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プリキュアは、いつから「世界」ではなく「あなた」を救うようになったのでしょうか。
子ども向けアニメとして20年以上親しまれてきた作品が、誰を守り、何を救ってきたのか。その変化を学術的な視点から整理した論文があります。
今回は、お茶の水女子大学の紀要論文「アニメ『プリキュア』シリーズにおけるケアに関する価値観の変容」をヒントに「キミとアイドルプリキュア♪」が描いてきたものは何なのか、を考えていきたいと思います。
キミとアイドルプリキュア♪で描かれているもの
2025年12月。「キミとアイドルプリキュア♪」も佳境に入ってきました。
おすもうさんが主役になる回やバナナのコスプレがオチになる回など、明るく楽しい作風が魅力の本作ですが、さすがに終盤はキラキランドの存続を巡るシリアスな展開になってきました。
残り1カ月、どんな展開になっていくのか楽しみですね。
そんな「キミとアイドルプリキュア♪」ですが、「キミと」というワードが示すように「キミとわたし」の関係性に焦点があてられたシリーズとなっています。
ファンはアイドルから光をもらうと同時に、アイドルもファンがいるからこそ輝ける、という「双方向性に行き交うキラキラ」を描いています。
「プリキュア論文」におけるケアの変遷
プリキュアは毎年、キャラクターもテーマも世界観も大きく変わりますが、シリーズ全体を通して描かれている価値観があります。それが「誰かや何かを大切にすること」といったいわゆる「ケアの概念」です。
プリキュアにおける「ケア」の在り方を整理した研究として知られているのが、お茶の水女子大学の井村夏希氏らの紀要論文「アニメ『プリキュア』シリーズにおけるケアに関する価値観の変容」です(学術検索プラットフォーム「CiNii」から見られます)。
お茶の水女子大学 紀要論文 井村夏希・小玉亮子
アニメ「プリキュア」シリーズにおけるケアに関する価値観の変容(CiNii)
お茶の水女子大学教育・研究成果コレクション “TeaPot”
この紀要論文によると「プリキュアシリーズにおいて守り救うべき対象」は3つの時期に整理されるとしています。
- 第I期「目の前の他者のためのケア」
「ふたりはプリキュア(2004年)」~「Yes!プリキュア5GoGo!(2008年)」 - 第II期「社会全体のためのケア」
「フレッシュプリキュア!(2009年)」~ハピネスチャージプリキュア!(2014年)」 - 第III期「自己実現のためのケア」
「Go!プリンセスプリキュア(2015年)」~「ヒーリングっど・プリキュア(・はハートマーク、2020年)」(※以降「ヒーリングっどプリキュア」と表記)
今回はまずこの論文の概略を紹介し、そのうえで近年のプリキュアがどんな位置付けにあるのか、を見ていきたいと思います。
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