ねとらぼ
カタツムリ
2025/11/19 22:05(公開)

仕入れた植物に紛れ込んでいた“ちいさな命”→箱の中で愛情たっぷりに育てたら…… 「めちゃくちゃすごい!」「感動」

 普段コケや植物が主役の動画を発信しているYouTubeユーザーが、仕入れた植物に付着していたカタツムリのために飼育レイアウトを本気で作る動画が注目を集めています。動画は記事執筆時点で4万5000回以上再生され、1700件を超える高評価を獲得。これが愛か……!

はじめてのカタツムリ飼育【カタツムリウムの作り方】No.205
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はじめての「カタツムリウム」作り

 動画が公開されたのは、コケの専門ブランド「道草michikusa」の代表・石河英作さんが運営するYouTubeチャンネル「苔テラリウム専門-道草ちゃんねる-」。普段はコケテラリウムの作り方や植物の育て方などを発信していますが、今回は初めてカタツムリ飼育のためのテラリウム「カタツムリウム」を作っています。

 ちなみに、動画のカタツムリは、購入したランにたまたま付着していた個体。植物にとっては害虫ですが、投稿主さんは見ているうちにカタツムリがかわいくなってしまい、育てることを決心しました。

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掃除のしやすさを考えた土台

 用意したのは、生き物飼育用のレプタイルボックス。透明なアクリル製で、側面や上部に通気孔があります。サイズは幅150ミリ×奥行き150×高さ250ミリ。

 まずは、生き物の排泄物を洗い流すための仕組みとして、ネットで見つけた情報を参考にした排水システムを作ります。ネコよけマットを底面のサイズにカットし、その丸い穴部分に、鉢底ネットを丸めて結束バンドで留めた筒状のものを配置。ボックスに設置する際は、ネコよけマット全体にも鉢底ネットを敷いて、さらにその上にろ過マットも敷いてからソイルを入れています。

 これにより、底に汚れを溜めるすき間を作りつつ、溜まった汚れごと水を抜き取るクリーナーポンプを差し込めるようにしています。

排水システムを備えた土台を作っていきます
排水システムを備えた土台を作っていきます
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植物やコケを配置する

 土台ができたら、次に植物を配置するためのパーツ製作です。油粘土で低めの円柱を作り、その形に沿ってミニチュアレンガを積みながら並べて接着していきます。接着には、固まったあとも柔軟性があるバスボンド(シリコンコーキング材)を使用。約2時間後に油粘土を抜いて外したら、かわいい井戸風ミニチュアが完成しました。

 ちなみに、同じミニチュアレンガを使い、上記のクリーナーポンプを差し込む穴を塞ぐための小さな板も作っていますよ。こちらは防水用強力両面テープに貼り付けて製作。

 ソイルの上に井戸を置いたら、その周りに川砂利を敷いてから、井戸の中に「斑入りハクチョウゲ」を丁寧に植え付けています。他にも「ヒナスミレ」「ヒメユキノシタ」「アイビー“タイニーブッシュ”」と、3種類の小型の植物を周りに植えています。

コケを植える様子
コケを植える様子

 最後に、植えすぎない程度にコケを植えていきます。ハクチョウゲの周りに植える際は、木の根元のソイルを高くして山状に植えています。

カタツムリをコケテラリウムで飼育したら……

 水を与えて数日後、環境が変わったことでハクチョウゲが一部の葉を落としたので軽く掃除しました。植えた樹木は2週間程度で環境に馴染んで落ち着くとのこと。そしてテラリウムを作製してから1カ月後に生体を入れることができるとして、今回は約4週間後にカタツムリをテラリウムに招待しています。

約1カ月の期間をおいてからカタツムリを入れています
約1カ月の期間をおいてからカタツムリを入れています

 カタツムリの種類は、オナジマイマイ。越冬して数年生きるとのこと。殻径はだいたい18ミリになるそうで、現在約12ミリのこちらのカタツムリさんはもう少し大きくなりそうでした。しっかり専門の図鑑『カタツムリハンドブック』(文一総合出版)で調べているあたり、本気でカタツムリを飼育する覚悟を感じますね!

 ごはんも栄養バランスを考えていろいろな野菜を与えているそうで、殻を作るのに大切なカルシウムとして牡蠣殻も与えています。動画ではナスを食べる様子が見られますが、気に入ったのか表面にぴったりとくっついている様子がなんともかわいらしいです。

ナスを食べるカタツムリ
ナスを食べるカタツムリ

 なお、後日にネットで調べると、カタツムリのエサとして「コケ」が出てきたとのことで、コケテラリウムで育てている投稿主さんは心配に……。現在のところは大丈夫そうですが、ヒナスミレの葉は少しだけ食べられてしまっていました。

 投稿主さんは現在、エサを3~4日に1回の頻度で新しいものに交換したり、容器の汚れを定期的に掃除。排水システムを使った“水洗い”は、だいたい1カ月に1回行っています。

容器内に水をかけてからクリーナーポンプで抜き取って掃除しています
容器内に水をかけてからクリーナーポンプで抜き取って掃除しています
コケと共生してくれるといいですね……!
コケと共生してくれるといいですね……!

 ……と、ここまで見てきましたが、カタツムリ1匹を飼育するための環境・仕組みとしてはどう見てもオーバースペック! 投稿主さんいわく、カタツムリをかわいく思うあまり、本来は必要ないレベルまで作ってしまったとのことでした。

 また、カタツムリの飼育については、いろいろ情報を収集しながら試行錯誤中。夜行性のため日中はほとんど姿を見せず、土に潜って休んでいる姿を見て、隠れやすいように落ち葉を入れてみました。すっかりカタツムリの“飼い主”になった投稿主さんの愛情を感じる行動にほっこりしますね。

カタツムリのために落ち葉を入れた様子
カタツムリのために落ち葉を入れた様子
元気に育ってね!
元気に育ってね!

「癒されました」「細やかな気遣いを感じます。感動」と反響

 動画には、「こうやってテラリウムにするとカタツムリも可愛いですね」「癒されました」「ちゃんと継続的にする手入れのことまで考えられてるのめちゃくちゃすごい…!(中略)生体を入れるならその命ある期間でどう快適に過ごしてもらえるか、というところまで細やかな気遣いを感じます。感動」といった声の他にも、テラリウムのさすがのクオリティの高さに「ちっちゃい庭みたいな感じで良い」との賛辞も寄せられています。

 YouTubeチャンネル「苔テラリウム専門-道草ちゃんねる-」では、いろいろな種類のコケテラリウムの作り方、レイアウトテクニック、気になる検証記録などが公開中で、以前には、小さめの容器の中に“ミニチュアの滝”を作る動画が話題になりました。

 情報はYouTubeチャンネルの他に、Instagram(@michikusa3193)やX(Twitter/@warannahito)、公式LINEWebサイトでも発信中です。また、“コケで起業”した石河英作さんがこれまでを振り返り、ニッチな分野に特化した小さなビジネスを育てていく方法を書き下ろした著書『小さな苔ビジネスのはじめ方』が販売中です。

「苔テラリウム専門-道草ちゃんねる-」動画まとめ

苔壁のある苔テラリウムの作り方【ほぼノーカット版】No.196
フタがないオープンテラリウムの作り方と管理方法No.204
コケの水やり完全版|水質・足し水・ソーキングすべてがわかる No.200

動画提供:YouTubeチャンネル「苔テラリウム専門-道草ちゃんねる-

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