ねとらぼ
2025/12/27 18:00(公開)

大のアニメ好きが選ぶ“もっと評価されるべき2025年アニメ”TOP20! 1位はあの“鬼を斬る”時代劇ファンタジーに

2025年はオリジナルアニメが大豊作、6作品がトップ10入り。

 250以上もの新作アニメが生まれた2025年。前年から続いた「薬屋のひとりごと 第2期」や「機動戦士Gundam GQuuuuuuX」、「SPY×FAMILY Season 3」のような人気シリーズの最新作、そして「メダリスト」を始めとする新作も立て続けに話題を呼び、アニメシーンは活況が続きました。

 しかしそうしたヒット作以外にも面白い作品があるというのはアニメファンならご存じのとおり。本稿ではそうした少し隠れた名作を探るため、アニメを週25本以上視聴し続ける“大のアニメ好き”100人以上を対象に「2025年の作品でもっと評価されるべきアニメは?」というアンケートを実施。放送/配信作品は5つ、劇場公開作品は3つまで挙げてもらってランキングを作成しました。まずは放送/配信作品のトップ3を紹介します。

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3位:うたごえはミルフィーユ

 アカペラをテーマにした音楽プロジェクトのアニメで、人見知りな高校1年生の小牧嬉歌を主人公に、アカペラ部の面々の物語が描かれる本作。キラキラした青春部活ものかと思いきや、独特なキレのある会話や徹底したぶつかり合いを通じてキャラクターが自身のコンプレックスと向き合い、不協和音を起こしていたメンバーが調和していくさまが多くのアニメ好きの心をつかんでいます。

 また「音楽と才能に対する向き合い方が真剣すぎる」「趣味として楽しくやる派閥と、プロを目指し本気で究める派閥による平行線の議論は部活ものでは頻出だが、それに素晴らしい回答を示した」といった側面や最終話の評価も上々。「アカペラということでBGMを極限まで抑えた演出」「上位グループのステージや失敗したステージを『きちんとそうだとわかるように』感じられる演技」といった細部へのこだわりも、作品の説得力を一段引き上げました。

うたごえはミルフィーユ"

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2位:宇宙人ムームー

 「家電」をテーマに、ギャグから人情ドラマまでを各話完結で描き切った2クール作品が2位となりました。本作は家電の技術を学ぶため、地球にやってきた猫型異星人のムームーと同居することになり、地味な大学生・桜子のドタバタ生活が始まる……というコメディー作品です。

 家電という身近な題材を、多種多様な切り口で面白おかしく、まれに切なく見せてくれる本作のバランス感覚は絶妙。「『こち亀』や『ケロロ』のような手触り」「今年もっとも気楽に見れた作品」というコメント通り老若男女問わず楽しめる安定感がありつつも、「当たり前のようにギリギリの下ネタやブラックジョークをかまし、なぜか泣けるエピソードもやれてしまう」と大人もうならせる深みも兼ね備えていました。

 「2クールと言わず4クールやってほしかった」と、終わりを惜しむ声が絶えない、日常系アニメの新たな良作といえるでしょう。

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1位:鬼人幻燈抄

 江戸から平成まで170年を生きる鬼の物語を、2クールたっぷりかけて描いた、壮大な大河作品が1位に輝きました。本作の魅力として多く挙げられていたのが「圧倒的なストーリーテリングの巧さ」。「バトルアニメにたまに挟まる本編とは関係ない人情話が続くアニメ」「後半のエピソードが、1クールに1話あるかないかレベルの神回ばかり」「今年よかったアニメの回を10個選べと言われたら、半分はこの作品から選びたい」など絶賛の言葉が並びました。

 その出来のわりに、あまり世間的な盛り上がりを感じられなかったようで、「さすがに極太のアニメすぎて、評価されない世界が許せない」「2025年の鬼を斬る時代劇ファンタジーと言えばこれ」といった声も。多くの人にとっては「時代劇=地味」というイメージが強かったのかもしれません。

 しかし「復讐のために生きる自分のあり方を見つめ直す主人公・甚夜を中心に、侍の時代が終わる大河性や倒錯を抱えた家族関係を、豊かな動植物のモチーフとともに描いた」「長い期間という舞台設定の使い方が抜群。容赦なく流れる作中時間に対して『待ってくれ』と言いたくなるような、そんな僕らと作中の鬼の時間感覚とが重なっていく体験が素晴らしかった」など、熱いコメントは多数。「平成年代の時点の話を絡める趣向もあって、そこでトンチキなネタやSF的なギミックを持ち込むのも巧みだった」「硬派なアニメかと思いきや萌えも笑いもある変な作品」と愛嬌を感じさせる要素もあり、ハードルの高さを感じずに見てほしい傑作です。

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