藝大生が「二色」をテーマに藝大模試の課題に挑んだら……。目を奪われる作品がX(Twitter)に投稿され話題になりました。投稿は記事執筆時点で414万回以上表示され、10万件を超えるいいねを集めています。ねとらぼ編集部は投稿者に制作時の思いについて話を聞きました。

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現役藝大生が描く受験絵画

 投稿者は東京藝術大学工芸科1年生のCHIKA(@ichinidoryoku)さん。「久々に描いたんです『二色』をテーマに」と添えて自身が制作した絵画を投稿しました。

 描かれているのは切られたかぼちゃと、まばらに散ったかぼちゃの種、一輪のガーベラ、三本の真ちゅうパイプです。かぼちゃがキャンバスを二分するように配置され、上半分が黄色、下半分が緑色に塗られています。かぼちゃは皮と果実、種の周りで質感が違うことが、見ているだけで伝わってきますね。これは確かに「二色」だなぁ……。

「二色」をテーマにした作品

 台に置かれた絵画には4枚の付箋が貼られ、下には「1位87点」と書かれた紙が貼られています。実はこの作品は藝大進学後、藝大受験のコンクール(模試のようなもの)に講師として参加したときに制作したものなのだとか。工芸科2次試験の“平面表現”に合わせ、6時間で描き上げたそうです。6時間でゼロからこれを……?

 リプライ欄ではつけられた「87点」に驚く声も見られましたが、CHIKAさんによると「藝大受験の課題のひとつなので点数という側面も付きまとってしまいます」「だいたい1位は90点いかないくらいが相場なので割とデフォです」と説明していました。

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制作プロセスも一部公開

 CHIKAさんは寄せられた多くの反響を受けて、制作のプロセスも公開。ラフスケッチで構図を固める様子や下絵から着彩、完成に至るまでの過程を投稿しました。作品のポイントについて、「『二色』がテーマだったので与えられたモチーフのかぼちゃが持つ固有色の対比に着目しました」と伝えています。

ラフスケッチ
物体を描いていく
色を塗っていきます
完成!
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製作者のCHIKAさんに話を聞いた

 受験絵画という、少し特殊な状況で制作されたこちらの作品。どのようなアイデアや思いを込めたのか、制作時に意識した点はなにか。制作者のCHIKAさんに、ねとらぼ編集部がお話を聞きました。

ーー構成はどのように考えていくのでしょうか。ほかにも複数のモチーフがあり、その中から選んで描く形でしょうか。

CHIKAさん:モチーフはガーベラとかぼちゃと真鍮パイプのみ与えられていてそれを「二色」をテーマに構成しなさい。という課題でした。構成については自分がこの画面のコンセプトにしているかぼちゃが持つ固有色二色(黄色と緑)の対比に着目し、画面全体がその二色のベースカラーになるのに対して、描写したかぼちゃと背景色の二色同士が同化したり対比したりして見えてくる画面を意識した上で他のモチーフにも役割を与えて構成しています。

ーー作品制作の中で特に注力された部分がありましたら教えてください。

CHIKAさん:藝大受験は与えられた課題にしっかりと自分の答えを明示し、如何に自分の良さを採点してくださる教授陣に作品で伝えるか。が大切な事だと思っています。この作品は予備校のコンクールに講師として参加した際の作品なのですが、上記のように他者に今回の与えられたテーマである「二色」がどこまで明確に伝わるかを最も意識して制作しました。

(了)

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鮮やかな作品に反響

 この作品にXでは「”点数”って言葉で収まるレベルの作品じゃねぇだろ」「構成も色の使い方もめっちゃ好きです」「俺やったら10000万点つけてやるところだけど」「テーマとピッタリですごい」「見てて気持ちいい絵 マジで落ち着く」「『えっ…うまぁぁ………っ』てリアルで声でちゃった」といった反響が寄せられています。

 CHIKAさんはX(@ichinidoryoku)の他、Instagram(@chika_aji0910)でも自身が制作したさまざまな作品を公開中。受験作品だけではなく、絵画や立体、工芸品、映像、音楽などジャンルを問わない制作を発信していくそうです。

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画像提供:CHIKA(@ichinidoryoku)さん