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はい。当初は私が救われたいという思いだけで、同じ悩みを持つ中年プレイヤーに非常に支持していただいたんですけど、反響の中には「小指が不自由なので、その小指を曲げてボタンを押すのが難しいんですが、これなら簡単に押せて非常にありがたい」という話もありました。

――バリアフリー的な観点でも、新たなデバイスを開発することには意義があると。
「どういう人がどういう運動上の悩みを抱えてるか」という部分に関しては、私からはアプローチできないので、むしろ、そういう団体とか声があったら連絡いただきたいです。EVOにも全盲のプレイヤーが出場して話題を呼んだりしていましたし、研究としても興味があります。道具が人の行動を変えるっていうのは素晴らしいことですから。
例えばオリンピックとパラリンピックではオリンピックに注目が集まりがちですが、パラリンピックにもすごい技術が投入されているんですよ。義足なんてまさにテクノロジーのかたまりじゃないですか。技術の最先端は、そういう部分に現れる。
――身体的なハンディキャップを理由にゲームを諦めている人は、今も居るかもしれませんね。
そういう人が、ハンディキャップを埋められるように開発したデバイスによって、結果的にプロゲーマーより強くなってしまう可能性だってありますよね。今だって、義足の人のほうが障がいを持たない人より速く走れるかもしれない、という転換点にきていますから。
全く新しいデバイスが生まれる可能性は
――現在、格闘ゲームのデバイスは、レバー、パッド、レバーレスが主流です。今後、そうした枠に入らない全く新しいデバイスが生まれる可能性もあるんでしょうか。
まさにその可能性を見せつけられたのが、ガフロさんのデバイスとスピード勝負した時ですね。彼の“歯での入力”の速さには驚きました。指先よりも脳に近い歯で入力することにより神経伝達距離を縮めていると思われるわけですけど、脳から神経の伝達速度はそもそもものすごいスピードなので、脳からの距離は無視できると思っていたんです。でも、実際に計算してみると、その差は無視できないほど大きかった。
※ガフロ:『ストリートファイター5』でプロゲーマーとして活躍したプレイヤーで、現在はコントローラー開発者としても有名。異端視されていたレバーレスコントローラーをプロレベルで使いこなし、レバーとゲームパッドが主流だった当時の格闘ゲームシーンに、レバーレスという第三の選択肢をもたらした先駆者でもある。
――そうなんですか? 具体的にはどのくらい変わるんでしょうか?