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レジェンドシェフがYouTubeで公開した、魚のアラを使った洋風スープの動画が「絶対美味しいわ」「これは是非マスターしたい」と話題になっています。動画は記事執筆時点で7万再生を突破し、高評価は2800件を超えています。
投稿したのは、日本の邸宅レストランの先駆け「シェ松尾」の元オーナーシェフ・松尾幸造さん(@grandchefmatsuo)。ヨーロッパ各国の一流ホテルやレストランで学んだ文化と、日本でのフレンチレストランオーナーシェフとしての経験を生かして「ヨーロッパとアジアの食文化を融合した美味しい家庭料理」をYouTubeで発信しており、以前には具だくさんな“贅沢ミートローフ”の作り方を紹介した動画が話題になりました。
洋風スープの材料
今回はあら汁などで使われる魚のアラを使い、洋風のスープを作っています。松尾さんによると、フランスの魚介スープの代表であるマルセイユの「ブイヤベース」と、ブルターニュ地方の伝統的なスープ「コトリアード」の2つのいいとこ取りをしたスープで、「本当に最後の一滴まで味わいたくなるようなスープができる」とのこと。
アラと一般的な野菜で作れるのもうれしいポイントです。材料(3~4人前)は、白身魚のアラが500〜700グラム、玉ねぎ1個、にんじん1本、セロリ1本、にんにく4片、トマト・中玉2個、ローズマリー1枝、ローリエ1枚。あとはカレー粉、生クリーム、オリーブオイルを用意します。動画では、アラは天然の真鯛とタラの2種類を使っていますが、白身魚なら基本何でも大丈夫です。
アラの下ごしらえから
まずはアラの血合いをきれいに掃除していきます。血の塊をフォークでかき出して取り除いたあとは、流水に入れてよく洗い、さらに水に浸したまま20分置きます。
すると血液が自然に流れ出るので、水を切ったら網を入れたバット(トレー)にのせ、ラップをせずに冷蔵庫に入れます。これによりアラが乾燥されるとのこと。
野菜とアラを炒める
次に野菜を切ります。玉ねぎは味を早く出したいので、できるだけ薄く、繊維を断ち切るようにカット。セロリも同様に繊維を断ち切るようにカットし、にんじんは皮付きでいちょう切りに。トマトはヘタを取って約1センチの輪切りにしています。にんにくはラップで包んでから、鍋の底で叩き潰しています。
フライパンを中火の弱で温めたら、オリーブオイル大さじ1を入れて、カットした玉ねぎ、にんじん、セロリを炒めていきます。ここでゆっくり炒めないと野菜の甘みが出てこないので、じっくり炒めましょう。
全体的にだいぶしんなりしてきたら、隠し味のカレー粉を小さじ1.5加えます。カレー粉は魚のにおいを消してくれ、また味にも大きく影響するそうです。スープがカレー味になることはなく、むしろ奥深い味を出してくれるそうで、「これがおいしさの秘密」だと松尾さん。
炒め終わったら火を止めて、野菜を深めの大きな鍋に移したら、今度は同じフライパンでアラを炒めます。冷蔵庫で1時間くらい入れておいたアラを出すと、バットの網の下に水分が落ちていることが確認できます。なお、この底に溜まった水は捨てましょう。
フライパンに再びオリーブオイル大さじ1を入れてからアラを焼いていきますが、きつね色に焼くのではなく、表面が白くなる程度で大丈夫です。
野菜とアラを鍋で煮込む
白くなるまで焼いたアラも鍋に移したら、野菜と一緒に軽く混ぜてから水を800ミリリットル加えます。火を強めて1度沸騰させ、アクが出てきたら、お玉でアクと油をすくい取ります。これをとらないとスープが濁って味が悪くなるのでしっかりアク取りしましょう。
次は鍋にトマト、潰したにんにく、ローズマリー、ローリエを入れます。ここでもしあればバジルや、またくず野菜があればこの時点で入れます。松尾さんはえのきの茎、キャベツの芯、パセリの茎、玉ねぎやにんじんの切れ端などを加えています。
鍋の温度下がったら、再び強火にして沸騰させ、ここでも出てきたアクを取ります。同時に表面の炒めた油も取り除いておきましょう。
その後は火を弱火にして、フタをしないまま煮詰めていきます。40分経過したら様子を見つつ、木べらで魚肉のかたまりを潰すようにしてある程度ほぐしたら、引き続き15分ほど煮込みます。
動画ではその煮込んでいる間に薄切りトーストを作っています。フランスパンをだいたい1センチくらいにカットし、トースターでこんがり焼いたら、パンの表面ににんにくをこすりつけて香りを付けています。
ザルでスープをこす
合計で1時間ほど煮込んだら、大きな骨を拾って火を止めます。ここでスープをこすために大きなボウルとザルを用意。ボウルにいれたザルの中にスープを全部入れたら、ザルを少し持ち上げて、上からお玉で軽く押してスープを全部絞り出します。
ある程度絞ったら、量が多いのでボウルのスープを一旦別の鍋に移しています。このとき、ボウルの底に残った細かいカスのようなものは捨てています。
もう1度ザルをボウルに入れて、お玉でしっかり押し潰すようにして最後まで絞り出します。ちなみに、このザルに残ったものをもう1度鍋に入れて、カップ1杯くらいの水を加えて沸騰させてこすと、多少スープが取れるとのことでした。
最後の味付けは慎重に
ついに最終的な味付けです。スープを移した鍋に火をかけて、沸騰してきたら最後のアクをとります。ここで生クリーム100ミリリットルを加えるのが、コトリアードスープの特徴で、これによりスープがとってもマイルドになります。
最後の味付けは「慎重に丁寧に行ってくださいね」と松尾さん。味見をしたときに、「ちょっと塩分が足りないかな」というくらいがちょうどいいそうで、理由として「スープというのは20回くらい舌の上を通りますから、最初でちょうどいい味は最終的には塩分が濃くなる」と説明。そのあたりに注意しながら味見をして、塩を適量入れるようにしましょう。
完成したスープを一口……
完成したスープを味見で飲んだ松尾さんは、「なんでこんなにおいしいのかわからない……」と、自身でも感激した様子でした。薄切りトーストを入れて食べたり、トッピングとしてパセリや万能ねぎを細かく刻んでふりかけるのもおすすめしています。
また魚のアラはなかなか手に入らないので、もしスーパーで見つけたら多めに買って、冷凍庫でストックしておくといいとアドバイスしています。
「めっちゃ美味しそう」「是非挑戦したい」
動画には、完成したスープに「つい笑顔になります。どの段階でも美味しそう」「シンプルな見た目なのに詰め込まれた贅沢で舌が喜ぶ一杯ですね」といった声から、アラを使った洋風スープのレシピに「あら汁は飽きるほど食べましたが、こういう食べ方もあるんですね!」「魚好きとしてはレパートリーが増えて嬉しいです」などの声も寄せられ、「アラが手に入ったら作ってみます!」とチャレンジしたいとの声が多く寄せられました。
松尾さんは、YouTubeチャンネル「Grand Chef MATSUO 松尾幸造」にて家庭でも作れるおいしい料理を紹介。詳しい材料や作り方は動画の概要欄でも見られるほか、情報はInstagram(@grandchefmatsuo)やX(Twitter:@grandchefmatsuo)でも発信中です。もっとレシピを知りたい方は、KADOKAWAから販売中の松尾さんの著書『料理をほめられたことがない人に捧げる 松尾シェフのレシピ帖』や『シェ松尾元オーナーシェフのお料理教室 普通の食材をお店の味に変えるレシピをまとめて』をチェックするといいでしょう。
動画提供:YouTubeチャンネル「Grand Chef MATSUO 松尾幸造」
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