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中古ソフト訴訟についてACCSとARTSが声明を発表
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2002年4月25日 |
4月25日(本日),メーカー側の上告が棄却された「中古ソフト訴訟」について,コンピュータソフトウェア著作権協会(ACCS)とテレビゲームソフトウェア流通協会(ARTS)は,それぞれ声明を発表した。
まず原告側に立つACCS専務理事の久保田氏は,今回の判決について「大変残念である」とコメント。「ゲームソフトの著作権保護について,現行法が対応できていないことが明らかになった。法制度を早急に整える必要があるものと考えている」と,法整備の必要について述べた。
判決文についても,「根拠の拠り所となった判例は,特許権について表されたものであり,デジタル化されたものが当てはまるかどうかは疑問の余地が残る」と話す。
そして映画とゲームソフトの性格の違い(ゲームソフトは,大量の複製を伴い,その1つ1つが少数の視聴者を目的としたものという規定)の解釈に関しても,「この解釈の仕方であれば映画のDVDやビデオといったソフトにも,“ソフト1つ1つは少数の視聴者を対象とする商品”なのか,それとも“多数の視聴者を目的とする映画”なのか,という論争がいずれ出てくるかもしれない」との危惧を示した。
最後に久保田氏は,「このままの状態が続けば,ゲームのタイトル数が減少したり,初期ロットしか出てこないという弊害が出るだろう。個人的な意見だが,いずれ特定のハードでしか遊べないようなアクセスコントロールのようなものも出現すると思う」との見解を述べて,記者会見を締めた。
また被告側に立つARTSは,声明文を発表。「アメリカでのTVゲームは,新品購入,中古購入,レンタルと多様な利用形態が用意されている。また日本のゲーム業界も中古サービスと共に成長してきた。にも関わらず,ゲームユーザーがレンタルのみならず,中古販売も認められない本裁判は,一部メーカーの暴挙としか言えない」とした上で,「本判決に対し,高く評価し,裁判所に敬意を評する」とコメント。「ハードメーカー・ソフトメーカー・業界団体が,私たちとの正常な関係構築に向け,誠意を示してくれることを期待している」と声明を締めている。
[SOFTBANK GAMES]
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