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アニメ映画「機動戦士ガンダム 閃光のハサウェイ」シリーズ最新作となる「機動戦士ガンダム 閃光のハサウェイ キルケーの魔女」が、1月30日に公開された。公開から5日間で興行収入は10億円を突破し、観客動員数も60万人を超えるなど、好調なスタートを切っている。すでに前作の興行収入(約22億3000万円)の半分近くに達しており、勢いはまさに破竹。そんな話題作をレビューする。
以下では、小説版『機動戦士ガンダム 閃光のハサウェイ』(富野由悠季)における結末に触れている。なお、現在公開されている劇場版シリーズは小説版とは設定が一部変更されており、最終的な結末については未確定となっている。
1:究極のバッドエンドを予感させる作品
「機動戦士ガンダム 閃光のハサウェイ」は、宇宙世紀という長大な歴史の中で、ひとりの青年が「正しさ」を選び続けた末路を描く物語だ。
テロリストとして、理想主義者として、そしてかつて英雄たちの背中を見て育った少年として── ハサウェイ・ノアは、常に割り切れない立場に置かれ続ける。
小説版において、この物語の結末には「主人公の勝利」は用意されていない。
物語の帰結として示されるのは、ハサウェイ・ノアの死だ。宇宙世紀0105年、享年25歳。それも、単なる悲劇的な最期ではない。
端的に言おう——
処刑だ。
少なくとも小説版を踏まえるなら、主人公が破局を迎えることは避けられない。
いわば「究極のバッドエンド」を内包した物語である。
にもかかわらず、我々はこの物語を見てしまう。
結末が悲劇だと分かっていても、なお主人公に感情移入してしまう。いわゆる「義経の判官びいき」というやつだ。
もっとも、劇場版「閃光のハサウェイ」は小説版とは異なり、映画「逆襲のシャア」の正統な続編として再構築されている。
そのため、ハサウェイの運命が小説版と同じ結末を迎えるのかどうかは、いまなおファンの間で注目され続けている。
2:4年半も待った甲斐があった!
「閃光のハサウェイ」シリーズは、反地球連邦組織「マフティー」のリーダーであるハサウェイ・ノア(声:小野賢章)と、地球連邦軍のケネス・スレッグ(声:諏訪部順一)とのスリリングな攻防を描く作品だ。
ハサウェイが乗り込むモビルスーツの名は「クスィー・ガンダム」。圧倒的な性能を誇り、前作では連邦軍の「ペーネロペー」を見事撃破した。
本作では、マフティーと連邦軍の軍事的な戦いと、ヒロインのギギ・アンダルシア(声:上田麗奈)が両陣営の間で揺れ動く様が引き続き描かれる。
2021年6月に「機動戦士ガンダム 閃光のハサウェイ」第1部が公開されて以降、ファンの間では「続編はまだなのか?」という声が長く上がり続けていた。
その待ち時間が長引くにつれ、SNSなどではさまざまな臆測も飛び交った。
2025年にはガンダム新作「GQuuuuuuX(ジークアクス)」がスタジオカラーとの共同制作(監督:鶴巻和哉)で発表され、筆者の観測範囲では「サンライズ大丈夫か!?」と不安を口にするファンも少なくなかった。
だからこそ、「閃光のハサウェイ」続編公開のアナウンスが出たときには、「ようやく来た」という安堵とともに、大きな期待が集まった。
そして実際に本作を見て思う。
この待ち時間は、決して無駄ではなかった。
尋常ではない映像クオリティー。バトルシーンだけではなく、ドラマパートも徹底的に「リアリティー」を追求した画づくりがされている。そして緊迫感のある心理描写、声、音楽……。何もかもが100点満点だった!
「閃光のハサウェイ」ファンとしては、待った甲斐が本当にあったわけだ。
3:戦場の中で彼は何を失い、何を得ていくのか?
前作に引き続き、地球連邦軍との数々の戦闘を経て、ハサウェイが所有する多くの艦やモビルスーツなどが破壊される。それだけでなく、彼は長年連れ添った恋人との関係や、大切な仲間の命すらも失っていく。

また、ハサウェイは偉大な先輩であるアムロ・レイの幻影に囚われ続けていた。ハサウェイにとって、アムロは「自分が目指すべきゴール」であるとともに、「絶対に越えられない壁」でもあった。
それに加え、初恋の相手であるクェス・パラヤとの幻影とも戦っていた。
バトルシーンの中で、ハサウェイはそんな数々のトラウマを乗り越え、呪縛から解き放たれていく。実は「閃光のハサウェイ」シリーズは、主人公の「喪失」だけではなく、「精神的な成熟」も描いているのだ。
一方で、ハサウェイの包囲網は着実に迫ってくる。ケネス大佐はまだ序の口。最大の敵は、ハサウェイの父であるブライト・ノアだ。
第2部でとうとう「ラスボス」が登場したわけだ。ブライトは地球連邦軍の高官。そして、自分の息子が反連邦組織のリーダーだなんてことをまだ知らない。もし、息子の正体が分かってしまったとしたら……!
間違いなく、ハサウェイの「命のカウントダウン」は残りわずかだ。完結編となるであろう次回作——彼の破局の瞬間を見たいような、見たくないような……。
いや、もうここまで来たら見るしかない!

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