子ども部屋の小さなバルコニーに、メダカのビオトープを立ち上げたら……　まさかの材料と目を見張る光景に「どうやって…？と思ったら」「本当の小川みたい」

　少し前にインターネット上で話題になった投稿や動画を振り返って紹介する企画「昔のインターネット発掘！」。今回は2024年6月にYouTubeに投稿された、トロ舟とポンプ、百均やホームセンターの材料とまさかすぎるアイテムを駆使した「小川せせらぐコケのビオトープ」の作り方を紹介します。動画は記事執筆時点で13万回以上再生され、「こんなおしゃれな趣味持ちたい」「色々勉強になります」と反響を呼んでいます。

　投稿者は、イポイポさん。YouTubeチャンネル「イポイポアクア」では、ビオトープやアクアリウムに関する動画を発信しています。以前は、玄関脇にある花壇に設置したメダカビオトープの、120日間の記録を紹介しました。

　今回はトロ舟とポンプで作る、小川せせらぐコケのビオトープの作り方を教えてくれるようです。

トロ舟を使ったビオトープを作る

　子ども部屋横にある小さなバルコニーに、トロ舟メダカビオトープを設置することになったイポイポさん。幅82センチ、水容量60リットルのトロ舟を使い、「小川のせせらぎ」「コケむした溶岩石」「再現性と拡張性」という3つのコンセプトに沿った、メダカのビオトープを作っていきます。

　今回作るビオトープは素材の固定にシリコン接着剤を使用せず、レイアウトは極力シンプルなものにして、ろ過性能とメンテナンス性能も考慮していくとのこと。ビオトープを作る際は、参考にしてみるとよさそうです。

　ビオトープを作るにあたってトロ舟をしばらくリビングに置き、眺め続けることでレイアウトのイメージを固めたというイポイポさん。やがて水がトロ舟の端から流れて中央で落ち、小川の両サイドはコケの丘になっている……そんなイメージが固まったようです。そしてこの構造をスマートに実現するために、さまざまなアイテムを取りそろえてきたのだとか。

ビオトープの陸地とろ過槽作り

　まずはビオトープの陸地となる部分を作っていきます。トロ舟に溶岩ペーパー（素焼きのレンガでも可）を積み上げ、その上に局所的な陸地となる、角型のプランターを配置します。イポイポさんはこのトロ舟にフィットするよう、黒色のプランターを探したそうです。

　続いてはろ過槽の作成です。ダイソーのタッパー（1.6リットル、水切り付き）にろ材とポンプを収納するため、鉢底ネットと結束バンドを使って、タッパー内部のろ材の仕切りを作ります。

　仕切りパーツ6枚を切り出したら、ポンプの電源ケーブルを通す場所をカット。さらに側面パーツ2枚を切り出し、細くて短い結束バンドでパーツ同士を固定します。固定したパーツをタッパーに入れたら、4種のろ材とポンプを格納する空間が完成しました。

　続いてはんだごてを使い、タッパーの前面に吸水口とポンプの電源ケーブルを通す穴を開けます。切断面にはやすりをかけ、タッパーのフタにはポンプの吐水ホースを通す穴を開けたら、ソーラー噴水ポンプとろ材を格納していきます。

　鉢底ネットで作った仕切りにはポンプとウールマット、スポンジマット、ボール状のろ材、リング状のろ材を詰めます。そしてポンプに接続した吐水ホースをフタに開けた穴から出し、フタを閉めたら自作ろ過槽の完成です。

意外なもので吐水口を作る

　お次はポンプの吐水ホースの先に、小川の流れの起点となる吐水口を作ります。ポンプから出た水が吐水口の空間にたまり、あふれ出ることで小川の緩やかな流れを作り出す仕組みなのだとか。

　そのために使う材料は……まさかのブロックタイプのおもちゃ！　既製品をあれこれ探したけれど合う物がなかったため、ブロックトイを使って吐水口を自作することを思いついたそうです。

　ブロックトイを組み立ててポンプからのホースを差し込む穴も設け、吐水ホースに接続しましたが、ブロックのすき間から漏水してしまいました。そこで耐水性能の高いゴリラテープですき間をふさぎ、ホースの部分は防カビ材の入っていない、バスボンドQで固めておくことに。

組み立てて、レイアウトをして……

　その後は完成したろ過層と吐水口をトロ舟に設置し、水路を作成します。溶岩ペーパーを土台に傾斜を付けた輝板石を3枚並べ、水の流れをコントロールできるようにしました。さらに洗った溶岩砂利2種、計12.5キロをプラ舟とプランターに敷き詰めて、この日の作業は終了です。

　2日後。大小さまざまな溶岩石を配置し、やや単調に感じたことから底砂も変えてみることに。さらに通販で購入した環境適応能力が高いハイゴケと、星形の美しい葉が特徴的なスナゴケという、2種のコケを植え付けていきます。

　まず植物を育てる布を敷き、乾燥エリアには乾燥と直射日光が得意なスナゴケを、湿潤エリアには湿潤を好むハイゴケを配置することに。最後にメダカとエビ、タニシを放つと……ゆったりと水が流れる、小川せせらぐコケのビオトープが完成したのでした。身近な物を活用する柔軟なアイデアや発想は、ぜひ参考にしたいですね。

「こんなおしゃれな趣味持ちたい」「色々勉強になります」と反響

　動画には、「こんなおしゃれな趣味持ちたい」「すごいです。実践してみたいと思います。色々勉強になります」「接着剤等を使用せず、どうやって…？　と思ったら、まさかのレゴとは！　 制作過程や使用したコケ等の解説もとても分かりやすく、大変勉強になります」「せせらぎ感がたまりません！ 　最後に水の中を撮影してるのは、本当の小川みたいですね」といったコメントが多数寄せられていました。

　イポイポさんはアクアリウム・ビオトープの情報をYouTubeチャンネル「イポイポアクア」と、X（旧Twitter／@ipo88）で発信中。他にもさまざまなジャンルの動画を投稿しており、ニコニコでは電子工作系の動画も公開しています。