鯉を育てる野池からパイプで全部水を抜く→現れたのは……　とんでもないワイルドな光景に「感動です」「面白い」

　野池の水をパイプから全部抜き、錦鯉を回収していく様子を収めた動画がYouTubeに投稿されました。動画は記事執筆時点で5万7000回以上再生され「水抜きの回が1番好き」「ワクワクする」といった反応が寄せられています。

　動画を投稿したのは、山形県長井市にある「塩田養鯉場」で、錦鯉の販売や池の施工を手掛けている塩田敏弘さん。以前は池にいる大事な錦鯉を食い荒らす“ヤバイ奴”を発見し、その姿を見せてくれました。

　今回は錦鯉を飼育している野池をリセットするため、パイプから水を出して錦鯉を捕獲する様子を見せてくれるようです。

野池の水を全部抜く

　動画は草まみれの道を進み、パイプへと到着するところからスタート。パイプから流れる水を受け止めるように大きな網とカゴをセットし、しばらく待っていると、網には大量のオタマジャクシがたまっていました。

　その後もパイプから流れてくる大量の水を受け止めていると、だんだんと出てくる水が濁り、ドロッとしてきたようです。その様子を見て「来そう、来そう」と話していると、パイプから勢いよく1匹の錦鯉が流れてきました。

　これからどんどん来るだろうと思っていると、続いて1匹のオレンジ黄金という錦鯉が流れてきました。近くには野生のイモリがいたのでパイプの上に乗せ、作業を見守ってもらうことに。

　しかし先ほどのオレンジ黄金が流れてきてから、なかなか次の錦鯉が流れてきません。「あれ？なかなか来ないぞ」と塩田さんが不思議がっていると、一気に3匹の錦鯉が流れてきました。

　最後の方になると錦鯉が一気に流れてくるそうですが、この地点で網にいるのは水生昆虫の1種・ガムシとツチガエルのオタマジャクシばかり。この地域では外来種のウシガエルはほとんど生息していないらしく、周辺で特徴的な鳴き声を聞いたことはないそうです。

　先ほどの3匹以降、なかなか錦鯉が流れてこないと思ったら、今度は一気に数匹の錦鯉が流れてきました。その後も次々と流れてくる錦鯉を素早くつかみ、別の容器へと移動させ続けます。

　途中で手伝いに来てくれたKonノ錦鯉センターさんと協力し、どんどん泥っぽくなっていく水と戦いつつ、絶え間なく流れてくる錦鯉をすくい続ける様子はなかなか壮絶です。

　なお錦鯉をすくった後は酸欠にならないよう、泥水からキレイな水へと移動させる必要があるとのこと。多少手荒に見えてしまいますが、酸欠になると弱ってしまうこと、エラに泥が入ってしまうと立ち直らないことから、とにかく手早く移動させることが大切なのだそうです。

手作業で錦鯉をすくっていく

　パイプの方が落ち着いたら、池に取り残されてしまった錦鯉をすくいに行くことに。泥の中を歩き、目視で錦鯉を探しながら拾い、すぐにキレイな水へと移します。泥の中から次々と小さな錦鯉を見つけ、手早く拾い、移動させる鮮やかな手つきに、思わず見とれてしまいますね。

　野池の錦鯉は本来、網を曳いて捕獲・選別をしますが、何回も網を曳いても結構な数が残ってしまうのだとか。そこで池に残っている錦鯉を余すことなく捕獲するべく、池の水を全部抜いたそうです。捕獲した錦鯉は選別をして、いい個体は自宅に持ち帰って販売するそうですよ。

　また池をリセットするためには泥と一緒に錦鯉を回収し、空にする必要があるとのこと。実は錦鯉を飼育する野池は1回リセットしないと、翌年いい錦鯉を作ることができないのだといいます。

　というのも、池の中に水生昆虫やオタマジャクシがいると小さい錦鯉が食べられてしまい、かわいそうなことになってしまうのだそうです。水を全部抜いていったん池をリセットするという作業は、翌年の錦鯉にとっても大事な工程なのですね。

「水抜きの回が1番好き」「ワクワクする」と反響

　動画には、「泥水の中から美しい錦鯉が一際色彩が際立って面白い」「水抜きの回が1番好きです」「ワクワクするよね！」「見ていて楽しいです 泥からすくう場面がもっと見たかったです」「鯉が出て来たときの感動です」「稚魚には天敵かもですが、絶滅危惧種になってるゲンゴロウがこんなにたくさんいるなんて、水が本当に綺麗なんだろうなぁ」といったコメントが寄せられていました。

　塩田さんのYouTubeチャンネル「泳ぐ宝石錦鯉TV Koi Japan」では、錦鯉生産、庭園、造園、濾過（ろか）槽のシステムの解説の他、錦鯉の魅力を初心者の人にも分かりやすく紹介しています。

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画像提供：YouTubeチャンネル「泳ぐ宝石錦鯉TV Koi Japan」