コンクリートを使って、メダカのビオトープを大改造。その様子を動画として公開したところ、視聴者から多数のコメントが……。寄せられた指摘に対し、緊急で現状の調査と実験をした様子がYouTubeに投稿されました。動画は「めちゃくちゃ感動」「ハラハラした」と注目を集め、記事執筆時点で4万7000回以上再生されています。

【緊急報告】コンクリートを使用したメダカビオトープについての現状報告と、コンクリートが水質に与える影響を緊急調査しました|アクアリウム|生き物|飼育

 動画を投稿したのは、アクア系YouTuberのKOKOさん。自宅で飼育中の海水魚やサンゴ、メダカや金魚たちの成長記録をYouTubeチャンネル「みんな〜アクアやろ〜よ!」で公開しています。

 以前には、異なる特徴を持つ2種類のメダカを掛け合わせ、理想の姿を目指していく様子を紹介しました。今回はコンクリートを使用して大改造したメダカビオトープの現状と、コンクリートが水質に与える影響を調査・報告していきます。

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ビオトープの現状を調査

 KOKOさんは先日、コンクリートを使った容器などを自作し、それらを使ってメダカのビオトープを大改造しました。しかし、その様子を動画として公開したところ、多くの視聴者から「コンクリートは強アルカリ性であり、飼育水に溶け出して急激にアルカリに傾き、メダカが死んでしまう可能性がある」という、数多くのコメントが寄せられたそうです。

 まず動画にコメントをくれた視聴者に感謝を伝えつつ、心配になったため、これからpH試験紙を使い、実際にビオトープのpHを測ろうと思っているとのこと。なお、もともとコンクリートを使ったことが気になっていて、ビオトープは2日に1回くらいのペースで水換えをしていたそうです。

まずはコンクリートと水の接地面が少ない「ジュラシックビオトープ」から測定

 まずは2カ所にコンクリートを使用した「ジュラシックビオトープ」で測定をしてみると、そのpHは7.5でした。淡水魚に適するpHは6.5~8.0の範囲なので、特に問題はなさそうです。

ジュラシックビオトープのpHは基準値内でした

 次は1カ所にコンクリートを使用した「和風ビオトープ」を測定すると、こちらのpHは7.0でした。幸いなことに、こちらのpHも特に問題はないようです。

コンクリートと水の接地面が多い「和風ビオトープ」
和風ビオトープのpHも基準値内でした
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コンクリートが水質に与える影響

 どちらもpHが基準値以内だったことに胸をなでおろしつつ、続いてはコンクリートが水質にどれほどの影響を与えるのか、実験してみることに。

 ペットボトルを型に使ったコンクリート製の器を2つ作り、丸1日乾かしたら準備完了。片方を「A」、もう片方を「B」とし、コンクリートの器が完全に沈む容器に対し、前日からくみ置きしておいた水とともにコンクリートの器を入れたら実験スタートです。

コンクリートが水質に及ぼす影響を調査します

 Aの容器は水換えをせずに毎日pHを測定して、変化を確認。Bの容器は実際のビオトープの状態に近付けるため、毎日水換えをしてpHが維持できるのか確認していきます。コンクリートを入れる前のpHはA、Bの容器ともに7.0でしたが、どのように変化していくのでしょうか。

 実験開始から24時間後。早速pHを測ろうとしたところ、どちらの容器にも油膜のようなものが浮かんでいます。とりあえずpHを測定してみるとA・Bの容器とも10.0という、今回使用している試験紙で測定できる、最も強いアルカリ性を示しました。

翌日、水面には油膜のようなものが
容器の水は強いアルカリ性になっていました

 Aの容器については水を換えないため、明日以降もpHはアルカリへと傾くものと考えられます。しかしすでにpHが測定できる最大値を示しているため、測定はせずにこのままにしておくことに。

 Bの容器はジュラシックビオトープや和風ビオトープと同じように、半分水換えを行います。しかし念のためにと、水換え後にpHを測ったところ、水換え前と同じ10.0のままだったため、急遽水を全量換えることにしたのでした。

 実験開始から2日後、Bの容器のpH は9.5に下がっていました。その後も全量水換えを行いながら3日目、4日目、5日目、6日目とpHを測定した結果、6日目には基準値内である8.0に。なお実験中にジュラシックビオと和風ビオトープのpHも測ったところ、どちらも数値に変わりはなかったそうです。

pHは少しずつ下がり、6日目には基準値内に
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コンクリートのアク抜きに挑戦

 実験がひと段落したところで、今後もコンクリートを使っていく場面も多いだろうことから、セメントアク抜き剤を使った「コンクリートのアク抜き」に挑戦してみることに。

 今回使用する「アクアマリン」というアク抜き剤の場合は、3時間以上漬け込んでおけばコンクリートのアクが抜けるとのこと。そこで、ビオトープに設置してあるコンクリートと、実験で使ったBの容器のアクを抜いてみることにしました。

アク抜き剤の効果が気になります

 まずはアク抜き剤を入れた水にコンクリートを3時間ほど漬け込み、真水でよく洗い流します。この後はふたたび真水に漬けておき、pHの変化を見守っていく予定でいるそうです。

 なお、実験中には水を換えずに6日間放置していたAの容器の水を全量替え、1日置いておいたところ、pHが10.0から9.0になっていたそうですよ。

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検証・実験のまとめ

 検証の結果、コンクリートで作ったものを水に入れるとpHの値が上昇し、強いアルカリ性になることがわかりました。また、毎日水換えをすると、6日目くらいからpHが基準値内になることもわかり、大きめの容器でやればもっと早い段階でpHが基準値内になったのかも? とも思ったそうです。

今回の実験結果

 また、自身と同じようにコンクリートを使ったビオトープを作る人がいた場合、メダカが命を落とす可能性があったため、この動画をすぐに公開したかったものの、実験をしていたこともあり、数日かかってしまったことを申し訳なく思っていると話します。

 コンクリートに関する危険性や危機感をもっと持つべきだった、もっと理解してから動画を出すべきだったと反省しつつ、あらためてコメントをしてくれた視聴者に感謝の言葉を述べるKOKOさん。とにかくメダカが無事でよかったと安堵しつつ、身が引き締まる思いと、今後さらに気を付けていきたいと動画を締めくくりました。

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勉強になりました」「貴重な経験になりましたねと反響

 動画には、「コンクリートとpHについて知らなかったのでとても勉強になりました。ここに集うアクアリウムの賢者達に感謝です」「池をコンクリートで造る時にアク抜きしなきゃいけないと聞いたことはあったけど、私も小さい容器造るとしたらアク抜きのこと忘れそう」「貴重な経験になりましたね」といったコメントが寄せられていました。

 KOKOさんは、自宅のアクアリウムの様子をYouTubeチャンネル「みんな〜アクアやろ〜よ!」、Instagram(@koko_min.aku)、X(@koko50482745)で発信中です。

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