高齢のため体が弱っているニホンヒキガエルを介護する様子が、YouTubeに投稿されました。動画の再生数は記事執筆時点で5万3000回を超えており、2200件以上の高評価を獲得しています。

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おばあちゃんカエルのお世話

 動画を投稿したのは、多種多様なカエルを飼育しているYouTubeチャンネル「世界カエル指食われ協会」の「むし」さん。以前には、バジェットガエルを飼育する様子が話題となりました(関連記事)。

 そんな投稿者さんの元にはニホンヒキガエルとアズマヒキガエルもいます。両者ともすっかりおばあちゃんですが、アズマヒキガエルの方はまだまだ元気。対するニホンヒキガエルは肉体が衰えており、両目は完全に失明しています。投稿者さんはこれまで1年にわたって、このカエルを介護してきたそうです。

アズマヒキガエルとニホンヒキガエルの現在
ニホンヒキガエルは目が見えなくなっている
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驚くべき“介護生活”

 今回の動画では、介護の内容を紹介します。まずは水を張った桶に移して体のお手入れ。通常であればカエルは自力で皮を脱げるはずですが、力が弱くなっているため足回りや指先など各部に皮が残っていました。

カエルの脱皮回数は多いため、朝晩にチェック

 皮がついたままだと衛生的に好ましくないため、手袋越しに軽く体表を触って皮を除去。少し触れただけでポロポロ剥がれていきます。これでも皮の量は少ない方とのこと。

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ご飯に反応しないので……

 続いては餌やり。カエルは視覚に頼って餌を取るため、失明してしまうと顔の前でご飯を動かしても反応してくれません。現在は投稿者さんが口の中に入れて食べさせています。

体を抑えた状態で与える

 暴れないようタオルで体をくるんだら、口の先端にピンセットを挿入。わずかな隙間が生じたところに、すかさず指をねじ込んで口を大きく開けさせて餌を押し込みました。

素早く餌を押し込む!

 そのままでは異物として吐き出してしまうので、口を押さえて喉元を優しくマッサージ。刺激を与えて飲み込むよう促します。「スピードが重要」と説明していた通り、一連の動作はとても滑らかで非常にスピーディーです。

マッサージして飲み込ませる

 なお、カエルは口から水分を摂取しない生き物であり、水を飲ませると腸の働きが乱れてしまいます。下痢が悪化してしまう可能性もあるので、液状の餌は使いません。

 この餌やり自体が体力を消耗させるため頻繁には与えず、実施するのは月に2回程度。消化器官も弱っているらしく、水様便ばかり出て体が汚れてしまうそうです。病気を防ぐためにも、排せつ後のケアは欠かせません。

 かつて介護士だった経験が形を変えて生きているという投稿者さん。自然に身を任せて“本人”に無理のない範囲で最後まで自分ができることをやっていくとしています。

負担がかからない範囲で、最後まで介護
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「尊い」「ただただ、すごい」感嘆の声

 コメント欄には、「動画の始めから、カエルのお世話の説明の仕方が、介護士さんぽいなあと思っていたらどうりでですね! 私も介護士です」「ここまで世話してもらえるならカエルも幸せやなぁ」「最後まで責任もって飼うっていうことをしてる、カエル飼育者としての鏡」「カエルなのにおばあちゃんってことがすごくわかる感じ。なんだか愛おしいですね」「おばあちゃんカエル、頬に自然なチークが…かわいい」「泣けてきた」「ただただ、すごいなぁ…と感慨深く見させてもらいました。おばあちゃんヒキガエルが、少しでも楽に穏やかに過ごせますように」「どんな生き物も最後は介護が必要になりますね! お迎えする前に知ってもらいたい見てもらいたい動画です」などの気付きや感想が寄せられています。

 投稿者さんはYouTubeチャンネル「世界カエル指食われ協会」の他、X(Twitter/@mushi_frog)とInstagram(@mushi_frog)も運営中。カエルたちの日常を写真や動画で伝えています。

動画提供:YouTubeチャンネル「世界カエル指食われ協会