ねとらぼ
2025/10/01 20:15(公開)

産卵率が落ち、「廃鶏」となったニワトリ→家族に迎え入れたら…… 「感動しました」「本当に感謝です」と反響

 現役を終えた採卵鶏を家族の一員としてお迎えする様子が、YouTubeに投稿されました。動画には「感動しました」「本当に感謝です」といった反応が寄せられています。

この子を飼うことになりました

 投稿したのは、YouTubeチャンネル「チキンズチャンネル」で3羽のニワトリとの暮らしを発信している藤田義生さん。以前は、庭に生えた厄介なドクダミをニワトリたちに食べてもらう様子が「真似したい」と話題になりました。

 今回は廃鶏を家族の一員としてお迎えするべく、とある養鶏場にお邪魔しているようです。

advertisement

生後1年半で役目と命を終えるニワトリたち

 藤田さんは現役を終えたいわゆる「廃鶏(はいけい)」と呼ばれる採卵鶏を引き取るため、山梨県北杜市にある放牧養鶏場「百鶏園」にやってきていました。養鶏農家の代表・小沢さんとともにあいさつをしている途中ですが、ここで廃鶏に関する説明を挟むことに。

 卵を取る目的で飼育されるニワトリのことを、「採卵鶏(さいらんけい)」と呼びます。採卵鶏の飼育方法はバタリーケージ飼い、平飼い、放牧飼育に分けられますが、日本では9割以上がバタリーケージ飼いなのだそうです。今回お邪魔している百鶏園はほんの数%しかない、放牧飼育を行っている養鶏場なのだとか。

 採卵鶏は生後半年ほどで卵を産みはじめ、産卵率や卵の質が落ちる生後1年半ほどで廃鶏として処分されます。しかし採卵鶏は食肉用のニワトリとは異なり、肉付きや肉質が食肉に向いていません。そのためスープや加工食品の原料として使われますが、用途が限定されることから需要が低く、1羽あたり数十円と安価で取引されているのだといいます。

 とはいえ現代日本の採卵養鶏では、廃鶏にせず事業を成立させることはできません。卵を安価かつ安定的に供給し続けるためには、この養鶏サイクルを続けるしかないのが現状なのです。

 そんな中、百鶏園さんは「廃鶏を出さない終生飼育」に挑戦しているとのこと。廃鶏のエサ代を寄付で集めたり、譲渡会を行ったりして、廃鶏ゼロの養鶏に取り組んでいるそうです。

advertisement

廃鶏を引き取る

 藤田さんはブラマ種の「波留(はる)」ちゃん、アメリカンシルキー種の「​紗羅(さら)」ちゃん、アローカナ種の「雷(らい)」ちゃんの3羽と暮らしていましたが、今年の夏に雷ちゃんが虹の橋を渡ってしまったそうです。

雷ちゃんを亡くしたばかりの藤田さん
雷ちゃんを亡くしたばかりの藤田さん

 深い悲しみの中でどうしようかと考えていたそうですが、これからアニマルウェルフェア(動物福祉)に関する活動を行っていくにあたり、廃鶏を飼育するモデルになりたいと思ったとのこと。また「廃鶏を出さない終生飼育」にチャレンジする百鶏園の活動に深く感銘を受け、廃鶏を引き取ることに決めたのだとか。

 とはいえ、本当はこれまでバタリーケージで飼育されていたニワトリを助けるといった形が一番望ましかったとのこと。もともと広い場所で放牧され、幸せに暮らしている百鶏園のニワトリを引き取るのはどうかという葛藤があったそうです。

 しかし自分のまねをして、廃鶏を飼う人がいればいいなと思ったのだとか。そして保護犬や保護猫をと同じように、廃鶏を飼育することを社会に浸透させていきたいと考えているそうです。なお藤田さんが引き取るニワトリを選んでいる様子は、百鶏園のチャンネルで公開されています。

自宅へと向かう前に、少し外へ出してみることに
自宅へと向かう前に、少し外へ出してみることに

 今回藤田さんが選んだのは、百鶏園の主力であり、比較的人懐こい「あずさ」という品種のニワトリです。なお新たにお迎えするニワトリの名前は、事前に「万結(まゆ)」さんにすると決めていたとのこと。「結」という漢字を使いたかったことに加え、廃鶏を飼う人が1万人くらい増えたらいいなという思いが込められているそうですよ。

advertisement

万結さんの様子は……?

 今回は藤田さんが1羽、友人が2羽、計3羽の廃鶏を百鶏園から迎えたそうです。3羽をケージから外に出してみると、それぞれに草をつつきはじめました。

2人で3羽の廃鶏をお迎えしました
2人で3羽の廃鶏をお迎えしました

 藤田さん宅にいる波留ちゃんと紗羅ちゃんは気が弱いため、藤田さんはあえて気の弱そうな子を選んだそうです。小沢さんから気が弱いビビりな性格だと聞いていたそうですが、確かに少々人を怖がっているように見えます。

事前に聞いていた通り、気が弱いようです
事前に聞いていた通り、気が弱いようです
食欲はばっちりなようです
食欲はばっちりなようです

思い思いに、農場を堪能

 3羽とも廃鶏とはいえ、小さな体で卵を産むことから食欲は旺盛な様子。農場では広々とした場所で飼育されていましたが草は食べられなかったのか、3羽とも一心に草を食べていたのでした。

3羽とも草に夢中な様子
3羽とも草に夢中な様子
おいしいかな?
おいしいかな?
思い思いに土を蹴り、草や土をついばみます
思い思いに土を蹴り、草や土をついばみます

 その後はそれぞれ引き取ったニワトリを車に乗せ、帰路につくことに。万結さんは人慣れしていないこと、逃げ足が速いことから、まだ外でお散歩することは難しそうです。

人慣れはしていないけれど、元気いっぱいな万結さん
人慣れはしていないけれど、元気いっぱいな万結さん

 まだ2年生ということで、この先まだまだ卵を産むという万結さん。そんな万結さんがこの先藤田さんをはじめとした人に慣れてくれるのか、波留ちゃんと紗羅ちゃんと仲良くできるのか、ゆっくり見守っていきたいですね。

最後にはかわいい表情を見せてくれました
最後にはかわいい表情を見せてくれました

「感動しました」「本当に感謝です」と反響

 動画には、「これは素晴らしいです。感動しました。。。」「廃鶏を処分せず生涯を全うさせる為に取り組む、百鶏園さんに本当に感謝です。藤田さんに引き取られて、これから幸せに暮らせるまゆちゃんの今後に期待です」といった多数の称賛の声が寄せられていました。

 藤田さんはこの他にも、かわいいニワトリたちとの日常をYouTubeチャンネル「チキンズチャンネル」やInstagramアカウント(@chickenschannel)、Xアカウント(@ChickensChannel)で数多く公開しています。

「チキンズチャンネル【Chickens Channel】」動画まとめ

【廃鶏飼育】初めて同じケージで過ごした翌朝、まさかの結末に!
【廃鶏飼育】養鶏場から初めての野原へ!見せた表情がすごすぎた
【廃鶏飼育】初めて見るお宝天国でニワトリが取った行動とは?!

※本ページはアフィリエイトプログラムによる収益を得ています

関連タグ

Copyright © ITmedia Inc. All Rights Reserved.