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MSのXNAは文化としてのゲームのレベルを上げる!?
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2004年7月6日 |
米マイクロソフトのコーポレートバイスプレジデントチーフXNAアーキテクトを務めるJ.アラード氏が来日。プレス関係者らを集め,共同インタニューに臨んだ。
3月にサンノゼで行われた開発者向けの“Game Developer Conference”にて発表された「XNA」は,Windows,次世代Xbox,Windows Mobile関連機器を含む,MSのすべてのゲームプラットフォーム向けゲーム開発が行えるもので,ハードウェアに依存することなく開発ができると報道され,一躍注目を集めた。
しかしアラード氏は,「あらゆるプラットフォームに同じゲームを提供することが(XNAの)目的ではない」とする。
「キーボードやマウスが利用できるPC,家庭用TVでプレイできるコンシューマーゲーム機,電車やバスで楽しめる携帯ハード,それぞれのメリットを活かしたゲームを用意すべきだ」と話す。XNAが目指すのは,同じゲームを提供するのではなく,それぞれのデバイスに合ったソフトを同じ環境で開発できるようにするためのものだというわけだ。
同時に各デバイスに見合ったゲームが提供できるということは,オンラインゲームに毎晩ハマっているヘビーゲーマーでも,ほとんどゲームをしない層も,みなが楽しめるゲーム世界を作り上げられることになると,アラード氏。
XNAの恩恵を受けるのはユーザー クリエイターたちは,XNAが持つ描画エンジンやサウンド面などが標準とすることで,「現在のゲーム市場の不振を招いているエンジン部の開発をすることに手間をとられずにすみ,ゲームの開発のみに力を入れることができる」と,アラード氏は説明する。
マイクロソフトのスタッフらしく,“標準”を連呼していたのが印象的だった。XNAはクリエイターたちの意見を反映させ,5年くらいかけて進化させていきたいという。
しかし,アラード氏は,「XNAにより最終的にメリットを受けるのはクリエイターではなくゲーマー」とも話す。XNAにより新たなクリエイターが多数ゲーム開発に参加し,新たなアイディアを持ったゲームが多数登場するからだと,その理由を説明する。
最後にアラード氏は「XNAが最終的に目指すのは『文化としてのゲームのレベルを映画並みに上げたい』ということ」と夢を語ってくれた。果たしてXNAは標準となって,このゲームクリエイターの永遠の夢を実現できるか?
[原 毅彦, SOFTBANK GAMES]
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