2025年10月24日より劇場版『ゾンビランドサガ ゆめぎんがパラダイス』が公開中。同作は2018年と2021年に放送された、ゾンビィとしてよみがえった少女たちが佐賀県のご当地アイドルと活動する衝撃的な内容で人気を集めたテレビアニメの劇場版。ここでは、総監督を務めた宇田鋼之介へのインタビューをお届けしよう。

※以下、決定的なネタバレは避けつつ、『ゾンビランドサガ』のテレビシリーズおよび、『ゆめぎんがパラダイス』の一部内容に触れています。

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総監督としての仕事は「バックアップ」だった

──『ゾンビランドサガ』シリーズは8歳の甥っ子と4歳の姪っ子がハマっていて、姪っ子は純子ちゃんが「かわいいしうたごえがカッコいい!」ということで大好きみたいなんです。

宇田鋼之介(以下、宇田) それはうれしいです。でも、(ゾンビの顔が怖かったり)小さな子が見てもいいのかなと心配もしてしまう部分もありますが(笑)。

──姪っ子は、第1話の冒頭のあのシーンで「ひだりみぎちゃんとみないとダメだよ!」と言ってて、教育上もいいような気がしましたよ。それはともかく、劇場版『ゾンビランドサガ ゆめぎんがパラダイス』めちゃくちゃ面白かったです! 宇田さんはテレビシリーズにも関わっていらっしゃいましたが、今回は総監督としてどのような仕事をされたのでしょうか。

宇田 基本的には佐藤くん(佐藤威監督)と石田くん(石田貴史監督)に全面的にやってもらいました。ただ、おふたりとも劇場アニメの監督が初めてでしたから、自分は「バックアップ」側に回ろうと務めていましたね。 「自分の中では経験上、これはこうした方がいいよ」とアドバイスをしたり、「先手を打った」こともありました。その上で、思う存分やってくれたほうが本領発揮できる、絶対に面白いものができると確信していました。

(C)劇場版ゾンビランドサガ製作委員会

── 先手を打ったというのは、具体的にどのようなことなのでしょうか。

宇田 カメラワークのこだわりが提案されれば、スタッフのみんなの前でテーブルに出して、「どういうふうにしたら実現するのか」と話し合うといったことですね。僕自身が失敗したことがいっぱいあったので、できれば同じ苦労はしてほしくなかったんです。

 また、本来であれば僕も絵コンテに参加する予定があったのですが、シナリオ会議のときよりも大作になりすぎちゃったこともあって、その絵コンテの部分は書き始める前から削られていました。僕もある程度は演出を手伝ったものの、結果的にはやっぱり佐藤くんと石田くんがメインで絵コンテも担当していましたね。