靴というのは毎日のように履いてはいるものの、実は理想にぴったりの物に出会うのは意外と難しいアイテムだなと思っていたりします。今回ご紹介するのは、そこから一歩踏み出された同人誌です。

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今回紹介する同人誌

『推し概念靴を手作りしたオタクが説明する靴の本』A5 44ページ 表紙・本文カラー
著者:ぷっちー

きらきらのホログラム加工の表紙がまぶしい
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イメージを形に。「いっそ自分で作れるようになれば」

 作者さんは、ご自身のイメージを靴の形にしたいがオーダーシューズは高い……というところから、「いっそ自分で作れるようになれば」と思い、服飾専門学校に通いはじめられたそうです。ご本には2年間、靴作りに向き合ってきた作者さんによる、靴づくりにまつわるあれこれがまとめられています。

 発想の源はご自身の好きな「推し」。それをどのように靴の姿に落とし込んでいくかを、デザインについて、靴について、靴の作り方についてという項目で説明がされています。

連想の中心には「好き」が
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発想から制作過程も。実体験情報がうれしい

 内容は一から十まで作り方を説明するような教本タイプではなく、靴作りの全体像を追っています。それだけに、まずはじめにどのように取り組んだのか、それからこんなことを知っておくと役に立つというような、個人的な視点がうかがえるのがうれしいところです。

 他人の靴のデザインを参考に見てみたいと思ったときにどんな方法があるか? や、革を個人で購入するときに、お店の前にハギレを置いているところは卸売りだけでなく個人相手とも取引してくれるお店が多いのでは、という、作者さんが自分自身で考え、手を動かし、体験した過程がそこここに織り込まれています。

イメージに近づけるための丁寧な作業
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大変なのに「めちゃくちゃ楽しい」。情熱を秘めた涼やかな共有

 「推し」のイメージを形にするために手間暇をかけてものづくりをするというのはエネルギーの要ることです。文中でも、制作環境を整えたりコストがかかることなどが示されます。しかし一方で、はっきりと「めちゃくちゃ楽しい」と、大事な気持ちもしっかり書かれています。ご本ではこの、「好き」と同時に降りかかる制作の難しさがご本全体を引き締めていると感じました。

 ご自身の推しがどなたかは明確に示されず、あくまで靴作りの視点からつづられるあれこれはストイックに感じられるほどすっきりとまとめられています。けれど読み進めると、推しキャラがハイヒールを履くのをテーマにしたアンソロジー本を2回作ったことをさらりと語るなど、作者さんが間違いなく並々ならぬ情熱を持っておられることも分かります。

 熱を秘めつつも、己の大切な知識と経験を惜しげもなく涼やかに並べて見せるクールさ! 意気込みに任せて強引に手を引っ張るのでなく、こちらへどうぞと待っている理性的な誘い……、靴作りの知識を得る楽しさと同時に、そんな連想をしてしまいました。

カラフルでわくわくするような姿です
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サークル情報

サークル名:成人男性ハイヒール部
入手できる場所:BOOTH

今週の余談

 私がご本を手にした際には、革のサンプルもいただきました。実物に触れるとよりイメージ膨らみますね。

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