葉や幹に産み付けられた白いフワフワ「絶対放置しないで」　各県が注意を呼びかける“ヤバイ害虫”「家のベランダにも沢山」「まじで今年そいつよく見る」

　全国的に被害報告が増えている“害虫”に関して注意喚起する動画がYouTubeで話題です。各自治体からも防除対策が呼びかけられており、実際の虫と産卵痕を紹介する動画に「何だろと思ったらこれか」「知れて良かった」などの声が上がっています。記事執筆時点で41万回以上再生され、高評価は6000件を突破。

各地で多発する「チュウゴクアミガサハゴロモ」の数を減らすために

　投稿したのは、苗木のネット通販を生業とする吉瀬（きちせ）さん。YouTubeチャンネル「吉瀬園芸」。では、管理する農園で育てている果樹の紹介や、害虫駆除や予防、便利なアイテムなど、園芸に関する情報を広く発信しています。

　動画で注意を呼びかけている害虫は、中国原産の昆虫でカメムシ目ハゴロモ科の「チュウゴクアミガサハゴロモ」。都内では2024年10月に農作物の被害が確認され、2025年の春以降も発生が継続。さらに複数の都府県から同種の特殊報が発令されるなど、全国的に被害報告が増えています（参考：東京都）。

　吉瀬さんによると、冷え込んできて成虫の数は減ったものの、越冬のための産卵が始まり、その産卵痕が多く確認されたとして、「来年少しでも個体数が減らせれば」と対策を共有しています。

成虫の見た目

　成虫が枝にとまっているときの見た目は蛾に似ています。現時点では同種に使用できる薬剤はないため、基本的に捕殺することになります。吉瀬さんは、成虫を見つけたら手袋をつけた両手でバチンと、とまっている枝ごと挟んで潰していたとのこと。

　吉瀬さん自身の経験だと、チュウゴクアミガサハゴロモに触れた際、成虫も幼虫もチクッとしたことが多くあるといい、できるだけ素手では触らないよう呼びかけています。

産卵痕とその防除方法

　次にチュウゴクアミガサハゴロモが産卵した痕です。吉瀬さんの農園内でよく卵がついていたのはブルーベリーや柑橘、ポポー、山椒など。白いふわふわとした見た目で、果樹の枝だけでなく、葉っぱの裏側などにもあるのが確認できました。

　この白いふわふわの部分だけ落としても効果はなく、卵は幹の深くに産み付けられているため、基本的にその枝ごと切除しましょう。なお、この幹の深い部分に産卵することが原因で、その部分から後々折れてしまうといった被害が多くあるようです。

　もし大事な枝で切らずに残したい場合、深い部分まで削れば卵を駆除できるかもしれませんが、吉瀬さんは「大体ポキンて折れてしまうことが多い」として枝ごと切ることをおすすめしています。

　また、同じ汁を吸う害虫であるカイガラムシも紹介しています。見た目が白くて似ているため、知らないと間違ってしまうそうです。こちらも見つけたら早めに対処しましょう。

　チュウゴクアミガサハゴロモの卵を探す場合、上からでは見つかりにくいため、できれば苗をひっくり返すなどして下から見るよう伝えています。

　また、特に柑橘苗に多い注意点として、産卵後に出てきた樹液によって特徴的な“白いふわふわ”が消えてしまっていることがあるのだとか。そのため、見逃さないようにじっくり観察しながら駆除を進めましょう。

別の害虫の駆除も一緒に

　駆除作業では、イラガのサナギを発見することも。そういったものも一緒に対処しながら、冬の剪定も併せて進めるとよさそうです。

　今回、農園内を駆除してまわった吉瀬さんは、「やっぱりクモはかなり頼りになります」とコメント。クモの巣が張っている木は、ない木に比べて極端に被害の枝が少なかったそうで、なるべくクモと共存できるようにすることで被害も減っていくかもしれないと感想を話しています。

「すごい発生して困っています！」「とんでもない数でした」

　こちらの動画には、「まじで今年そいつよく見ると思ったら…」「家のベランダにも沢山います。今年から急にです」「わからず放置してたら、成虫になり全ての夏野菜がやられました。とんでもない数でした」と目撃・被害報告が多く寄せられており、来年の数を減らすための対策に「拡散せねば」「勉強になりました。参考にします」「来年が怖いのでこれから冬場にかけて駆除したいと思います」などの反応が届いています。

　吉瀬さんは同チャンネル（@KichiseEngei）の他、Instagram（@kichise_engei）／X（Twitter：@ueki_niwaki）で情報を発信中。果樹の苗木はYahoo!ショッピングやPayPayフリマにて販売しています。

動画提供：YouTubeチャンネル「吉瀬園芸」