2025/09/11 07:50（公開） 
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取り組みの原点はコロナ禍での対応
——なぜアパートメントラボの取り組みを始められたのか教えてください
管理人さん： 取り組みの原点は、コロナ禍でのお客さま対応でした。対面でのご案内が難しい中、駅から小学校までの道のりを気にされていたお客さまのために、実際に歩きながら撮影した動画をお送りしたのがきっかけです。
その際に室内も細かく撮影したところ、写真では伝わらない音や距離感、コンセントの位置や収納の内部までわかる、と大変喜んでいただけました。
この経験から、動画での物件紹介は、お客さまはもちろん営業ツールとして活用できる管理会社様、そして私自身の業務効率化にも繋がる「三方よし」の可能性があると確信し、本格的に取り組むようになりました。
YouTubeで多くの方にご覧いただけるようになりましたが、「たったひとりのお客さまに、実際に生活を始めても困らないレベルの情報をお届けする」という当初からのコンセプトは今も全く変わっていません。
変わったことと言えば、以前は実在のお客さまのために作っていましたが、現在は「こんな方に住んでほしい」という理想のお客さま像を具体的に“妄想”し、そのたったひとりに届けるつもりで動画を制作している点です。
——TikTokでは今回のようにUR賃貸や団地の物件が特に注目されていますが、なぜこのような物件が注目を集めると思われますか？
管理人さん： UR賃貸や団地が注目される一番の理由は、多くの方が持つ「古い」というイメージと、実際にリノベーションされたきれいな内装との間に大きな「ギャップ」があるからだと思います。
また、URさんはサービスが豊富な一方で、その情報が一般の方に十分に届いておらず、「団地＝UR」という基本的なことさえ知られていないケースも少なくありません。私の動画がその情報不足を埋め、良い意味でのギャップを伝えるきっかけになっているのだと感じています。
動画を作るうえで大切にしているのは、物件のありのままを「わかりやすく、正直に」お伝えすることです。そのために、私たちは徹底的に自分の足を使います。1日に2万歩以上、団地内やその周辺を歩き回ることもありますし、時には朝9時から夜8時まで撮影にかかることもあります。そうして時間をかけて拾い上げた事実だけを動画に込めています。
だからこそ、「おしゃれ」などの抽象的な言葉は使わず、判断は視聴者の方に委ねるようにしています。この地道な調査に裏付けられた正直さが、結果的に多くの方に興味を持っていただける理由なのかもしれません。
また、古いものが持つレトロな雰囲気が、今の若い世代には逆に新しく、魅力的に映っている面もあると思います。
——昨今のUR賃貸や団地のリノベについて、何か専門家としてオススメできるポイントなどあれば教えてください
管理人さん： 専門家としてオススメしたいポイントは、主に3つあります。
1つ目は、リノベーションの「多様性」です。URの団地は、リノベーションを手がける工務店さんがお部屋や時期によって異なるため、同じ団地内でも一部屋ごとに雰囲気が全く違うことがあります。まるで宝探しのように、自分だけの特別な一室を見つけ出す楽しさがあるのは、団地ならではの大きな魅力です。
2つ目は、「コミュニティとのつながり」です。多くの団地ではさまざまなイベントが開催されており、住民同士が自然に交流できる機会が作られています。実際に私も、大阪府堺市の白鷺団地でのイベント「つながルーム」に娘と参加したことがありますが、とても楽しかったです。部屋というハコだけでなく、人とのつながりまでデザインしてくれるのは、団地暮らしのすばらしい点だと思います。
3つ目は、何より「退去時の安心感」です。賃貸でよくある「退去時に高額な請求をされたらどうしよう」という不安が、URにはほとんどありません。私自身も10回以上引越しを経験してきましたが、契約の最初と最後が気持ちよくできるというのは、精神的に非常に大きなメリットだと感じます。この安心感は、もっと知られてほしいURのすばらしいポイントですね。
——最後に今回の物件について、特に魅力的と思われる点があれば教えてください
管理人さん： 岩成台団地の魅力は、団地の良さを活かした「ちょうど良いリノベーション」が施されている点です。強引にすべてを新しくしてチグハグな感じになるのではなく、非常にバランスが取れています。
具体的には、押入れをリノベーションして作られたデスク、プロジェクターを投影できる壁、名古屋モザイクのタイルがあしらわれたキッチンなどデザイン性が高く、入居者さんの暮らしを豊かにする工夫が満載です。特に、押入れを改造したクローゼットとデスク周りは、非常に使いやすそうだと感じました。
個人的に「全部壊して取り替えるのではなく、使えるところは生かして使う」というリノベーションが好きなので、この物件には特に魅力を感じます。
動画提供：アパートメントラボ（TikTok／YouTube）さん
