“癒し”にはお香もハーブも必要ない――美少女とほんのちょっとの妄想力だけあればいい「ARIA The NATURAL 〜遠い記憶のミラージュ〜」レビュー(2/2 ページ)

» 2006年09月28日 00時00分 公開
[雛見沢秀一,ITmedia]
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癒しにあふれたヒロインたち

 我々を癒してくれる本作のヒロインたち。そんな彼女たちを筆者の独断と偏見で、星5つからなる萌え度と、ストレスから開放してくれるオアシス、イベントを交えて紹介する。また、癒し系というアバウトな表現がちまたで定着しつつあるので、筆者も頑張ってそれにならい、癒し度としてつけてみた。

●水無灯里
口癖:「はひー」、「ほへ」
萌え度:★★★★☆
癒し度:★★★★☆
 夢見がちな素直な子で、ちょいと天然なところがある。天真爛漫な彼女には、笑顔こそがよく似合う。見よ、この最上級の笑顔を(写真左)! これこそ、すべての灯里ファンのハートをわしづかみする瞬間だろう。当然筆者のハートも鷲づかみにされた。一転、写真右はそれと対になる泣き顔。いつも明るく笑っている灯里だからこそ、普段は見せないめずらしい泣き顔にすら萌えてしまう。灯里の場合、萌え度、癒し度ともに、声に起因するものがある。

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●藍華・S・グランチェスタ
口癖:「恥ずかしいセリフ禁止!」
萌え度:★★★☆☆
癒し度:★★☆☆☆
 普段勝ち気な彼女も水着になると“勝ち気”という属性も脱がされるのか、しおらしくなる。また、いつもは三つ編み(?)の彼女が、髪を解いているという点にも着目してほしい。ただし、原作やアニメの後半部分で見られる“髪を切ったバージョンの藍華”が本作では見られないのが残念だ。ショートヘア藍華も見られれば、ファンも納得だったと思うし、筆者もそちらのヘアスタイルのほうが好みである。また勝ち気なテンションであるため、癒し度は低め。

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●アリス・キャロル
口癖:「でっかい○○です」
萌え度:★★★★★
癒し度:★★★★☆
 筆者に恋という名の魔法をかけた女の子。普段は無愛想で人付き合いの苦手な彼女は、写真左のように、最初はジト目で主人公を警戒してくる。だが、アリスルートを進めていくうちに警戒心は徐々に消え、照れながらも応援してくれるといった一面を見せてくれるようになる。この、徐々に仲良くなっていくシチュエーションがあるからこそ、今回もっとも筆者が萌えたキャラクターなのだ。“無愛想”、“ジト目”、“不器用なコミュニケーション”と、筆者のツボをピンポイントで狙ってきたスタッフたちに、もはや足を向けて眠ることなどできない。

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●アリシア・フローレンス(写真右)
口癖:「あらあら」
萌え度:★★★★☆
癒し度:★★★★★

●アテナ・グローリィ(写真中)
口癖;なし
萌え度:★★★☆☆
癒し度:★★★★☆

●晃・E・フェラーリ(写真左)
口癖:「すわっ!」
萌え度:★★☆☆☆
癒し度:★☆☆☆☆

 惜しいことに、メインである灯里や藍華たちと違い、あまり存在感を出し切れなかった先輩チーム。“これもよき勉強よ”と、後輩に活躍の場を譲るアリシアたちの心情を勝手に妄想し、“いい先輩だぁ……”とこれまた勝手に思い込んでしまう筆者は、もう手遅れなんでしょうか? とにもかくにも、そんな先輩たちの真骨頂であるシーンがこの部分。メインは後輩に譲ってはいるが、“まだまだ小娘どもには負けない!”と力の入ったシーンにも見てとれる。水着姿もイベントも、出るところはちゃんと出ている先輩たちに敬意を表さなければならない。


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●アリア社長
口癖(鳴き声?):「ぷいにゅ」
萌え度:★★★☆☆
癒し度:★★★★★
 やはり「ARIA」を語る上でかかせないのが、マスコット的存在であるアリア社長。独特の鳴き声は一度聴くともう頭から離れない中毒性を持つ。筆者の周りでも、“ぷいにゅ”という鳴き声がアイサツになるくらい流行った。あのもちもちぽんぽん(お腹のこと)を触ってみたいと思うのも筆者だけではないはずだ。本作でもアリア社長の魅力はいかんなく発揮されており、なにげにストーリーの根幹に近い部分にいたりする不思議な存在。マスコットの所以か、全キャラ中最高の癒し効果を持つと思われる。


そろそろまとめなわけで……

 シナリオや演出面など、原作やアニメを忠実に再現しており、ファンにとっては絶対に押さえておくべきタイトルといえる。また、原作を知らない人でも、置いてけぼりにはしないシナリオ展開となっているので、プレイしても十分に楽しめるだろう。欲を言えば、凝ってる設定や専門用語が頻繁に出てくるので、知らない人向けに、または再確認の意味を込めて「ARIA」にでてくる用語集みたいなものがあっても良かったかもしれない。

 本作は、ヴェネツィアという実在する街を舞台に(物語ではネオ・ヴェネツィアだが……)、人と人との触れ合いや、ちょっぴり不思議な体験を楽しむ作品だ。言ってみれば、刺激はちょっと少なめかもしれない。だが、刺激だらけの昨今の作品群を遊びつくす我々に対して、ちょっとした休憩を与えてくれる作品でもある。ファンだけでなく、まったりとしたゲームを楽しみたいと言う人にも、ぜひともお勧めしたい。。

ARIA The NATURAL 〜遠い記憶のミラージュ〜
対応機種プレイステーション 2
メーカーアルケミスト
ジャンルビジュアルノベル・ゲーム
発売日発売中
価格ARIAカンパニーでっかい詰め合わせ:1万290円(税込)
通常版:7140円(税込)
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