群雄への道
さて,これで斉藤家の領土は京に接することができた。しかし,まだ京に攻め込むことはできない。
というのも,本作には「大名規模」というものが存在し,これが「群雄」以上にならないと上洛することができないのだ。
そこで,さらに領地を増やすべく,周囲を見渡してみる。武田や朝倉と戦端を開くのは得策ではないし,同盟期間もまだ残っている。
そこで1553年晩秋,いまだ斯波家が支配する尾張の北半分を攻略することに(同盟相手の信長には申し訳ないが)。
■斉藤軍に捕らえられた斯波家当主・義統。精神崩壊?
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■大名規模が群雄になると「本拠城」を建設できるなど,行動の幅が広がる。 |
すると次のターン,斉藤家の規模はめでたく「群雄」となった。これで上洛が可能である!
上 洛
こうして1554年新春。ついに斉藤家の軍勢は京へと足を踏み入れた。待ち構えるは足利将軍家。敵は野戦を選択し,迎撃の構えを見せる。
だが,足利軍はほとんどの砦を放棄し,本陣の周りに分厚い陣を敷く。このままでは攻めようがないので,敵本陣にほど近い敵の砦を占領し,そこを拠点に敵と戦うこととする。
ちなみに,合戦中に敵の砦を落とすと,味方全軍の士気を上げることができる。敵の無防備な砦を落としておけば,その後の戦いを有利に運ぶことができるのだ。
■砦を占領したところ。自軍の士気は上がり,敵軍の士気は下がる。
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■敵の行動の自由を奪う「混乱」,一斉射撃や突撃などを行う「戦法」はものすごい威力。 |
砦を占領する作戦はみごとに当たった。自軍は士気が高いときにだけ使える特殊コマンド「混乱」や「戦法」を駆使し,敵部隊をみるみるうちに殲滅。
さしたる被害も受けずに足利軍を撃破してしまった。
戦い終わって
さて,ついに上洛を果たした斉藤家。家中はまるでもう天下を取ったような騒ぎで,主要な家臣を一同に介して「茶会」を開き,膨大な金を浪費する始末。
とはいえ,せっかく手に入れた京の都は,今回の戦には巻き込まれなかったものの,長引く戦乱ですっかり荒れ果ててしまっている。
また,各地で反斉藤家の機運も高まりはじめた。伊勢の長野家,飛騨の三木家が同盟を結び,共に斉藤家に当たろうという動きを見せている。
足利家の領土を併呑したことにより,西国の雄・三好家との激突は時間の問題となった。また,北陸からは後の上杉謙信こと長尾景虎が,東海道からは今川・松平の勢力が忍び寄る。
上洛を果たしたとはいえ,天下の形勢はいまだ定かではない──。
といったところで,今回のプレイはお開き。ゲームの流れに即して遊び方や楽しみ方をお伝えしたつもりだが,いかがだっただろうか? 「天下創世」というタイトルどおり,内容は比較的内政寄りである。
開発や投資によって城下町が発展していく「統治」の要素は,最近の信長シリーズにはない新鮮な楽しさがある。
また,この城下町が攻城戦の舞台になるというアイディアも秀逸だ。苦労して発展させた町並みが,戦によって一瞬に壊されていくこともありえるわけで,防衛にも力が入る。
合戦の要素はほどよく簡略化されていて,とてもプレイアブルだ。
プレイヤーの手間は最小限で,しかし戦いの駆け引きを楽しめるものであることは,当記事を読んでもらえれば明らかだろう。
■固く手を結ぶ長野・三木の両雄。朝倉と武田とかでなくてよかった……。
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■飛騨の三木家を叩けば長尾家と,尾張の織田家を叩けば今川・松平の連合と境を接することになってしまう。さて? |
もしも,もっとこの続きを読んでみたいというのであれば,もしかしたら,その後の様子や製品版のレビューもお送りできるかもしれない。
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