クワガタ採集に行くとよく見かけるけれど、大体スルーされる。そんな小さくて地味な昆虫を2カ月育て、観察した様子が「すごく面白かった」「子どものころずっと気になってた」とYouTubeで話題です。動画は記事執筆時点で10万回以上再生されています。

【第1弾】樹液に必ずいる“あの虫”を2ヵ月追ったら…色々ヤバすぎたw

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 動画を投稿したのは、自然が大好きなかーくん&ティン夫婦によるYouTubeチャンネル「かーくん_ディスカバリー」。昆虫やカエル、ポメラニアンの「ちゅに」と一緒にあちこちを旅しつつ、生き物を通して自然の楽しさを発信しています。

 今回は樹液に必ずいる“ある昆虫”を捕獲し、2カ月育てながらじっくり観察してみた様子を見せてくれるようです。

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スルーされがちな昆虫「ヨツボシケシキスイ」

 かーくんが捕獲し、持ち帰ってきた昆虫の名前は「ヨツボシケシキスイ」。少しクワガタに似ていて、クワガタ採集をしたことがある人ならおそらく一度は見たことがあるけれど、小さいし地味だし「なんかいたな」とスルーされることが多い存在なのだといいます。

スルーされがちな昆虫「ヨツボシケシキスイ」

 しかし、そんなヨツボシケシキスイをまじめに飼育してみたら、思っていたよりずっとすごい存在であることが分かったのだとか。むしろ、実はクワガタ採集において重要な存在かもしれないという考えに至る発見があったようで……?

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飼育スタート、4日後にはまさかの……

 2カ月の飼育記録のうち、まずは飼育環境を準備する様子から見せてくれます。小さなヨツボシケシキスイを観察しやすいように、飼育容器には100円ショップで手に入れた砂糖入れを使用することにしたそうです。

 基本的にはクワガタやカブトムシと同じ要領で飼育していくとのことで、飼育容器には木くずマットと転倒防止の木を入れ、エサには昆虫ゼリーを採用します。卵を産ませたいと考えて栄養価の高いプロゼリーを入れてみたところ、メスが早速食べてくれました。

ゼリーを食べてくれました

 観察4日目。驚くことに、木くずマットにはすでに卵が産み付けられています。卵は飼育容器の底にまとめて4つほど産み付けられていたので、ヨツボシケシキスイは1カ所にまとめて産卵する習性があるのかもしれません。

4日目にして卵を産んでいました

 卵を確認してから3日後(観察7日目)には卵がふ化。ふと気付けばクワガタやカブトムシとは全く異なる姿をしたヨツボシケシキスイの幼虫が、昆虫ゼリーの中を泳いでいました。卵は全部で4つだと思っていたそうですが、どうやらもっとたくさん産まれていたようです。

なんとも不思議な姿の幼虫が……!
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すさまじい速度で成長する幼虫

 観察13日目。昆虫ゼリーを食べる幼虫はものすごい速度で成長し、心なしか数も増えたようです。現状のサイズはつまようじの先くらいの大きさとのことですが、この後どのくらいの大きさまで成長し、いつごろサナギになるのか気になります。

 観察18日目。かーくんはふと、幼虫たちが食べたゼリーが1日とたたず強烈な発酵臭を放ち、全くカビないことに気付きます。そこで「幼虫がカビを抑制するのでは」という仮説を立て、カビが生えてしまっているゼリーに幼虫を入れてみることにしました。

ヨツボシケシキスイの幼虫はカビを消せるのでしょうか

 観察21日目。ヨツボシケシキスイの幼虫を入れてから3日後、カビだらけだったはずのゼリーから、すっかりカビが消えていました。この結果から考えると、幼虫が分泌する何らかの物質がゼリーを急激に発酵させ、カビ(菌類)を抑制している可能性がありそうです。もしかするとケシキスイの仲間は、自然界における樹液の発酵にも関与しているのかもしれません。

3日でカビを消滅させました、すごい……!

 観察28日目。生後約1カ月の幼虫は食欲がすさまじく、今のところ共食いする様子はないものの、気性が荒くて頻繁にケンカしていたそうです。しかし、観察34日目には突然ゼリーを食べなくなり、なぜか土がドロドロに腐っていました。

 観察37日目には20匹ほどいた幼虫が一斉に消え、土に潜ったような形跡があります。そこで土を取り出してみたところ、なかなか強烈な臭いがしたそうです。土から掘り出した幼虫はサナギになる直前の「前蛹(ぜんよう)」になっていましたが、不思議なことに、前蛹の姿はクワガタやカブトムシとそっくりだったそうです。

 その後、花用の吸水スポンジを使って人工蛹室を作り、前蛹をセット。サナギを発見したため、こちらも人工蛹室にセットしておくことにします。ケシキスイはカナブンと同じように繭玉を作るらしいことから、飼育容器のマットは乾燥した新しいマットに交換しておきました。

人工蛹室を作り、羽化を待つことに
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仕事から帰ってくると……

 観察41日目。仕事から帰ってきて様子を見ると、人工蛹室にいたサナギがすでに羽化し、成虫になっていました。羽化を目撃できなかったことは残念ですが、無事に羽化してくれて何よりです。

羽化の瞬間を目撃し損ねてしまいました

 観察44日目には他の幼虫たちが繭玉ではなく蛹室を作っていて、観察46日目には先日羽化した成虫の体色が黒くなっていました。成虫は羽化後10日ほど(観察52日目)には活発に動き始め、54日目にはついにエサを食べるようになっています。

体の色が変わるまでには数日かかるようです

 観察55日目には、ついにサナギの羽化に立ち会うことに成功。約2カ月にわたってクワガタに似た謎の昆虫「ヨツボシケシキスイ」を育てた結果、かーくんはその生態をとても面白いと感じたといいます。

貴重な羽化シーンを目撃・撮影することに成功しました!

 特に、幼虫が食べたゼリーの発酵臭は「森の中にいる」と錯覚するほどのものだったとのこと。その臭いや性質から、ケシキスイの仲間はクワガタやカブトムシの“樹液酒場”を作る立役者になっているのかもしれないと思ったそうです。

 今後はこの特性を使ったフィールド実験なども考えており、また大型の個体を育ててみたいとも考えているのだとか。ヨツボシケシキスイの幼虫は小さな昆虫なども食べるため、タンパク質の多い食事をさせれば大きな個体が出るかもしれないと考えているそうですよ。

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コメント欄も大盛り上がり

 この動画のコメント欄には「こんなにかっこ良かったんですね」「とてもかわいくて不思議な生態が分かりました」「めちゃくちゃふ化から羽化までが速いですね」「予想と全然違ってびっくり」「こんなのいるんだね。差し色あってきれい」「幼虫がゼリーを食べるのには驚きました!」「気になってた昆虫です。勉強になりました」「こういうマイナー?な生き物の飼育ってなぜかひかれますよね」といった声が寄せられています。

 かーくんは、生き物に関する情報をYouTubeチャンネル「かーくん_ディスカバリー」、Instagram(@ikimono.travel)、X(@KaakunDiscovery)で公開しているので、ぜひチェックしてみてください。

「かーくん_ディスカバリー」動画まとめ

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動画提供:YouTubeチャンネル「かーくん_ディスカバリー

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