ねとらぼ
2025/10/25 19:15(公開)

藝大生が“白色だけ”で白いキャンバスに絵を描いたら……「絵の概念が覆されました」 予想できない完成品に「表現力すごい」「ひらめきに感動」

 藝大生が白色だけを使って絵を描く動画がYouTubeで「めっちゃ面白い」「工夫がすごすぎる」と話題です。再生回数は記事執筆時点で8万回を突破しています。

advertisement

藝大生は“白だけ”で絵を描けるのか

 投稿したのは、東京藝術大学にゆかりのあるメンバーたちが、「芸術をもっと身近に」をコンセプトに、さまざまなコンテンツを発信している「アートゥーン! /Artoone!」のYouTubeチャンネル(@ArtooneCH)。以前には、“夏休みの絵日記”を藝大生が本気で描く動画が話題になりました。

 今回は、大学院生でデザイン専攻の林さんと小松﨑さんの2人が、「白い画材のみで絵を完成させる」というルールのもと、「食べ物」をテーマに制作。ただし“白”の定義は厳しすぎると絵にならないため、「白っぽく見えていればギリセーフ」と、ゆるめに設定しています。そのルールで用意された画材は126種類。もちろん描くのは白いキャンバスです。

 画材では、色を付けるには「影を落とすしかない」という視点で、ジオラマで樹木や苔などの表現に使われる立体的な素材や、粒状の方解石で絵具などにざらついた質感を与える「ストーンマチエール」といったものも用意。絵具だけではどうにもならないため、もはや色ではなく“物”が画材として登場します。これで食べ物を描くのは、いくら藝大生とはいえ難しすぎるのでは……。

この難関をどう突破するのか……?
この難関をどう突破するのか……?
advertisement

配置の工夫やアイテムの使い方で立体感やコントラストを出す

 牡蠣を描くことに決めた小松﨑さんは、まず水彩色鉛筆の白色を使って描き始めますが、思った以上に真っ白で、カメラ越しだと何も見えません。なるべく“濃い白”を探すところから始まるのが新しい。

 また、ついにグレーに近い色を見つけたと思ったら、「水の色だ!」と、インクの色ではなくぬれているだけだとわかるなんて展開も。ちなみに、以前にも「青い画材だけで絵を描く」という企画で作品制作しているものの、明らかにそれよりも難度が高く、どうなるのか予想がつきません。

 絵として成立させるため、真っ白な隣に暗い色を置いてなるべくコントラストをつけたり、牡蠣の殻があまり見えない構図にしたりと、さまざまな工夫が。水彩絵具やパステルで着色したら、数字シールの黒文字部分をポイントで使って全体を締め、シルバーシールでレモンの果肉の光沢を表現するというテクニックも披露しています。

ハイライトをつけるためにシールを貼ったり、ピンを刺したりも
ハイライトをつけるためにシールを貼ったり、ピンを刺したりも

 さらに白いリボンをあえてねじって貼ることで影を作り出し、色も足すことで殻の立体感などを表現。「窮地に立たされたらいろんな技法を発明できるもんだね」と笑っていますが、ほとんど手を止めることなくアイデアを試して制作し続けるのがさすがです。

シルバーシールを折って角を使うアイデアも
シルバーシールを折って角を使うアイデアも
advertisement

暗い白色を多用して描く

 一方で、ラーメンを描くことに決めた林さんは、白い画材の中で特に暗い銀色に近い白を多用することで描いています。「なんかラーメンの幽霊みたいになっちゃった」と悩むような様子もみられましたが、途中でストーンマチエールをぽんぽんとたたいて配置して質感を表現するシーンでは、「急に『絵』になった」と隣の小松﨑さんも驚いていました。

ストーンマチエール(粒状の方解石)で質感を出していく作戦に
ストーンマチエール(粒状の方解石)で質感を出していく作戦に

 また絵のほとんどが“銀色”ですが、光の当たり方によって白く見えるというからくりに、小松﨑さんから「抜け道すぎる!」というツッコミがとんでいます。その手があったか……!

光の反射具合によってはキャンバスよりも白くなっています
光の反射具合によってはキャンバスよりも白くなっています

 絵のまわりにある色が反射してラーメンの色が変わるため、黒い服を着ている小松﨑さんが持つと「めっちゃ暗い絵」になって驚きます。シルバーで描いた結果、まさかの「自由に色を変えられる絵(?)」が完成したのでした。

銀色に近い白を使ったことで、まわりにある色によって絵の色も変わる作品に
銀色に近い白を使ったことで、まわりにある色によって絵の色も変わる作品に

白だけで描いた2つの作品が完成

 作品のタイトルは、小松﨑さんが「牡蠣とレモン」、林さんが「ラーメン二郎」。どちらも全体で見ると白いのですが、見比べると小松﨑さんの絵にはいろんな色があるように見えるのが面白く、背景に両面テープがそのまま貼られていたりといったアイデアも確認できます。

 思った以上に表現の幅があり、どちらもかわいい作品に仕上がっていて、最終的に2人とも「楽しかった」「おもろかった」「白っていい!」とポジティブな感想が出ています。創作に普段しない“変わった縛り”をいれることで新鮮な体験ができたようですね!

それぞれいろんな工夫が詰まった“白だけの絵”が完成!
それぞれいろんな工夫が詰まった“白だけの絵”が完成!

「描けることがすごすぎる」「ひらめきに感動してしまった」

 動画には「白だけで美味しそうに見える表現力はすごい」「絵を描くってことの私の概念が覆されました」「描けることがすごすぎる」「立体にしてみたり、シールを貼ってみたり、工夫がすごすぎる」「ひらめきに感動してしまった」など、メイキングも含めてワクワクした人の声がたくさん寄せられました。

 また「『完成した作品2つとも、画面越しに見るのと肉眼で見るのだと結構違いそうだな~実物見てみたいな~』と思って、『それってめっちゃ“美術”じゃん』と思いました」なんて感想も届いています。

 YouTubeチャンネル「アートゥーン! /Artoone!」では他にも「緑色だけ」「黄色だけ」で描いた動画や、音楽に関するチャレンジ企画なども公開中。情報やショート動画はX(Twitter:@ArtooneCH)やTikTok(@artoone_ch)でも発信しています。

動画提供:アートゥーン! /Artoone!

※本ページはアフィリエイトプログラムによる収益を得ています

関連タグ

Copyright © ITmedia Inc. All Rights Reserved.