ねとらぼ
2025/12/27 20:30(公開)

大型のフィギュアをモデラーが塗装すると…… 圧倒的クオリティーに「見違えました!」「これは推せる」

 「オベリスクの巨神兵」のプラモデルを、モデラーが“部分塗装”で仕上げる動画がYouTubeに投稿されました。圧倒的クオリティーの出来映えが「カッコいい」「すごい」と反響を呼び、記事執筆時点で1万1000回以上再生され、360件以上の高評価を集めています。

advertisement

『遊☆戯☆王』の「オベリスクの巨神兵」を……

 動画を投稿したのは、プラモデルの独自塗装や模型用の道具を紹介しているYouTubeチャンネル「プラモ塗装フルスクラッチやろう是」。以前には、模型作りでの100均アルミテープの活用法や、アーマード・コアのプラモデルへの本気の塗装などが話題になりました。

 今回は漫画『遊☆戯☆王』に登場するモンスター「オベリスクの巨神兵」を、キットに元々付いている色を生かしつつ“部分塗装”により高額な完成品風に仕上げてみます。使用するキットは2025年4月に発売された「Figure-rise Standard Amplified -三幻神降臨- オベリスクの巨神兵」です。

advertisement

造形の気になる点を改修する

 まずは普通に組み立てます。ブルーのパーツのいくつかは微妙に異なる色合いになっており、塗装なしでも十分にカッコいい仕上がりです。この元々の色をそのまま生かしつつ、部分塗装でクオリティアップしていきます。

組んだだけの塗装なしの状態

 この状態でまず改修すべき点をチェックしていきます。目はシールで再現されているので、ここはくり抜いてLEDで電飾することに。歯の造形は彫り直します。こぶしの指が分かれていない部分は作り直します。そのほか、プラモデルゆえの各部の継ぎ目は一部を除き、基本的に消すことにします。

 こぶしをリューター(ハンドグラインダー)で削って造形しようとしたところ予期せぬ穴が空いてしまったので、低出力にしたハンダごてでランナー(プラモデルのパーツを枠に固定している棒)を溶かして埋めつつ造形します。すべて塗装する場合はパテ埋めで対処しますが、今回は部分塗装なので同じ色のランナーを使いました。

指が融合していた元の造形を修正
advertisement

表面加工でディテールアップ

 継ぎ目を接着していきますが、関節部分は接着後も着脱できるよう改造します。翼については開くギミックを残したいのと、改造するには強度に不安があるので、継ぎ目はそのまま残すことにします。

 接着した箇所は低出力のヒートペンで溶かしながら継ぎ目を消し、同時に“筋繊維”の質感もこれで細かく溝を入れて造形していきます。

ふともも部分にヒートペンで細かい筋を刻む
圧倒的ディテールアップ……!

 爪の先端などにはエッチングのこぎりで傷を付けて、皮ふが硬くなった感じを演出。さらに、ツールウォッシュ(塗料汚れを落とす洗浄用溶剤)と筆型ワイヤーブラシを使い、全体に質感を足していきます。

 ツールウォッシュをパーツに塗ると表面が溶けるので、そこをワイヤーブラシで軽く叩くと生物っぽいザラっとした質感が付きます。また、ヒートペンで付けた質感の角が取れてなじむ効果もあります。なお、ほかの工程もそうですが、この作業は特に十分な換気とマスク着用が必須です。

ワイヤーブラシでザラっとした質感を付けていく

影を入れてメリハリを出す

 ツヤ消しクリア塗料を全パーツにスプレーしたあと、純色シアンという塗料をベースに影の色を作り、エアブラシを使って谷になっている箇所と下を向いている面へ吹きつけます。ここまでに作った質感が生きるように、大げさなくらいに影を入れるのがコツです。大きな羽は間延び感が出ないようにムラっぽく影を入れます。

エアブラシで影を入れる

 全パーツに影を入れたのでいったん組んでみますが、胴体部分以外がぼんやりとしてメリハリに欠けるので、やり直します。筋肉のバキバキ感がさらにわかりやすくなるよう、しっかり影を入れるといい感じになりました。

汚し塗装でもメリハリを意識する

 次にウォッシングです。ウォッシングといいますが、実際は薄い塗料で全体を洗うように塗ることで“汚し”を加える作業となります。今回は、マリンブルーの塗料と黒に近い緑の塗料を洗剤と水で薄く溶いて全体に塗ります。

 塗り終わったら、洗剤を含ませたキッチンペーパーで光が当たるところを重点的に拭き取りメリハリを付けます。しかし、これだけだと陰影が弱いので、工業用アルコールでもしっかり拭き取ります。このときに目の細かいスポンジやすりも使い、磨くようにして拭き取ります。

汚し塗装のあとスポンジやすりで磨く

ハイライトも入れてついに完成

 再度全体を組み立ててみて、さらに強い影が欲しいところには黒緑の絵の具を筆で直接塗ります。一方でハイライトとして、白とシアンのラッカー塗料をリターダー(溶剤の一種)で薄めてブラシに付け、紙を使ってブラシに塗料がわずかに残る状態にしてから、パーツの尖っている箇所や先端部分に色を入れます。

 胸板など目を引くところにも同じようにハイライトを入れ、一部は面相筆で直接描き込みます。筆で描いた部分はテカってしまうので、そこへツヤ消しクリア塗料をスプレーしておきます。

面相筆でもハイライトを入れる

 作業中、羽の軸が折れるアクシデントもありましたが、金属芯を埋め込んで支える構造に変更。目を光らせるLEDのセットも終え、再度組み立てるとついに完成です。

 この後、アクションベースの軸が折れるというアクシデントもありましたが、それも何とか改修して今度こそすべてが完成。筋肉バッキバキで重厚感満点なオベリスクの巨神兵が爆誕しました!

見よ、この圧倒的重厚感!
筋肉のバキバキ感もすばらしい……

「重厚感マシマシでかっこいい!」「見違えました!」

 コメント欄には、「オベリスクかっこいいですね!」「見違えました! 凄いです!!」「上手い人の作例は勉強になる」「重厚感マシマシでかっこいい! 陰影の部分がかなり濃く強調されていて、見ている側にオベリスクの強大さをより深く植え付ける様な仕上がりに……これは推せる!」という反応が寄せられています。そのほか、海外からの声も見られました。

「プラモ塗装フルスクラッチやろう是」動画まとめ

画像提供:YouTubeチャンネル「プラモ塗装フルスクラッチやろう是

2026年1月3日から5日間限定で「Amazon初売り」が開催!家電・日用品・ファッションなど人気商品が新年特価に。お得な初売りセールをお見逃しなく!

※本ページはアフィリエイトプログラムによる収益を得ています

関連タグ

Copyright © ITmedia Inc. All Rights Reserved.