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半年以上放置したメダカビオトープを解体したら、メダカの天敵といわれるトンボの幼虫・ヤゴは何匹出てくるのか。そんな検証をしつつ、ヤゴとトンボの重要性を教えてくれる動画がYouTubeに投稿されました。
動画を投稿したのは、YouTubeチャンネル「Kazuのメダカ睡蓮ビオトープ」のKazuさん。以前は枯れたりコケまみれになったりと、ボロボロだった水草を植え替えて1カ月後の様子を見せてくれました。
今回は半年以上放置したメダカビオトープを解体したら、何匹のヤゴが出てくるのか調査してみようと思っているようで……?
半年ほど放置しているビオトープ
メダカを飼育している方の多くはヤゴという生き物に対して、「メダカを食べてしまう害虫や悪者」というイメージを持っているのではないでしょうか。
今回解体するビオトープは4~5月辺りに作ってから、撮影日の10月13日まで1回もフルリセットをしていない状態とのこと。半年ほど放置していることから、解体すると中から大量のヤゴが出てくるのではないかと思っているそうです。
ここまでの話を聞いて、「天敵のヤゴがいて、メダカが食べられることはないのか」「半年放置していて水質に問題はないのか、なぜメダカが元気なのか」と疑問を持った方もいることでしょう。この2点について、これから詳しく説明していきます。
ヤゴは害虫? 益虫?
まずはヤゴについて。ヤゴとその成虫であるトンボはメダカやビオトープの害虫だと思われがちですが、実はどちらもビオトープにいるといい影響がある「益虫」なのだとか。その詳しい理由については、後程説明していきます。
Kazuさんによるとヤゴは確かにメダカを食べますが、一部の種類以外はメダカを全滅させるほどバクバク食べるわけではないそうです。特にKazuさんの睡蓮農園に来るショウジョウトンボやシオカラトンボ、オオシオカラトンボ、アジアイトトンボなどのヤゴは弱っているメダカや針子(メダカの稚魚)を多少食べることはあるものの、まず成魚を食べることはないのだとか。
ギンヤンマをはじめとした「ヤンマ系のヤゴ」の場合はメダカが全滅してしまう可能性はあるけれど、一般的にビオトープへとやってくるショウジョウトンボやシオカラトンボ系のヤゴが1~2匹いても、メダカが全滅することはないと考えていいそうです。なおメダカにとって危険なヤンマ系のヤゴと、それ以外のヤゴの見分け方は別の動画で紹介しています。
また基本的にメダカはビオトープの上層部で、ヤゴはビオトープの底の方で暮らしています。そのためヤゴがわざわざ上の方まで来てメダカを襲うことは少なく、基本的には底生生物を食べるか、共食いをして大きくなるのだそうです。
ビオトープの場合は水量も水深もあり、水草などの隠れ家もあるのでよりリスクは少ないとのこと。隠れ家を全く入れていない場合は多少リスクがあるかもしれませんが、そもそもヤゴがメダカを捕食する能力はそこまで高くないそうです。ヤゴ的にもわざわざメダカを襲うより、底の方にいる微生物を食べる方が楽なのかもしれません。
水質の管理方法について
続いて水質についてのお話です。今回解体する予定のメダカビオトープはかなり汚れているように見えますが、どのようにして水質を維持しているのでしょうか。
実はKazuさんのビオトープは沢の水を“源泉かけ流し”の状態でちょろちょろと出し、1週間に2~3回ほど、24時間垂れ流しているのだとか。ビオトープに入った水はオーバーフローして出ていく仕組みになっているため、フルリセットをしなくてもそれなりにキレイな状態が保たれるそうです。
全てのビオトープに対して365日24時間かけ流しにしているのではなく、今日はこの列、翌日は別の列、その次はさらに別の列……と順番にかけ流しをするため、1週間に2~3回ほど水が循環するそうです。このように管理していると、メダカは意外と元気に育ってくれるそうですよ。
ビオトープを解体する
メダカビオトープのヤゴと水質について説明した後は、いよいよビオトープの解体とヤゴの調査をしていくことに。水を排出しながらメダカをすくってみると、早速1匹目のヤゴが出てきました。このヤゴは恐らく、ショウジョウトンボのヤゴだろうとのこと。メダカを入れた容器をよく見てみると、もう1匹小さなヤゴの姿もありました。
続いて睡蓮を取り出し、排水を受けていた皿の中を探してみると……次から次へとヤゴが出てきます。なおKazuさんの睡蓮農園ではヤゴを殺したり処分したりせず、あらかじめ用意してある湿地帯ビオトープとヤゴ用ビオトープに全て放流しているそうです。
その後もひたすらヤゴを救出し続けると、「こんだけヤゴ出てきました」と最終的にはとんでもない量のヤゴが出てきました。タライをきれいに洗ってからヤゴの数を集計してみると……その数は驚きの55匹。同じ容器の中にこれだけのヤゴがいても、メダカは無事なのですね。
ここで「メダカが成魚だから無事だったのでは?」と思った方もいるかもしれません。しかしこのビオトープにいるメダカは今年ここで生まれ、育った個体なのだとか。最初は卵が付いたホテイソウからスタートして、卵がふ化して針子になり、ヤゴとともにここまで大きくなったそうですよ。
なお今回見つけたヤゴはほとんどショウジョウトンボで、シオカラトンボもしくはオオシオカラトンボが数匹混ざっているようです。ここで1匹のメダカを大量のヤゴがいる容器に入れてみると、メダカとヤゴの大きさがほぼ同じであることがわかります。同じ空間にこれほど大きなヤゴが大量にいても、メダカが襲われることはないのですね。
なおKazuさんの農園ではビオトープを1回リセットすると、大体このくらいの数のヤゴが出てくるそうです。ビオトープはメダカの楽園というよりも、ヤゴとトンボの楽園なのかもしれません。
その後は今回救出したヤゴを全て、湿地帯ビオトープに放流することに。湿地帯ビオトープの底はヤゴが潜れる泥になっていて、水草もたくさん入っているほか、イグサや流木などを伝って羽化できるようにしてあるそうです。
ヤゴとトンボの重要性
最後にヤゴとトンボが益虫であることと、その重要性を説明することに。実は水中にいるヤゴの主要な獲物はメダカではなく、蚊の幼虫・ボウフラやユスリカの幼虫・アカムシなどの不快害虫なのだそうです。そのためヤゴがいると、蚊やユスリカが少なくなるのだとか。
さらにヤゴが成長してトンボになると、今度は蚊やユスリカの成虫を食べてくれるそうです。ビオトープは水辺という性質からどうしても蚊やユスリカが集まってきますが、ヤゴやトンボがいればそれらを食べて数を減らしてくれるため、作業がしやすくなるそうですよ。
加えてトンボがたくさん飛ぶようになると、トンボを食べるためにツバメがやってくるのだとか。そしてそのツバメも蚊やユスリカを食べてくれるという、ビオトープを取りまく生態系が出来上がるそうです。メダカが100%無事とは言えませんがある程度は許容して、メダカと一緒にヤゴやトンボを楽しんでみてはどうだろうか、と提案するKazuさんなのでした。
なお睡蓮農園には先ほどの湿地帯ビオトープのほかに、水草を放り込んだヤゴ保護施設という名のヤゴ用ビオトープもあるとのこと。タライ1個でもいいのでこういった施設を作り、ヤゴとトンボの恩恵を受けつつ、水辺に止まるトンボという風情や景色を楽しんでみるのもよさそうです。
「うちも放置してます」「他にエサは多いんだろうなぁ」と反響
動画には、「うちもヤゴは放置してますが、今年はトノサマガエルにメダカをやられました」「結構メダカが減ってるわけでもないのにヤゴは涌いてます。他にエサは多いんだろうなぁとは思う」「針子容器に現れたシオカラ系のヤゴさんほど頼もしい相棒はいないです。あと、スネール大量湧きの容器にもいてくれると冬の間にスネールが適度に数が減ってるのもありがたいですよ」といったコメントが寄せられていました。
Kazuさんは「Kazuのメダカ睡蓮ビオトープ」の他にも、Instagram(@kkkkkk052341)、X(Twitter/@kazu23kazu23k)で、メダカや睡蓮、ビオトープやアクアリウムに関する情報を発信しています。
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