ベルキン、エレコム、ラトックシステムから直近で発売された「ワイヤレスHDMIアダプター」をピックアップし、それぞれの特徴や選び方のポイントを比較・解説します。
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パソコンの画面や音声を外付けディスプレイやテレビに出力する場合、多くはHDMIケーブルなどを使った有線接続になります。これをワイヤレス、つまり無線ですっきりと行うこともできます。対応製品は以前からありましたが、ここ数年で比較的手頃に使えるアダプターが増えてきました。
本稿では、ベルキン、エレコム、ラトックシステムから直近で発売された3製品をピックアップし、それぞれの特徴や選び方のポイントを比較・解説します。
ワイヤレスHDMI(送受信機)のメリットとは?
メーカーやメディアによっても異なりますが、この手の製品には「ワイヤレスHDMI」「ワイヤレスHDMIアダプター」「HDMI送受信機」「無線HDMIドングル」など、さまざまな呼称が用いられています。

一般的に、これらのアイテムでは、パソコンやスマートフォン等に接続する「送信機」と、ディスプレイやプロジェクター側に接続する「受信機」を、それぞれの機器の端子に挿して利用します。送信機と受信機が直接通信を行う仕組みで機能するので、Wi-Fi(無線LAN)環境がない場所でも、ワイヤレスかつセキュアに映像を映し出せるのがメリット。シンプルな有線接続と比べると、少々コストはかかるものの、配線を避けたい場面では重宝する選択肢です。
ベルキン「ConnectAir ワイヤレス HDMI ディスプレイアダプター」
最初に紹介するのは、4月にベルキンが発売した「ConnectAir ワイヤレス HDMI ディスプレイアダプター」です。ショッピングサイトでは1万7000円台から販売しています。

アプリやドライバーのインストール、Wi-Fi設定などは不要。パソコンとディスプレイなどにそれぞれアダプターを装着するだけの“プラグアンドプレイ”方式で、映像・音声の出力がワイヤレスで行えます。送信機はパソコンやスマートフォンのDisplayPort Alt Modeに対応したUSB Type-Cポートに、受信機はディスプレイやプロジェクターなどのHDMI端子に接続します。
注意点として、HDMIに接続した受信機に、USB Type-Aポートからの給電が必要です。特に、同製品の受信機は短めのHDMIーUSB Type-A変換ケーブルのような構成になっているので、ディスプレイ側に給電用のUSB Type-A端子が無いと少し設置に苦労するかもしれません。
出力に関しては、パソコンの画面をそのまま投影するミラーリングのほか、パソコンとディスプレイに別々の画面を拡張表示する使い方にも対応しています。サポートしている解像度・フレームレートは1080p・60Hzですので、事務用途ではさほど困ることはないでしょう。遅延に関しては製品サイトにて「80ms未満」と表記されています。
同製品が優れているのは、電波の届く距離の長さと、大人数での使いやすさです。伝送距離は最大40mとされており、オフィス環境だけでなく、イベント会場や講堂などでの利用も視野に入れている場合、大きなメリットとなるでしょう。また、1つの受信機に対して、送信機(トランスミッター)を追加して最大8台までを登録できることも特徴。送信機を複数用意する必要はでてきますが、複数人のパソコンの画面をケーブルを抜き差しすることなく、送信機のボタン操作で、切り替えられます。
エレコム「DH-CW4K110BK」
続いて、エレコムの「DH-CW4K110BK」です。こちらは2025年8月に発売されたワイヤレスHDMI送受信機で、ショッピングサイトでは1万円台前半から販売しています。

同製品もアプリやドライバーのインストール不要で使用可能。送信機をパソコンやスマートフォンのDisplayPort Alt Modeに対応したUSB Type-Cポートに接続し、受信機をディスプレイやプロジェクターのHDMI端子に接続して使用できます。USB Type-Aポートから給電する点や、映像(ミラーリング&画面拡張)・音声の出力に対応する点も、先に紹介したベルキンの製品と共通しています。
また、対応する解像度・フレームレートもフルHD(1920×1080ピクセル)・60Hzとされています。これは先述のベルキン「ConnectAir ワイヤレス HDMI ディスプレイアダプター」も同様です。ただし、伝送距離は障害物のない空間で最大30mで、少しだけ短くなります。また、伝送遅延については最大「最大200ms」と表記されています。
一方、同製品について抑えておきたいポイントは3つあります。1つ目は、HDCP 1.4に対応しており、著作権保護のある有料コンテンツも伝送できること。自宅で、パソコンやスマートフォンで動画コンテンツを再生し、ディスプレイやプロジェクターにミラーリングするような用途を考えている際には、必要な仕様です。
2つ目は、誤った映像を表示してしまった際に、瞬時に画面を消せる「画面オン・オフボタン」が備わっていること。例えば、プレゼンテーション時にログインパスワードを入力しなくてはならないような画面を経由する場合、同ボタンを駆使することで一時的に出力を止められて便利です。
3つ目は、同製品は受信機の本体に、給電用のUSB Type-C端子が備わっていること。ディスプレイ側にUSB Type-Aポートが無い場合でも、別途5V/1A以上の充電器やケーブルを用意することでセットアップが可能です。場所を選ばずに運用しやすい点で、大きなメリットとなるでしょう。
ラトックシステム「ワイヤレスHDMI分配送受信機(1対2分配、USB-C to HDMI)」
最後は、ラトックシステムが7月に発売した「ワイヤレスHDMI分配送受信機(1対2分配、USB-C to HDMI)」(型番:RS-WLSP2)です。ショッピングサイトでは2万5000円前後で販売しており、今回取り上げた3製品のなかでは最も高額です。

同製品は、ノートパソコンなどの映像・音声を、計2台のディスプレイやプロジェクターに対してワイヤレスで出力(ミラーリング&画面拡張)できるのが特徴。対応解像度・フレームレートは、1920×1080p・60Hz、1280×720p・60Hz。最大伝送距離は50mと長めに設定されています。こうした特徴によって、店舗に設置された複数のサイネージに対しての出力や、イベント会場等で左右2台に配置されたスクリーンなどへの出力にも対応しやすいのが魅力。別売りの受信機を追加すれば、最大4代のディスプレイ等へ出力することもできます。映像遅延は約70~180msです。
こちらも専用ソフトやドライバーのインストールは不要です。送信機については、パソコン等のDisplayPort Alt Modeに対応したUSB Type-C端子へ接続する点が共通していますが、電源供給用のUSB Type-Aケーブルが別途備わっているのがユニークです。
一方、受信機については、こちらもディスプレイ側のHDMIに接続し、USBから給電を行うセットアップが必要です。また、ディスプレイ側に給電用のUSB Type-A端子が無い場合には、5V/1AのUSB Type-Aを備えた充電器から給電することも可能。この点は、先述したエレコムの「DH-CW4K110BK」と同様ですね。
一般販売されている製品ではありますが、ビジネスシーンでの活用を見据えた法人需要をうまく捉えている一台だと感じます。ちなみに、送信機には出力を一時停止するボタンも搭載されていて使い勝手の面も安心です。ちなみに、HDCPもサポートしています。
ちなみに、この手の製品については、仕様の異なる複数モデルが展開されていて、製品名でのインターネット検索では異なる型番の製品ページがヒットすることもあります。比較検討時・購入操作には型番を確認することをお忘れなく。
