ねとらぼ
2025/09/21 21:15(公開)

スマホケースをオーダーしたら……「こ……これは……!」 届いた驚きの商品に「めっっっちゃいい!」「秀逸」 制作者に話を聞いた

 スマホケースをギター/ベースの制作・カスタムの工房にオーダーしたら……。職人の技術とこだわりの詰まったオーダー品がX(Twitter)に投稿され、「こ……これは……!」「センス抜群だ」と反響を呼びました。投稿は記事執筆時点で48万回以上表示され、8800件を超えるいいねを集めています。

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ギブソンSGをスマホケースで再現

 投稿者は、TSLabo名義でギター・エフェクターを製作している「ts9(たすく)」(@koumulmagi)さん。「オーダーしてたケースが発送されて楽しみ」として紹介したのは木目調のスマホケースの写真ですが、どこか既視感のあるビジュアルです。

どこか見覚えのあるビジュアル
どこか見覚えのあるビジュアル

 実はこのスマホケースはエレキギターの名器「ギブソンSG」をモチーフにしたもの。よく見るとカラーや木の風合い、ピックガード風のパーツによく特徴が再現されています。直接のモデルになったのはたすくさんが所有しているギブソンSGなのだとか。いくつかある小さな傷も、元のモデルを忠実に再現したもののようですね。

ギブソンSG
ギブソンSG(画像出典:Amazon.co.jp

 たすくさんはその後、実際に届いた商品も投稿。「ウェザーチェック凄い……!」とクオリティーへの驚きを伝えています。ウェザーチェックとはギターの塗装のひび割れのこと。ヴィンテージギターに関してはこれがあると価値が高くなる場合があります。そんなところまで再現しちゃうんだ……!

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「秀逸ですね」「うお!! 欲しい」

 エレキギターを多少とも知る人ならすぐにピンとくるスマホケースに「コレは最高ですねー」「めっっっちゃいい!!」「うお!! 欲しい」「これでSGってわかるデザインの切り取り方も秀逸ですね」「素直に羨ましい」「ピックガードがいい味出してますね!」「ジェラシーしか湧いてこないです」という反応が寄せられています。

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作者の方にお話を聞きました

 編集部は作者である「Moonshine craft & custom」(@moonshine_craft_custom)さんに取材しました

――制作のきっかけについて教えてください。

作者さん:私はギターの製作やカスタムを仕事として行っています。実は個人的にスマホ等には無頓着で機種やケースには全くこだわりもないんです。

 今回もまた4~5年使ったボロボロのスマホがついに壊れてしまって、仕方なく急きょスマホを新調することになったんですが……。何かケースも買わなきゃなぁとネットで何かないか探していたところ、ふと……。

 仕事柄、ヴィンテージギターの修理や、レリックと言われるビンテージライクな百戦錬磨の風格を持たせた塗装をよく請け負うので、名刺代わりにそんな雰囲気の塗装をしたケースを自分が使っていたら、お客さまや同業の友人なんかに面白がられるんじゃないかなんて。ただのおふざけだったんです。

ヴィンテージギターの見た目をスマホケースで再現
ヴィンテージギターの見た目をスマホケースで再現
最初はただのおふざけだった

 仕事の合間に余った塗料を使ってほんの30分くらいでささっと作って、友達に画像を送って、Instagramにあげて。LINEを送ったギターショップのオーナーである友人からは、「面白いしネタにもなるから自分にも作ってー」なんて言われ、思った通りネタになったななんて思ってました。

――その後、反響はありましたか?

作者さん:Instagramをその後チェックしていると、フォロワーの方、過去にギター製作をさせていただいた方から、「商品にするご予定は?」「自分のギターに合わせて作って貰えませんか?」等、その日のうちに10件くらいお問い合わせがあったんです。欲しい方いるもんなんだなぁ……と思い、ご要望にお応えすることにしたんです。

 それから2日ほどたち、Instagramへのお問い合わせDMが急に止まらなくなり、「何が起きたか」と。そのお問い合わせには、「Xで見ました」「ミュージシャンの~さんのインスタで紹介されていたのを見ました」などの文字が。実は私Xはたまにのぞく程度にしか利用しておらず……。

 そんな時に当初ご対応させていただいたたすくさんから、「Xにスマホケースの画像上げたらバズってしまってすみません!」というご連絡が。私としてもお問い合わせが増えた理由がわかってホッとしまして。たすく様には「広めてくださってありがとうございます」という気持ちしかございません。

たすくさんに作ったケースでさらに広く知られるように
たすくさんに作ったケースでさらに広く知られるように

――反響の広がりについて教えてください。

作者さん:この3週間ほどで国内外200件余りのお問い合わせいただいております。スマホケースのために機種変更までしていただいた方や、複数個オーダーいただいた方もいらっしゃいましたし、某有名ミュージシャンの方からも突然DMいただいたり……。また、このケースをきっかけに本業であるギターのカスタムのご依頼も数件いただきました。

3週間ほどで国内外200件余りの問い合わせが……
3週間ほどで国内外200件余りの問い合わせが……

――ギター制作との関わりは?

作者さん:レリックと呼ばれるダメージを伴うギターのビンテージ仕上げはギターの世界では一定の人気、需要のあるジャンルなのですが、正直あまりできのいい商品が市場に少ないんです。

 本物のヴィンテージギターが高いものでは数千万円となっている今、本物を知らずに精度の悪いビンテージ風しか見ること、触ることができないという状況でもあると思うんです。

 職業柄ホンモノに触れる機会が多いので、塗装方法や塗料の成分、傷のつき方まで徹底的にこだわって“レリック”に真摯(しんし)に向き合ってきました。スマホケースを通じて、多くの方に本物の片りんを肌で感じてもらえるきっかけになれば私もうれしいです。

スマホケースを通じてホンモノの片鱗を肌で感じてほしい
スマホケースを通じてホンモノの片鱗を肌で感じてほしい

――今後については?

作者さん:本業のかたわらではありますが、このスマホケースに関してはオーダーいただければ引き続きお応えしていこうと思っております。手持ちのお気に入りのギターや憧れのアーティストの使っているギター、そのデザインを手元で感じられるような楽しい商品を引き続き作っていきたいと思います。

画像提供:ts9(たすく)(@koumulmagi)さん/Moonshine craft & custom(@moonshine_craft_custom)さん

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