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幻想水滸伝IV インタビュー
河野純子氏
 いよいよ発売された「幻想水滸伝IV」。  

 108人の仲間ととともに運命に立ち向かう……という一貫したストーリー,シリアスなテーマと,随所に散りばめられたユーモアで人気の作品だ。

 今回,本作のプロデューサーであるコナミコンピュータエンタテインメント東京制作部の河野純子氏にお話を伺うことができた。

 制作の舞台裏や裏話,「幻想水滸伝IV」全体についていろいろ聴いてきたので,早速お伝えしよう。

■河野純子氏は,「幻想水滸伝」デザイン,「II」「III」のキャラクターデザイン全般を担当。その独特の世界観で描かれるキャラクターは,ファンの間で絶大な人気を誇っている。今回の「IV」ではキャラクターデザインのほか,プロデュースも担当する。
「IV」の舞台は大海原 舞台設定の秘話
SBG:まず時代が初代「幻想水滸伝」の150年前になりましたね。「III」のその後にしなかったのはなぜですか?

 I〜III はひとかたまりになっていて,お話がまとまっているという意見がありました。「IV」を作るに当たり,「幻想水滸伝」の世界を広げていきたいという考えもあって場所と時代を変えたんです。

SBG:舞台が海に囲まれた島々になったのは?

 毎回,水がたくさんあるところが舞台になりますから,今回は海かな……と漠然と(笑)。そんな時,ちょうど会社が晴海に越してきて,「窓から海が見えるのもいいねぇ」という意見もあり,海に囲まれた島々になりました。

■シリーズで初の舞台となる海。もちろん島から島への移動手段は船となる。
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■イベントによっては夕暮れが楽しめることも。風景の美しさも今作の特徴だ。

SBG:海と島のバリエーションはどのくらい作っていますか?

 主人公たちが訪れる島は,文化の違い,種族の違いなどで特色を出しています。たとえば人間やネコボルト,人魚といった住人の違い,そして島ごとのルールの違い。

 同じ種族でも肌の色が違っていたりと訪れる島ごとに“異国”の雰囲気が感じ取れるようにしています。

主人公とスノウの関係は?仲間キャラクターの裏話も
SBG:主人公はシリーズお馴染みの“赤”を身につけていますね。

 幻想水滸伝の主人公はどこかに赤をつけておかないというのがありました。頭に何かつけないといけないかとか,毎回デザイン上でプレッシャーになっているんですけどね……(笑)。

 それで考えていくうちに,今回は何かはためくものを付けたい,と長いはちまきのようなものにしました。それを赤にして色でバッチリ(笑)。

SBG:主人公とスノウの関係を教えてください。

 スノウは主人公よりも少し年上で,主人公のことを弟のように思っている優しい人です。

 逆に主人公は,別に憎しみはないけれどもスノウとこのまま一緒にいていいのかなと思っている(笑)。

 ゲームでは,物語が進むにつれスノウの身の上に想像外のことが次々と起こります。それによって彼は主人公や周囲の人間に対しての心境が変わっていく。

 物語の終盤まで彼の物語はハラハラドキドキの連続で,注目の展開を見せます。あとは実際に皆さんの目で確かめてください。

■ジーン,ビッキーなどシリーズお馴染みキャラも登場! 「彼女たちの秘密が少しだけ明らかになるかも……」(河野氏)ということだが,果たして!?

SBG:今までのシリーズに登場したキャラクターの先祖とかは出てきますか?

 先祖……とまではいかなくても,宿星が同じでなんとなくイメージが近いと思われるようなキャラクターは結構います。おおもとの水滸伝とかも意識していますね。

SBG:デザインに苦労したキャラクターはいますか?

 ジーンは戦う&暑い南の国に行っているということもあり,露出度を上げて動きやすい感じにしましょうということは全員一致でした。

 あとは制作チームの男性諸氏に,どこらへんが開いているとうれしいですかと聞きつつ……今のデザインに落ち着きました(笑)。ちょっと開きすぎたかな?

 あとキカの海賊団生い立ちなどもバラバラなキャラクターがキカを慕って集まっているという感じにしたかったので,あえて全員を統一しませんでしたし,テッドのデザインは1作目と同じですが,前作と見た目の印象が異なるように色味を変えたりしています。

SBG:今回キャラクターにボイスにボイスがついたのはなぜですか?

 イベントシーンを人間ぽいものにしたかったのと,キャラクターの頭身が上がったことに伴い,テキストだけでは間が持たなくなったからです。

 その代わりといってはなんですが,ゲームのテンポを崩さないようにボイスの入る場所の選別にかなり気をつかっています。またボイスのON/OFF機能も付けています。

■歴代主人公の運命を見届けてきたレックナート。彼女の高貴な言葉が,遂にボイス付きで聴けるぞ。
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■「I」主人公にすべてを託したテッドも登場する。150年前になにがあったのか? はプレイしてのお楽しみだ。

SBG:ボイス入れの苦労話や裏話とかはありますか?

 シリーズ通して出てくるキャラクターは,ユーザーの頭の中で既にできあがってと思うんですね。

 その全てに対応することはできませんが,いかに皆さんにとって違和感のないキャスティングをするか,ということを心がけました。

 ボイス入れの際も演技についてかなり口酸っぱく言ってしまっていますしね。

 たとえばジーンだったら「声からもフェロモンが出るように」と無理矢理色気を強要して困られたり,レックナートで「できるだけ高貴になってください」と漠然と言ってしまって悩まれたり……(笑)。

 本当に声優さんには迷惑をかけてしまったかなと思います。

 ちなみに,声優さんの中には全部ゲームをやっている人もいて,演じるキャラクターのことを「よくわかっています」と言う方もいらっしゃいました(笑)。 次のページへ

 

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