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嵐の前日に、道路脇に落ちている鳥のヒナを発見して緊急保護。愛情たっぷりに育て、自然に返してから1年後……。保護から巣立ちまでの様子と、ふと外を見たときに起きた出来事を収めた動画がYouTubeチャンネル「たつおと海子 Tatsuo&Umiko」に投稿されました。記事執筆時点で動画は108万回以上再生され、1万2000件以上の高評価が寄せられています。
動画が投稿されたのは、たつおさんと海子さんが車中泊やDIY、アウトドアを楽しむ様子を公開しているYouTubeチャンネル「たつおと海子 Tatsuo&Umiko」。以前はいつも遊びに来る野良猫がケガをしてしまい、治療と去勢を行ってからリリースしたときの様子を紹介しました。
道路脇に落ちていた野鳥のヒナ
2人は2023年7月から、築年数不詳の古民家で田舎暮らしをスタート。2024年6月には猫の「ぐる」ちゃんが家族に加わり、田舎暮らしには思いがけない出会いがつきものだと思っていたところに、さらなる出会いがあったのだといいます。
2024年6月17日。海子さんがいつものスーパーへ買い出しに行くと、道路脇に落ちていた鳥のヒナを発見。この後は暴風雨の予報が出ており、さらに周囲に巣や親鳥の姿もなかったことから、どうしても見過ごすことはできず緊急保護することに。
連れ帰ったヒナに卵の白身と小松菜をすりつぶしたものを与えてみると、しっかり食べてくれました。最初は弱っているように見えましたが、幸いにも元気と食欲はあるようです。とりあえず家にあるもので部屋を用意し、引き続きエサを与えていると、立派なフンをしてくれました。
なお今回保護したヒナはスズメですが、本来は鳥獣保護管理法により、野生鳥獣を許可なく捕獲・飼育することはできません。そのため今回はあくまで一時的に保護するのみで、最終的には自然に返すことを前提としていました。
翌日、巣をお引越し
そして翌日。ヒナは羽毛がなく体温維持ができないため、カイロを入れて温めていたとのこと。夜中もときどき起きてヒナの様子を見ていたため、2人そろって寝不足気味だったようです。
外は予報通りの大雨でしたが、この日は巣の代わりになりそうなものとすり餌(鳥用のエサ)を購入。電気毛布で温めた巣に引っ越したヒナはまだ目は明いていないものの、エサをたくさん食べて昨日よりも元気になったようです。2人はヒナをいったん「ピヨ彦」と名付け、引き続きお世話を続けることに。なおその鳴き声から、やがて「ピヨ」と呼ぶようになったそうです。
保護3~5日目
3日目になるとピヨは脚がしっかりしてきて、よく歩き回るようになりました。しかし元気いっぱいで食欲旺盛ではあるけれど、人間に育てられたピヨはきちんと飛べるようになるのでしょうか? そんな不安はありつつも、2人は日に日に鳥らしくなっていくピヨをお世話し、見守ります。
4日目にはさらに移動距離が伸び、少しずつ羽が生えてきて、脚で物を掴むことができるように。自分で飛ぶ練習を始めたり、くちばしでつつくしぐさを見せたり、毛づくろいをしたりと、目覚ましい成長を見せてくれました。
5日目にはすり餌に加え、釣り餌として販売されている生きたミミズを与えてみると丸ごと1匹完食。6日目にはヒナ用のエサやり器を購入し、早朝から就寝まで、2人で協力して3時間おきにエサを与えていたそうです。
外デビューすると……
9日目には地肌が見えなくなるほど羽が生え、短い距離を飛べるようになりました。10日目にはピヨと同じくらいのヒナが親鳥と巣立ちの訓練をする姿を見かけたことから、外デビューすることに。ピヨは最初こそ驚いて固まっていましたが、やがてあちこち歩き回る姿を見せてくれました。別れの日を思うと寂しくはあるものの、立派に成長したその姿に感動を覚えたそうです。
その後野生動物に襲われないよう、鳥かごに入れた状態で外の環境へと慣らすことに。すると本能が刺激されたのか、運動量や飛行距離が急増。それまでできなかった、止まり木に止まることもできるようになったのでした。
11日目には飛行能力が上がったものの、まだ自分でエサを食べず、口の中に押し込まれるエサを食べている状況でした。しかし15日目には梁まで飛ぶようになり、自力でエサが確保できるか不安はあるものの、室内生活に限界を感じ始めます。自分でエサを食べる姿を見届けてから外へ放そうと思っていたけれど、むしろ外で生活させた方がいいのかも、と思うようになったのだとか。
そして翌日も梁まで飛んだ姿を見て、この日の午後に外へと放つことを決意。野生のスズメのヒナは2週間ほどで巣立ち、1週間ほど親の助けを借りて独り立ちするとされていることから、早く外に出すべきだと思ったそうです。最後の給餌をしてから、外で鳥かごを開けると……2人の心配をよそに、ピヨは力強く大空へと飛び立って行ったのでした。
巣立ち後
巣立ちの翌日。ピヨが軒下にやってきて、何かを訴えてきました。野生のスズメのヒナも巣立ち1週間程度は親鳥の助けを必要とするので、ピヨも食べ物を求めてやってきたようです。その後もピヨは1日に何度も軒下に現れてエサをねだるように。ただ、やはり外にいる方が生き生きして見えたそうです。
翌日もまた翌々日も食べ物を求めてやってくるものの、日に日にすぐには近付かず、離れたところから様子を伺うことが増えていきます。人間と距離を取ることを覚えたのか、巣立ち5日目から食事量が激減し、6日目は軒下までやってこなくなりました。
その後、たつおさんが他のスズメの近くにいるのを目撃したそうなので、きっと野生のスズメの群れに入ることができたのでしょう。どうやら本当の意味で、ピヨとのお別れが来たようです。
生まれて1年目のスズメは外敵も多く、生存率はそこまで高くありません。自然の中で暮らすピヨの安否確認をすることは難しいけれど、とにかく元気に寿命を全うすることを願う2人なのでした。
巣立ちから1年後
その後、庭にスズメが来るたびに「あれはピヨか?」と思ってしまう2人。そんな日々を過ごしていたある雨の日に、1羽のスズメが軒下に姿を現しました。庭にスズメが来ることはあっても、ここまで近付いてきたのは初めてなのだといいます。
しかもスズメが止まっているのは、巣立ったばかりのピヨが食べ物を求めて戻ってきた場所です。さらに翼をパタパタさせるスズメのしぐさと、翼を震わせて食事をねだるピヨの姿が重なり、そっと近付きましたが……スズメはあっという間に飛び去ってしまいました。しかしそう遠くには行かず、仲間のスズメと仲良さげに連れそう姿を見せてくれたのでした。
そして数日後。この日はシートの上にたまった水たまりに、スズメが水浴びをしに来ていました。数日前に来たスズメと水浴びをしていたスズメがピヨなのかそうでないのか、確認することは困難です。ですがこのスズメがピヨだったならいいなと、育ての親である2人のことを覚えていてくれたらいいなと、多くの人が思ったのではないでしょうか。
「映画を見た感覚」「立派に育ててくれてありがとう」と反響
動画には「なんか映画を見た感覚、素晴らしい動画でした」「ピヨくんだー、ピヨくんだー、スゲー」「パパとママの過保護満タンの愛情が泣けます……立派に育ててくれてありがとうございます」「ピヨちゃんにもファミリーができて、小さな命が繋がっていくことを願っています」「戻ってきたのはきっとピヨちゃんだと思いますよ。幸せのおすそ分けありがとうございます」「ピヨちゃん、やっぱり帰ってきたんですね 忘れてないと思います」「野生の鳥でも、こんなふうに心が通うんですね」といったたくさんのコメントが寄せられていました。
YouTubeチャンネル「たつおと海子 Tatsuo&Umiko」には、車中泊やDIY、アウトドアのほか、猫たちやピヨに関する動画も投稿されています。
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