ガーデニングに欠かせない剪定バサミをプロがメンテナンスする様子がYouTubeで「道具の手入れって大切ですね」「よく分かりました」と話題です。動画の再生数は記事執筆時点で6万2000回を超えています。

【剪定バサミの研ぎ方&手入れ】切れ味が復活して長く快適に使えます(2025年9月)
advertisement

ハサミの手入れとタイミング

 動画を投稿したのは、草木のお手入れアドバイザーの岩井淳(サントーシャじゅん)さん。庭、園芸、自然に関する情報をYouTubeチャンネル「みどりと共に サントーシャじゅん」で発信しており、以前には夏にグングン伸びた庭木を剪定(せんてい)するコツが話題となりました。

 今回は、剪定バサミの日常的なメンテナンス方法と刃の研ぎ方を解説。その工程は「ヤニ(汚れ)落とし」「研ぎ作業」「刃の保護」の3段階に分かれています。

実演を交えながら解説!

 モデルケースとして用意したハサミは刃の部分が汚れで黒くなっており、動かすと“キコキコ”と異音がしました。切れ味と操作性が非常に悪いため、この状態で使うわけにはいきません。

advertisement

ヤニ落としは日常的に

 最初に行う作業はヤニ落としです。この場合の「ヤニ」とは植物に含まれている油分のことで、刃に付着するとかみ合わせが悪くなったり、ハサミ全体の動きが悪くなったりします。こうした汚れに対しては、刃を水でぬらした後にスポンジや歯ブラシでこすり洗いをするのがいいとのことです。

 マツヤニのように頑固な汚れには、ホームセンターで売っている専用のクリーニング剤で対処します。刃全体を覆うように噴霧し、5分ほど待ってから布で乾拭き。実演のために用意したハサミのヤニはかなりのもので、真っ白だったタオルに黄色や茶色の汚れがたくさん付きました。

手袋を着けて乾拭き
advertisement

切れ味が落ちたら研ぐ

 ヤニ落としは日常的に行う作業ですが、続いて紹介する「研ぎ作業」は切れ味の低下を感じた際に行います。そのチェック方法は人差し指の腹部分を刃に当てた後、垂直方向へ動かして“刃先が指紋に食い込む感触”を確かめるというもの。この感触が弱いと切れ味は落ちているそうです。なお、危険なので絶対に指を横方向へ動かしてはいけません。

 今回使うのは「両面砥石」です。まずザラザラした面で磨き、最後にツルツルしている面で仕上げます。最大のポイントは、水槽へ入れるなどして砥石に水をしっかりと含ませること。そのままの状態で使うと刃が必要以上に削れてしまうそうです。

しっかり水につけてから使おう

 剪定バサミは幅の広い「切り刃」と幅の狭い「受け刃」からなっており、よく見ると切り刃の方は滑らかな曲線を描いています。研ぐのはこの曲がっている部分と刃の先端、受け刃と接する面、受け刃の4カ所です。砥石をしっかり当てて「面」で研ぎます。

砥石の両面を使う場面もあるので合計6回研ぐ

 この際に注意するのは、力の入れ方と砥石の向きです。刃を傷めないように「乗せる」感じで、刃の向きに合わせて砥石を動かします。途中で水洗いしてみると、刃の黒かった部分が本来の銀色へと変化していました。

ハサミの形に合わせて砥石を動かす
本来の色に戻っていく!

 大まかに銀色へと戻したら、次は刃の先端です。肉眼では非常に分かりにくいですが刃先は角度が急になっているため、当てる砥石の角度も変えます。ザラザラした面で研いだ後、切り刃に生じた細かな傷を消していくイメージでツルツルした面を使って仕上げていきました。

角度を急にして砥石を動かす

 続いて砥石のツルツルした面を使い、受け刃と接する部分を研ぎます。あまりやり過ぎると受け刃とのかみ合わせが悪くなってしまうため、研ぐのは最小限にしておきます。受け刃の側は汚れが落ちれば良いいので、軽くこするだけにしました。

advertisement

メンテナンス後の切れ味は……

 最後に「刃の保護」として刃物用の潤滑油を差せばメンテナンスが完了です! 黒ずみが取れて銀色になった刃の切れ味は鋭く、割り箸や固い枝、竹などをあっさりと切り落とせるようになりました。

ひどく汚れていた剪定バサミが……
ピカピカに!
割り箸も切れるまでになった
advertisement

「すごい切れ味」「バネ指になる前に手入れですね」と反響

 この動画のコメント欄には「おお~! 研磨後はすごい切れ味ですね。こんなにスパスパ切れると鈍い刃で長く作業して手が水膨れになるのも防げそうです」「両親宅の庭手入れが一段落したので、ハサミを手入れしてしまおうと思っていたところでした」「バネ指になる前に手入れですね。大事なことと思います」といった声が寄せられています。

 じゅんさんは、草木のお手入れに関する情報をYouTubeチャンネル「みどりと共に サントーシャじゅん」やInstagram(@santosha_jun)で発信中です。また、個人向けの剪定レクチャーをWebサイトで受け付けています。

「みどりと共に サントーシャじゅん」動画まとめ

【柿(カキ)の冬剪定】サイズ縮小を図れる強めの手入れ(2024年1月)
【マツ(松)の剪定】秋冬の手入れですっきり美しい樹姿になる(2023年10月)
【キンモクセイの花後剪定】小さくできても注意が必要な秋冬の手入れ(2023年10月)

動画提供:YouTubeチャンネル「みどりと共に サントーシャじゅん

北正(Kitasho)黒ばら刃物椿245ml KHM03 クリア

796円(12/27 21:14時点)
Amazonの情報を掲載しています