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F-ZERO映像も大公開!セガ・カプコンの世界
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2002年10月30日 |
10月30日(本日),よみうりホールで行われた国際CG映像祭では,「セガの世界」「カプコンの世界」と題されたプレゼンテーションも行われた。
■「映像だけを追っていてはダメ」名越氏
「セガの世界」では,まず名越氏によって“ドライブゲームの進化”がプレゼン。2Dでいかに3Dを表現するかに苦心した'86年の「OutRun」や'89年の「SuperMonaco GP」,3Dの概念が一段落した'94年の「DAYTONA USA」,「モノってどういう風に見える?」ということをとことんまで突き詰めて考えてから制作された'96年の「SCUD RACE」など,名越氏ならではの苦労話と共にレースゲームの歴史が明かされていく。
しかし,今でも「CGを使う上での“らしさ”をどう出すのか?」ということについて結論は出ていない,というのは名越氏の思い。それでもOutRunから17年,「1つの結論として」昨年制作されたのが,挙動までリアルに突き詰めて開発した「SegaGT 2002」であり,現在開発中の「F-ZERO GC/AC(仮)」だ。
特に「F-ZERO GC/AC(仮)」は,会場で最新の映像が大公開! 近未来を思わせる空間の中,ループの上を信じられないほどのスピードで駆け抜ける映像が約2分ほど流され,会場に集まったファンは釘付けとなっていた。
名越氏は,レースゲームの開発において「車の挙動を考えずに映像だけを追っていてはダメ」と言う。もちろん「F-ZERO GC/AC(仮)」についても,「こういう乗り物だったらこういう動きを……と,乗った人が期待する動きと,プロデューサーの考える動きが合致することが大事。コース自体にも,音楽の譜面を刻むようにリズム良く仕掛けを作っている」と,映像以外にも工夫を凝らしていることを話してくれた。
このほかにも会場では,ワウ エンターテイメントの今枝賢一氏,カプコンの須藤克洋氏も登場。これからのレースゲームの可能性など,クリエイターから見た,さまざまな面の“レースゲーム”が語られたのだ。
■「ゲームを芸術性のあるものに」稲船氏
第1回国際CG映像祭の最後を飾ったのは,「鬼武者」オープニングムービーでシーグラフ2000で最優秀賞を受賞したカプコン・稲船敬二氏。稲船氏は,この鬼武者のオープニングムービーについて「最初はCGの企業を回って作ってくれるところを探しました。でも,予算の問題などもあり,かなりの数に断られました……(笑)」と振り返る。
あきらめて実写にしようか……と相談し始めたころ,「頑張って作りましょう!」と稲船氏に呼びかけたのはCGの大手・リンクス。映画の演出監督の採用や,シーグラフの出展などは,このリンクスの提案によるものだったそうだ。
ちなみに稲船氏は,日本と米国におけるゲーム業界の評価の違いについても言及。「米国はいい作品を作れば,ジャンル関係なく認めてもらえるけど,日本は“ゲーム”というだけで引かれてしまう」と残念そうに話す。
また「ゲームはいつか映画を超えると思いますか?という質問をされることがあるけど,実は,あれはあまり好きではないんです。だって,そう言うことはゲームを映画より下に見ている,ということでしょう」という言葉も。「映画は映画,ゲームはゲームの楽しみ方がある。そう言われないように,僕らがゲームを芸術性のあるものに持って行かなくちゃいけない」とこれからのゲームの方向性について会場に呼びかけていたぞ。
ちなみに現在製作中の「鬼武者3」については,「かなり海外を意識して作っています。えっ(えぇぇぇ!?というのも含めて)と思うモノをかなり入れているので,いい意味で想像を裏切っていますよ」と会場に集まった人に明かしてくれた稲船氏。「近々,発表できるのでは……」とのことなので,ぜひ楽しみにしていよう。
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