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任天堂・Revolutionはファミコンのように革命起こす
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2004年6月9日 |
任天堂が示した据え置き型ゲーム機における新たな提案“コードネーム：Revolution”。その実態はどのようなものなのか？
昨年の経営戦略説明会で同じように存在が明かされた“Nintendo DS”がそうだったように，具体的な形は一切公表されていない。だが，岩田社長が示す「任天堂の考え方」の中には，“Revolution”の実像に迫るヒントをうかがうことができる。
まず言えるのは“Revolution”がNintendo DSと同じ思想に基づいたコンセプトを有しているということ。岩田氏は巨額の開発費を投じたタイトルに依存した従来のゲーム製作のあり方に言及した上で，「豪華さ複雑さを追求する路線は，いつか必ず限界に到達する」として，ゲーム業界が過去の成功方程式では成長し得ない段階になっていることを説いた。
携帯型ゲーム機も，据え置き型ゲーム機も，CPU性能やグラフィック性能を向上させただけの「直線的な進化」では，既にこれ以上新鮮なゲームを提供することはできず，ゲームが再びユーザーを増やすには従来の方法論とは異なるアプローチが必要とされている。その「最初の解答」がNintendo DSだというのだ。つまり，据え置き型ハードの分野における“Revolution”は，Nintendo DSに続く「新たな解答」と位置付けることができるだろう。
岩田氏は，これらの新しい遊びを提案するに当たって，「重要なのは次世代の技術ではなく，次世代のゲームプレイ」だとして，「単純な高性能化」に依存した姿勢に疑問を投げかけた。だが，ここで誤解してはいけないのは，任天堂が「高度な技術」そのものを否定しているわけではないということだ。
事実，先ごろE3で実機が披露されたNintendo DSも，携帯ゲーム機でありながら精細なポリゴンが軽々と動くほどの性能を有していた。このNintendo DSの例を見ても，“ Revolution”が奇抜なアイディアだけに依存したものではなく，技術的にもかなり高水準のものとして登場するであろうことが予測できる。岩田氏の言うように，任天堂は「従来の延長線上にはない遊びのスタイル」を重要視しているが，決して技術そのものを否定したり軽視したりしているわけではない。
さて，では肝心の“Revolution”に導入される「新技術」とはどのようなものなのか？ その目指す姿は，先立って公表されたNintendo DSと重なる。Nintendo DSは，従来のゲームプレイの巧拙を刷新するほどのインパクトを持ったゲーム機だ。
これまでのアクションゲームではコントローラの扱いに習熟した人間ほどゲームが上手にプレイできたし，シミュレーションゲームやRPGでは「ゲームの構造や文法」がよく理解できている人間ほど効率よくゲームを進めることができた。Nintendo DSでは，これらをいったんリセットし，すべてのユーザーが「同じスタートライン」に立ってゲームを楽しめる。新入力デバイスのタッチパネルの扱いに習熟している人間はまだだれもいないし，音声入力に上手いも下手もない。こうした「感覚的に楽しめて，かつ遊び手を選ばない」新たなゲームの形こそが，任天堂の目指すあり方なのだ。
こうした新しい遊びが提案された状態を，岩田氏は「みんながファミコンに初めて触ったときのような」と表現した。ファミコンがTVゲームのあり方を変えたように，ゲーム業界に新たな風をもたらしたい。“ Revolution”というコードネームには，そんな想いが込められているようだ。
[SOFTBANK GAMES]
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