国土地理院のWebサイト「地理院地図」では、ある場所の上空からの景色を年代別に見ることができます。今回は、東京タワーの上空写真を、1936年から2017年まで80年以上にわたって見比べてみました。

東京タワー周辺。主に画像中央付近のエリアの変遷を見ていきます ※出典:地理院地図(電子国土Web)、編集部で一部切り取り
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1936~1942年頃

1936~1942年頃の東京タワー周辺の写真 ※出典:地理院地図(電子国土Web)、編集部で一部切り取り 

 現在東京タワーがある場所は、もともと徳川将軍家の菩提寺の一つ・増上寺の境内でした。明治維新後、増上寺の土地の一部は政府に接収され、「芝公園」となりました。増上寺は今も東京タワーのすぐ東にあります。

 1881(明治14)年には、この地に“紅葉館”という会員制の高級料亭ができました。当時のモノクロ写真では森のように見えますが、初代内閣総理大臣の伊藤博文や実業家の渋沢栄一などが通った、華やかな社交場であったといいます。

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1945~1950年

1945~1950年の東京タワー周辺の写真 ※出典:地理院地図(電子国土Web)、編集部で一部切り取り 

 1945~1950年の写真では、紅葉館や周辺の森がなくなっています。これは1945(昭和20)年に第二次世界大戦下での空襲があり、辺り一帯が燃えてしまったためです。この空襲では、増上寺も大きな被害を受けました。当時の写真を見ると、本堂(大殿)がなくなっていることに気付きます。国宝だった徳川将軍家の霊廟も焼けてしまいました。

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1961~1969年

1961~1969年の東京タワー周辺の写真 ※出典:地理院地図(電子国土Web)、編集部で一部切り取り

 1961~1969年の写真では、ついに東京タワーの姿が確認できるようになりました。東京タワーは1958年に完成し、新たなランドマークとなったばかりの時期です。この地にタワーができたのは、まとまった敷地と重い鉄塔に耐えうる強い地盤があり、都市の中心部で電波を効率的に飛ばしやすかったためだといわれます。

 また、タワーの周囲も大きく姿を変えました。タワーのすぐ南にあるかまぼこ形の屋根は、「芝ゴルフ練習場」の施設です。ここは、日本初の3階建て練習場で、その規模は当時都内最大級だったのだとか。なお、隣の四角い平地は、テニスコートやバレーボールコートがあった場所です。さらに南に目を向けると、半円形の敷地が見えます。これも先述の芝ゴルフ練習場の施設で、ゴルフといいつつ野球場も併設されていました。高度経済成長期ということもあり、レジャー施設が集中しています。

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1974~1978年

1974~1978年の東京タワー周辺の写真 ※出典:地理院地図(電子国土Web)、編集部で一部切り取り

 写真がカラーに。白黒ではやや見づらかった東京タワーが、くっきりと確認できます。芝ゴルフ練習場のかまぼこ型の屋根は華やかなストライプ模様になり、「タワーボウル」という文字が書かれています。これは、近くにあった「東京タワーボウリングセンター」の宣伝です。練習場の屋根は、空やタワーの展望台からよく見えたため、スペースを有効活用したのでした。

 ちなみに、東京タワーボウリングセンターは、1960~1970年代のボウリングブームをけん引した施設です。プロボウラーの中山律子さんの拠点であったことや、立地のよさで頻繁にロケ地として使われたことで有名になりました。

 なお、東京タワーの東側では、増上寺の再建が進みました。当時の写真には、1974(昭和49)年に完成した新しい本堂(大殿)が写っています。

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2009年

2009年の東京タワー周辺の写真 ※出典:地理院地図(電子国土Web)、編集部で一部切り取り

 時代は一気に進んで、2009年。戦後は焼け野原だった場所に、豊かな緑が戻りました。芝ゴルフ練習場は、周辺地域の再開発のため、2001年に閉鎖。あの特徴的な屋根もなくなりました。

 また、ゴルフ場と野球場が併設されていた半円型の敷地には、大きなビルが建ちました。これは、「ザ・プリンスパークタワー東京」というホテルです。夜景の美しさで知られ、東京タワーがよく見えるほか、増上寺・浜離宮など歴史的なスポットも眺めることができます。

 なお、ホテルの北側にある円形の通路が特徴的な場所は、「プリンス芝公園」です。ホテルの庭園ですが、一般にも開放されており、東京タワーの撮影スポットとして人気があります。

2017年

2017年の東京タワー周辺の写真 ※出典:地理院地図(電子国土Web)、編集部で一部切り取り

 2017年の写真は、ほぼ現在の東京タワー周辺の景色です。東京タワーボウリングセンターは、老朽化や観光スタイルの変化により、2011年に閉鎖されました。一方で、大使館を擁するオフィス・レジデンスや、増上寺の歴史を伝える宝物展示室などが開設され、近代的・文化的な景観がアップデートされました。

 このように、2000年代に都市空間の再開発が進んだことで、東京タワー周辺は再び大人の社交場の様相を呈してきました。2024年には、かつての紅葉館をモチーフにしたタワーのプレミアムツアーも発表され、東京タワー周辺は歴史と革新が混ざり合うスポットになっています。

参考文献

文:近藤仁美(こんどう・ひとみ)

クイズ作家。国際クイズ連盟日本支部長。株式会社凰プランニング代表取締役。これまでに、『高校生クイズ』『マジカル頭脳パワー!!2025』等のテレビ番組の他、各種メディア・イベントなどにクイズ・雑学を提供する。国際賞「Trivia Hall of Fame(トリビアの殿堂)」殿堂入り。著書に、『クイズ作家のすごい思考法』『小学生が知ってトクするおもしろ雑学クイズ』『人に話したくなるほど面白い! 教養になる超雑学』などがある。

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