おじいちゃん先生”が女性の絵を描くと…… クレヨンとは思えない仕上がりに「魔法かと思った」「次元が違いすぎるw」

 クレヨンでどこまで描けるか挑戦した結果……。完成した人物画とメイキングがX(Twitter)で「本当に魔法かと思った」「次元が違いすぎるw」と話題です。記事執筆時点で1万件以上の“いいね”を記録。クレヨンでここまで表現できるのか……!

 投稿したのは、SNSで“おじいちゃん先生”の愛称で親しまれている、画家で水彩画講師の柴崎春通さん(@shibasaki_art)。以前には、鉛筆1本だけで描いたレッサーパンダの絵がすごいと話題になりました。

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混色の技術に目を奪われる

 今回は、柴崎さんが監修したぺんてるの「アートクレヨン」の16色セットを使い、同クレヨンの限界に挑戦しました。「(本人の)表現力の限界に挑戦という意味でもある」としつつ、最初に鉛筆で頭の輪郭などをさらっと描いたら、さっそくクレヨンを使って塗り始めます。

アートクレヨンの16色セットでどこまで表現できるのか挑戦しています
アートクレヨンの16色セットでどこまで表現できるのか挑戦しています

 黄色(ディープカドイエロー)をざっくりと顔と体と背景に塗ったら、オレンジ色を重ねていきます。次に濃いめの色で口とアゴの位置を決めたら、茶系の色のクレヨンを折って“面”で顔の影になる部分や背景を塗り始めます。

まずはざっくりと色を置いていきます
まずはざっくりと色を置いていきます

 背景には青や緑といった色も重ねていきます。今回は色数が多いため、そんなに混色に苦労することなく描けると柴崎さん。ちなみにアートクレヨンの第1弾は8色セットで、それと比べると2倍の色があることになります。

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「人物を描くとき、血の赤が大切」

 この段階では上半身(洋服)はほとんど塗っていませんが、背景が描かれていくことで洋服のシルエットがわかります。描いているのがアジア系の人物であることと襟の形から、詳しい人なら何の洋服かわかるかもとのことですが……?

背景に濃い色を重ねて指でこすっていきます
背景に濃い色を重ねて指でこすっていきます

 柴崎さんは「人物を描くとき、血の赤が大切」だと、いつも視聴者に伝えている大事なポイントを話しながら、実際に顔に赤色を重ねていきます。

人物画を塗る際は赤色がポイントになるようです
人物画を塗る際は赤色がポイントになるようです

 だんだんと鼻や口といったパーツが立体的になってきましたが、“アジア人独特の肌の色”を表現するべく、まだまだ色をのせていく柴崎さん。さまざまな色をおきつつ、アートクレヨンが得意とする混色で複雑な色味にしていく様子が見ていて面白く、同時にクレヨンによる表現の奥深さを感じます。

アートクレヨンが得意とする混色で肌の質感を表現
アートクレヨンが得意とする混色で肌の質感を表現
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絵の女性が着る「アオザイ」を表現

 YouTubeで公開されたメイキング動画では、柴崎さんが40歳のころから、リュックに画材を詰めて世界を旅して絵を描いて周っていたなんてエピソードも飛び出します。とりわけベトナムは「何回もお邪魔して絵を描かせてもらっています」と話し、当時出会った多くのすてきな人々のイメージを思い浮かべながら、洋服にも色をおき、ベトナムの民族衣装「アオザイ」をクレヨンで表現していきます。

描けるものなら描いてみろ!クレヨンの限界、その先へ
細い線で襟などを塗っていきます
細い線で襟などを塗っていきます

 今回描くアオザイのカラーは白色ですが、グレー、ピーコックブルー、ピンク、ライトオーカーなど。こちらもいろいろな色を重ねていき、そのあとにホワイトを上から塗って混色しています。指でぼかしながら、線でバラ模様の刺しゅうなども描いていきます。

 描きながらアートクレヨンの弱点についても話していて、やはりクレヨンなので細かい形を描くのがちょっと難しいと語ります。それでもその大変さを補って余りある素晴らしさがあるとして、弱点は自分なりに工夫して乗り越えることを提案しています。

アオザイもだんだんとなめらかな印象に
アオザイもだんだんとなめらかな印象に

細かい部分を工夫しながら描いて仕上げ

 肌の色がだんだんなめらかな雰囲気になってくると、女性の表情も見えてきました。完成かと思いきや、まだまだ色を重ねていき、その上に細かな前髪も足していきます。

顔に重ねる形で髪を足して
顔に重ねる形で髪を足して

 唇に赤色をのせたら、はみ出してしまったところをカッターを使って表面を削り取ったりと、上記で話していた“工夫”を披露。頬にオレンジ色を重ね、アオザイの細かい部分も仕上げたら、髪の毛に明るめの色をのせて光沢感を出し、再びカッターを使って目に光を入れたら、最後に肌の色を微調整して完成です。

目に光を入れたら
目に光を入れたら

 「クレヨンの限界に挑戦」という言葉通り、アオザイを着た女性の絵は、引きで見るとクレヨン画には見えないほど肌や髪、布の質感がリアルで、アオザイの細かなパーツや刺しゅうの表現も見事で感動します。驚きの完成度の高さに、メイキングの動画を見返したくなる……!

完成
完成

「そうはならんやろ」「もう天才としか言いようがない」

 作品が公開されたYouTubeとXでは「思わずため息出た」「クレヨンでこんな絵が描けるなんて」「もう天才としか言いようがない」と称賛の声が多く上がり、いつもの「そうはならんやろ」といったツッコミや、「クレヨンの可能性と魅力が充分伝わってきてありがたいです」「自分も挑戦したいです」などの声も寄せられていました。

 柴崎さんは、YouTubeチャンネル「Watercolor by Shibasaki」をメインに、Instagram(@shiba_watercolor)やX(@shibasaki_art)でも作品・メイキングを公開中。ほかにも水彩風景画の技法を分かりやすく解説した著書『透明水彩 風景画を描こう』がグラフィック社から販売中で、オンライン水彩画講座などの情報は動画の概要欄から確認できます。

動画提供/動画・画像提供:柴崎春通(@shibasaki_art)さん

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