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北海道土産の「くまグミ」がX(Twitter)で紹介され、一躍人気に。受け継がれてきた技術を、クオリティーもそのままにポップで皆の手に渡りやすい形に変える、ステキなアイデアが詰まっています。
北海道土産の「くまグミ」開けてみると……?
投稿者は、イラストや工作などを制作している「たばね」(@_tabane)さん。今回の投稿では、「北海道で買ったくまグミ、『北海道が作るくまグミ』すぎて嬉しい!!木彫り!」と北海道で購入したというお菓子の写真をシェアしました。熊のグミとは、ベアグミのようなお菓子なのでしょうか……?
中身を取り出してみると既視感しかないこのグミは、皆が1度は目にしたことがある、あの「鮭をくわえた木彫りの熊」そのままのかたち。彫刻で表現した繊細な毛並みも見事に再現されています。これは予想外……!
お土産として人気の木彫りの熊は、いつしか鮭を口にくわえて顔をこちらに向ける、あのポーズが定番のようになり、北海道土産として広まっていきました。自宅にあったという人、親戚や知人宅で目にしたことがあるという人も多いのではないでしょうか。
「こんな木彫りの質感出せるのすごっ」と反響
フレーバーはラムネ味で、透明感のある水色がとてもきれい。たばねさんが「硬めの歯応えがまた良い」と紹介したところ、「えっ?!グミでこんな木彫りの質感出せるのすごっ」「こんなグミ初めて見た」「すごいクオリティー」「お土産に喜ばれそう」「ほ…ほしぃ…」など多くの反響が寄せられています。
この「くまグミ」を企画開発したのは、「OUMI」(@dekotsue)さん。たばねさんはくまグミを北海道大学総合博物館のミュージアムショップで見つけたそうですが、OUMIさんの企画開発した商品を販売する「MVP CREATIVE JAPAN」でも648円で販売されています。今回ねとらぼ編集部では、OUMIさんにこのくまグミ開発の背景について聞きました。
開発者に聞く「くまグミ」ができるまで
OUMIさんがくまグミを作るきっかけとなったのは、北海道・白老町で木彫りの伝統工芸師がもう数人になり、皆が高齢化しているという話を耳にしたことでした。
そして3Dプリント商品の製作を本業とするOUMIさんに、木彫りの伝統工芸品を「3Dデータ化してアクセサリーなどにできないだろうか」との相談が。そこで同地の工芸作家・山田祐治さんに会いに行ったところ、山田さんは「木彫りの熊は一日に彫れる作業量が限られているから大量生産はできないし、店先にいると小学生の子どもたちが欲しそうにしているけれど、大きいし高額なので、なかなか喜ぶ顔を見ることができない」と語りました。
その話を聞いたOUMIさんは、当初はアクセサリーを作るつもりでしたが「山田さんの木彫りを小さな置物にして、たくさん作れるようにすればいいのでは」と“置物”作りから始めることに。鮭をくわえた熊の木彫りを3Dスキャンし、光造形方式の3Dプリンターでレジン成形したものを作って山田さんに見せると、それまでは寡黙で口数の少ない印象だった山田さんが「なんだこれは! すごいな!」と驚き、熱くたくさんのことを語ってくれるようになったそうです。
3Dプリントの置物からグミ作りへ
こうして、ものづくりのつながりをsinkop(アイヌ語で“つなぎ目”の意味) と名付け、ブランド化し2021年10月に販売スタート。リリースすると、光造形の見た目に対して「グミみたい!」という声が多く届き、それなら本当にグミも作れないかと、北海道はもちろん全国のグミ製造会社を調べたといいます。
しかし、これほどまでの細かい毛並みを大量生産で作るのは難しいと断られ、半ばあきらめかけていた2023年。これまでにも商品開発を手伝ってくれた人から、「新規事業で挑戦してくれる企業を見つけましたよ!」と連絡を受けました。
そこから、グミを製造する企業と、「毛並みをどう表現するか」「くわえた鮭がちぎれないための型作り」などと何度も試作を重ね、いよいよ2024年10月にくまグミを発売。店頭に出した途端あっという間に売れてしまったそうです。
Xのバズをきっかけに状況が一変
ネットショップ販売は準備できたものの、食品の販売店舗とどう交渉すればよいか思案していたOUMIさん。その矢先、Xでsinkopの記事を書いたミュージアムグッズ愛好家の大澤夏美さんが、くまグミを紹介していたことに気づいたといいます。
同時に、月に数件しかなかったくまグミの注文が入りはじめ、「何が起きているの……?」と驚いたOUMIさんは、今回のたばねさんによる投稿がXで注目を集めていたことを知ったのでした。そして在庫を見るとなんと残り“1袋”。急いで在庫を増やし、帰宅して状況を整理し、たばねさんにお礼のコメントを送ったそうです。
くまグミはその2日間で100袋売れ、1人で20個購入した人も。さらに1週間がたつと、たばねさんの投稿を見た販売店から問い合わせが相次ぎ、販路に困っていた状況が一変。ついに年明けには北海道の空港や駅で販売できそう、というまでになりました。
この状況についてOUMIさんは「この展開はXで話題にしてくださった皆様のおかげです!! 寡黙だった山田さんも、今では『3Dプリンターで作るなら、この彫り方の方がいいか?』と、新しい作り方や技術にも積極的に意見を出してくれるようになりました。伝統を継承していくことに加え、ご本人も新しい取り組みを続けていく未来が見えていると感じています」とコメント。「この商品は、1袋売れるたびに木彫り作家の山田さんにも売り上げの一部が入るので、これからも一緒に頑張って売っていきます!」と意気込みを語りました。
新たな北海道土産として“発見”された「くまグミ」。伝統を取り入れつつ、かわいくてユーモアもある定番のお土産として、さらに広がっていきそうですね。
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