2025/10/29 22:05（公開） 
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田んぼの稲を食害したり、毒を含む卵を産み付けたりすることで知られる外来種の巻き貝・ジャンボタニシ。そんなジャンボタニシが100匹暮らす水槽に“有明海のエイリアン”を投入してみた様子がYouTubeで話題です。動画は記事執筆時点で12万回以上再生されています。
“有明海のエイリアン”を投入
動画を投稿したのは、釣りや水生生物、アクアリウムについて発信しているYouTubeチャンネル「真釣ちゃんねる」のまつりさん。以前には“大事なものを失った”コイをお迎えし、飼育してみる様子が話題となりました。
今回は南米原産の淡水に暮らす巻き貝「ジャンボタニシ（スクミリンゴガイ）」が100匹暮らしている水槽に、“有明海のエイリアン”と呼ばれる生き物を入れてみるようで……？
厄介な外来生物・ジャンボタニシ
ジャンボタニシはもともと食用目的で国内に持ち込まれましたが、逃げ出したり放棄されたりした個体が野生化し、その非常に強い生命力と繁殖力で日本各地に定着した外来生物です。田んぼの稲を食い荒らしたり神経系の毒を含む卵を産み付けたりして生態系や農業に被害を及ぼす恐れがあるため、「日本の侵略的外来種ワースト100」にも掲載されています。
まつりさんは先日、このジャンボタニシが大量に生息しているコンクリートの水路を発見しました。飼育している生き物たちのエサとして活用するため、駆除を兼ねて340匹ほど捕獲してきたそうです。
しかし、ジャンボタニシを捕獲した水路にはヘドロがたまっていたため、まずジャンボタニシの泥抜きをすることにしました。生きたジャンボタニシを水槽に入れたところ、排泄物や汚れなどが大量に出てきて水槽の底がドロドロになってしまったそうです。現在はだいぶ状態が落ち着いたため、庭から取ってきたイネ科の雑草などをエサとして与えているのだとか。
なお、この水槽には200匹のジャンボタニシが入っていましたが、泥抜きが完了した100匹は生き物のエサ用に冷凍したとのこと。貝が大好物のギアナカイマントカゲを筆頭に、クサガメやイシガメ、スッポンやハリセンボンなど、ジャンボタニシを喜んで食べる生き物は意外と多いそうですよ。
ジャンボタニシ100匹に与えたいもの
ジャンボタニシは稲を食い荒らすことから草食だと思われがちですが、実は動物の死骸など何でも食べる雑食の生き物です。まつりさんは以前、外来種であるブラックバスや自宅で捕まえたムカデを丸ごと与えてみるという検証を行いました。
今回は、自分で食べようと思って購入しましたが忘れてしまい冷凍庫の下に埋まっていた「ワラスボ」という魚をジャンボタニシに与えてみることにします。ワラスボは何とも独特な外見の魚で、“有明海のエイリアン”と呼ばれることもあるそうです。
そんなワラスボは普段、有明海などの海底にある泥の中に潜っているのだとか。そのため目は退化してほぼ視力はなく、大きな口に生えた大きな歯がむき出しになっています。さらに体はぬめりが強くてウロコが退化しているという、他の魚にはない面白い特徴をたくさん持っていました。
今回のワラスボは半年以上冷凍庫に入っていたため、冷凍焼けをしているかと思っていましたが意外とまだ食べられそうです。そこで2～3本はジャンボタニシに与え、残りは他の生き物たちに与えたり、まつりさんがおつまみとして食べたりしようかと考えているようです。
なお、このワラスボをジャンボタニシに与えようと思ったのは、冷凍庫に入りすぎていたからという理由に加え、ワラスボの骨格を観察してみたいと思ったからなのだとか。まつりさんは生き物の観察はもちろん、骨を観察することも好きなのだそうですよ。
ジャンボタニシ水槽にワラスボを投入
ワラスボについて説明した後は、100匹のジャンボタニシがいる水槽に中サイズのワラスボを1匹投入していきます。すると早々にジャンボタニシが集まってきて、ワラスボはあっという間にジャンボタニシまみれになりました。
投入から1時間半後。大量のジャンボタニシがワラスボに群がっていて、どうなっているのか全く見えない状態になっていました。お食事中のジャンボタニシにいったんどいてもらって様子を見ると、まだ体の形こそ残っているものの、エラやおなかなどの柔らかい部分が食い破られています。
さらに6時間後。相変わらず大量のジャンボタニシが群がっていますが、ワラスボの状態はどうなっているでしょうか。再びジャンボタニシにどいてもらい、ワラスボをピンセットでつまんで持ち上げてみると……ワラスボは硬いヒレと骨を残し、身や内臓はほとんど食べられていました。
翌日のワラスボは？
そして翌日。投入してから20時間ほど経過したワラスボは、ほぼ骨だけの状態になっていました。ジャンボタニシが100匹いる水槽にワラスボを丸ごと1匹投入すると、約1日でほぼ全てを食べ尽くされてしまうのですね……！
骨を水槽の外に出してみると、体の肉はほぼ食べられていましたが、頬や口など一部の食べづらく硬そうな部分の肉がまだ少し残っていました。しかし、ジャンボタニシのおかげで魚の頭蓋骨とは思えない、悪魔っぽくてカッコいいワラスボの頭蓋骨を観察することができたまつりさんなのでした。
その後はジャンボタニシ水槽にほぼ骨となったワラスボを戻し、骨格として残せる状態になるまでもう少し肉などを食べてもらうことに。ワラスボの骨格についてはしっかり乾燥させて形を残すことができたら、またあらためて報告する予定とのことですよ。
「ジャンタニすごい数いるな」「勉強になりました」と反響
この動画のコメント欄には「ワラスボがジャンタニ食べまくる動画かと思ったら違った」「えっ？ そっち？」「ワラスボがバラモスゾンビみたいになっちゃったな」「ジャンタニすごい数いるな」「人生で初めてワラスボに同情した」「すごい、お勉強になりました」といった声が寄せられています。
まつりさんは、飼育しているたくさんの生き物たちの様子をYouTubeチャンネル「真釣ちゃんねる」で公開中です。
